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34.王妃の努力は無駄だった
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「ごめん…」
「なぜお前が謝る?謝るべきなのは俺の方だろう」
「えっ!?」
キースが俺に謝罪するとは思わなくて、キョトンとしてしまう。
そんな俺に構うことなく、キースは少し気まずそうに俯いて続けた。
「王妃の務めを果たそうとしてくれているのに、『俺1人で充分だ』などと嫌な言い方をして悪かった。お前が長旅で疲れているだろうと思っただけなんだ…」
「あっ…、いや…、それについてはそこまで気にしなくていいから…」
「俺はお前に感謝しているんだ。いつも懸命に王妃として国民のために心を尽くしてくれていることに」
キースから礼を言われても、俺はこれっぽっちも嬉しいとは思えなかった。
それどころか強い憤りすら感じていた。
どうしてモネと浮気したの?
どうして俺と離婚するの?
どうして俺を追い出してまでモネを王妃にしようとするの?
キースの胸倉に力任せに掴みかかって問いただしてやりたいそれらの答えが『王妃としての俺の働きが不十分だった』であれば少しだけ、ほんの少しだけ救われるのにと心の片隅で密かに思っていたのだ。
だけど、俺は未だに的外れなことばかり考えていたらしい。
キースはモネを愛している。
俺の努力は無駄だった。
ただ、それだけだったんだ。
「なぜお前が謝る?謝るべきなのは俺の方だろう」
「えっ!?」
キースが俺に謝罪するとは思わなくて、キョトンとしてしまう。
そんな俺に構うことなく、キースは少し気まずそうに俯いて続けた。
「王妃の務めを果たそうとしてくれているのに、『俺1人で充分だ』などと嫌な言い方をして悪かった。お前が長旅で疲れているだろうと思っただけなんだ…」
「あっ…、いや…、それについてはそこまで気にしなくていいから…」
「俺はお前に感謝しているんだ。いつも懸命に王妃として国民のために心を尽くしてくれていることに」
キースから礼を言われても、俺はこれっぽっちも嬉しいとは思えなかった。
それどころか強い憤りすら感じていた。
どうしてモネと浮気したの?
どうして俺と離婚するの?
どうして俺を追い出してまでモネを王妃にしようとするの?
キースの胸倉に力任せに掴みかかって問いただしてやりたいそれらの答えが『王妃としての俺の働きが不十分だった』であれば少しだけ、ほんの少しだけ救われるのにと心の片隅で密かに思っていたのだ。
だけど、俺は未だに的外れなことばかり考えていたらしい。
キースはモネを愛している。
俺の努力は無駄だった。
ただ、それだけだったんだ。
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