俺のこと、冷遇してるんだから離婚してくれますよね?〜王妃は国王の隠れた溺愛に気付いてない〜

明太子

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47.王妃は壁ドンされる

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「リリオ王もあのような泥酔状態では有益な話もできまい。今夜はここで失礼するが、この件は国王陛下直々に詫びていただきたい。そう伝えてくれ」
「かしこまりました」

キースはその場が凍りつくほど冷たい口調で言い放つと、俺の腕を掴んで部屋を後にする。

客間までの帰り道、俺は大股で早歩きするキースに時折引き摺られながらもどうにか駆け足でついていく。
そのうちは酔いが醒め、思考に冷静さが戻ってきた。

リリオ王に迫られて混乱していたとはいえ、キースとキスしたかったと望むなんてどうかしている。

だけど、あれが俺の本音なのか…。
だとしたら、未練がましいにもほどがある。
キースの『やり直したい』発言に対して、頭では拒まなきゃいけないと考えていたけど、心の底ではやっぱり希望でも抱いちゃったの?
はぁ…、勘弁してよマジで。

愚かにも長年育てたこの恋を捨てきれず、未だに燻り続けていることに気付かされ、悶々とする。

俺の葛藤など知りもしないキースは客間に到着して部屋に入る直前でようやく手を離す。
だが、ドアを閉めた瞬間、キースが俺に覆い被さってきた。
ドアを背にした俺の両脇にキースは決して逃がさぬように手を突いている。
いわゆる壁ドンである。
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