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キース視点 1.王は叶わぬ恋をする
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ずっとエスメラルダが好きだった。
彼は俺にとって最初で最後の恋だ。
迷うことなく断言できる。
だけど、エスメラルダにとっては違う。
あいつは従兄のディアマンテを慕っているのだ。
子供の頃、俺が遊びに行くと必ずエスメラルダはディアマンテを呼んだ。
武官の彼に俺の護衛をしてもらうためだと言っていたが、いつもディアマンテの方ばかり向いていて、俺とは決して目を合わせない。
それどころか、俺が席を外して2人きりになると、とびきりの笑顔で楽しそうに話していた。
その光景を見る度に心が苦しくなった。
だから、エスメラルダの元から足が遠のいた。
会わなくなれば、きっと心の中からいなくなってくれる。
そう信じて。
けれども、一度抱いた恋情は消えることなく、しつこく燻り続けた。
18歳になると、即位と共に嫁いでくる王妃の選考が行われた。
時が経とうとも、ずるずるとエスメラルダへ恋心を引き摺ったままの俺には王妃が誰になろうともどうでも良かった。
愛するエスメラルダは王妃選考に参加するはずがないのだから。
ムニーラ家の一人息子でオメガの彼はきっとディアマンテを婿に迎え、次期当主となるのだろう。
だから選考には全く興味を持でず、通常は王自らが審査する最終選考にも顔を出さなかった。
彼は俺にとって最初で最後の恋だ。
迷うことなく断言できる。
だけど、エスメラルダにとっては違う。
あいつは従兄のディアマンテを慕っているのだ。
子供の頃、俺が遊びに行くと必ずエスメラルダはディアマンテを呼んだ。
武官の彼に俺の護衛をしてもらうためだと言っていたが、いつもディアマンテの方ばかり向いていて、俺とは決して目を合わせない。
それどころか、俺が席を外して2人きりになると、とびきりの笑顔で楽しそうに話していた。
その光景を見る度に心が苦しくなった。
だから、エスメラルダの元から足が遠のいた。
会わなくなれば、きっと心の中からいなくなってくれる。
そう信じて。
けれども、一度抱いた恋情は消えることなく、しつこく燻り続けた。
18歳になると、即位と共に嫁いでくる王妃の選考が行われた。
時が経とうとも、ずるずるとエスメラルダへ恋心を引き摺ったままの俺には王妃が誰になろうともどうでも良かった。
愛するエスメラルダは王妃選考に参加するはずがないのだから。
ムニーラ家の一人息子でオメガの彼はきっとディアマンテを婿に迎え、次期当主となるのだろう。
だから選考には全く興味を持でず、通常は王自らが審査する最終選考にも顔を出さなかった。
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