俺のこと、冷遇してるんだから離婚してくれますよね？〜王妃は国王の隠れた溺愛に気付いてない〜

25．王妃は王と共寝する

父は執事たちに抱えられ、寝室に運ばれていった。

残された3人でデザートを食べたが、気まずさから誰も一言も発することはなかった。

食事を終えて、俺は嫁入り前まで使っていた自分の部屋に行こうと、キースが泊まるゲストルームとは別方向へ進む。
すると、母に呼び止められる。

「あら、エスメラルダ。あなたの部屋、今ディアマンテが使用しているから使えないわよ。今日はゲストルームで休みなさい。陛下と」
「えっ?あそこってベッド1つだけだよね?」
「えぇ、キングサイズのね。いつも一緒に寝てるから問題ないでしょう?夫婦なんだしね」
「あー、あっ、…うん」

それ以上何も言えなくて、俺とキースは顔を見合わせることしかできなかった。

部屋にいる間は大丈夫だったのだが、いざベッドに入る頃になると微妙な空気が流れ出す。

「俺、床で寝るので。陛下はベッドで寝て下さい」
「それなら別の部屋で寝ればいいだろ」
「無理です」
「なぜだ?」
「俺たちのこと、両親に何を言えば良いんですか?仮面夫婦だから別々に寝ますって?あんだけ嬉しそうにしてた2人に言える訳ないだろ…」
「…だったら、同じベッドに入るしかないんじゃないのか?」
「…えっ？本気で言ってるのか？」