俺のこと、冷遇してるんだから離婚してくれますよね?〜王妃は国王の隠れた溺愛に気付いてない〜

明太子

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42.王は睨みつける

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そんな中で俺だけが状況を全く掴めていない。

嫉妬?
何に対して?

首を傾げながら言葉の意味について考え込んでいたら、いつの間にかリリオ王に肩を抱かれていた。
そのまま廊下へ連れ出されそうになった瞬間、キースが俺の腕を掴んだ。

「キ、キース?どうしたんだよ?」
「…本当に酒を飲むだけですか?」
「そう言ってるじゃん」
「なら2時間です」
「は?」
「2時間でエスメラルダを返して下さい」

2人はじっと睨み合う。
困惑した俺はただ黙っていることしかできなかったが、先に根負けしたのはリリオ王だった。
彼は軽く溜息をついて俺から離れると、両手を上げた。

「はいはい、分かったよ。2時間な。ったく、お前って本当つまんねー奴だわ」
「つまらなくて結構です。約束は絶対に守って下さいね」
「じゃあその間は王妃を借りるから邪魔すんなよー」

要求を受け入れてもらった側であるにも関わらず、未だに不服そうなキースを残して、俺とリリオ王は部屋を後にした。

「はぁ、全くもう…!キースは一体何が気に食わないんでしょう?あんなに文句ばかりで…」
「それ…、本気で言ってんの?」
「えっ?はい」
「そっかぁ…。ははっ、これはキースも大変だなぁー!」
「ん?どういうことですか?」
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