俺のこと、冷遇してるんだから離婚してくれますよね?〜王妃は国王の隠れた溺愛に気付いてない〜

明太子

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24.王妃は複雑に思う

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俺の父マクスウェルと母フランチェスカはキースの来訪に喜んでいる。

あぁ、言えない。
とてもじゃないけど、言えない。
「あとちょっとで俺はこの家に出戻るんで!」とは。
俺は内心複雑に思いながら、家の中に入った。

夕食は俺たち夫婦と両親の4人で取ることになった。
メニューはサラダ、スープ、魚料理、肉料理、デザートのフルコース。
食事中、キースと両親はムコーラ領の経営について和やかに談笑している。

それでも慣れない状況に緊張しているのか、父はお酒を飲むペースがいつもより早い。
母と俺は父の姿に密かな不安を感じていたが、その予感は的中した。
デザートの前に酔い潰れ、うとうとし始めたのだ。
隣に座る母が苦笑いで、父の肩を軽く叩いた。
すると、父は飲んでいたワインの瓶も抱き締めて、大声で叫んだ。

「いやー!めでたいっ!めでたいなー!我が領地には領民がどんどん増えて、街も栄えている!次期当主のディアマンテは秋にリディアと結婚が決まった!そして何よりエスメラルダは王妃として、陛下とともに俺とフランチェスカに元気な顔を見せてくれた!俺は世界一の幸せ者だぁ!」

父はそのままテーブルに突っ伏して、大きないびきをかきながら寝落ちした。
俺のがさつさはこの父親譲りなのだと確信した。
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