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41.王は嫉妬する
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「というわけでリリオ王に誘われましたので、今からお部屋に行ってまいります」
「…ダメだ!」
「どうして!?」
晩餐会を終えて客間に戻ったにも関わらず、外に出ようとする俺をキースが訝しんで呼び止めたため、リリオ王からのお誘いを話したところ、なぜだか反対された。
納得のいかない俺はキースに詰め寄る。
「きちんと理由を説明して下さい!外交面から考えても、これは好機ですよ!」
「好機だとしても許すつもりはない!…密室に2人きりなんだろ?何かあったらどうするんだ!」
「『何か』って…、俺が失態するとでも言いたいのかよ…」
「は?いや、そういう意味じゃなくてだな」
「そんなに俺が信用できない?役に立たない?」
「違っ…!」
俺はキースの態度に不満げに口を尖らせる。
その時、誰かがドアを叩いた。
開けると、そこにはリリオ王が立っていた。
「やぁ!王妃、迎えに来たよ!」
ニコニコと楽しそうなリリオ王と比べて、キースはかなり不機嫌な様子だ。
「あんた、何考えてんすか?」
「ち、ちょっと!キース!リリオ王に失礼な口を利くな!」
「ただ同じオメガだからお友達になりたいだけだよ。キース、嫉妬深い男は嫌われるよ。ほどほどにしときな?」
リリオ王がニヤリと口角を吊り上げると、キースは怯んだ顔をしたものの、すぐさま奥歯を噛みしめて悔しげに彼を睨みつけた。
「…ダメだ!」
「どうして!?」
晩餐会を終えて客間に戻ったにも関わらず、外に出ようとする俺をキースが訝しんで呼び止めたため、リリオ王からのお誘いを話したところ、なぜだか反対された。
納得のいかない俺はキースに詰め寄る。
「きちんと理由を説明して下さい!外交面から考えても、これは好機ですよ!」
「好機だとしても許すつもりはない!…密室に2人きりなんだろ?何かあったらどうするんだ!」
「『何か』って…、俺が失態するとでも言いたいのかよ…」
「は?いや、そういう意味じゃなくてだな」
「そんなに俺が信用できない?役に立たない?」
「違っ…!」
俺はキースの態度に不満げに口を尖らせる。
その時、誰かがドアを叩いた。
開けると、そこにはリリオ王が立っていた。
「やぁ!王妃、迎えに来たよ!」
ニコニコと楽しそうなリリオ王と比べて、キースはかなり不機嫌な様子だ。
「あんた、何考えてんすか?」
「ち、ちょっと!キース!リリオ王に失礼な口を利くな!」
「ただ同じオメガだからお友達になりたいだけだよ。キース、嫉妬深い男は嫌われるよ。ほどほどにしときな?」
リリオ王がニヤリと口角を吊り上げると、キースは怯んだ顔をしたものの、すぐさま奥歯を噛みしめて悔しげに彼を睨みつけた。
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