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キース視点 6.王は期待する
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エスメラルダが寝室の扉を乱暴に閉めた音が部屋に鳴り響く。
「はぁ…、やってしまった。でも可愛すぎるだろ、あれは…」
あれほど遠ざけ、離れようとしていたのに。
リリオ王に親しげに肩を抱かれている姿を見て、エスメラルダへの想いを諦める覚悟が一気に吹っ飛んでしまうほどに嫉妬した。
俺以外の人間に横から掻っ攫われるかもしれない不安で居ても堪ってもいられなくなり、体が勝手に動いてエスメラルダを追いかけていた。
その上、抱きしめてキスまでしてしまうなんて身勝手なのは百も承知だが、触れる手を止められなかった。
それなのに『嫉妬してほしかった』と可愛い顔して言われ、調子に乗って自分の想いを思わず告げてしまった。
その結果、2度目のキスは拒まれた。
当たり前だ。
全部強引な行動だったと反省している。
それでもエスメラルダが今まで冷たく当たってしまった俺を嫌っていないことに安堵し、期待さえしてしまう。
まず俺がするべきなのはエスメラルダが望む『誠意』を見せ、信頼を取り戻すことだ。
そのためなら何だってしてやる。
そういえばホスミシン公爵はどうしているだろうか?
娘の婚礼のための衣裳や道具を用意している頃か?
見栄ばかり一級品のあの一家のことだから、俺の希望通りにうんと豪華なものを取り揃えてくれるだろう。
そうなればなるほど、俺の計画は成功に近づくのだから。
「はぁ…、やってしまった。でも可愛すぎるだろ、あれは…」
あれほど遠ざけ、離れようとしていたのに。
リリオ王に親しげに肩を抱かれている姿を見て、エスメラルダへの想いを諦める覚悟が一気に吹っ飛んでしまうほどに嫉妬した。
俺以外の人間に横から掻っ攫われるかもしれない不安で居ても堪ってもいられなくなり、体が勝手に動いてエスメラルダを追いかけていた。
その上、抱きしめてキスまでしてしまうなんて身勝手なのは百も承知だが、触れる手を止められなかった。
それなのに『嫉妬してほしかった』と可愛い顔して言われ、調子に乗って自分の想いを思わず告げてしまった。
その結果、2度目のキスは拒まれた。
当たり前だ。
全部強引な行動だったと反省している。
それでもエスメラルダが今まで冷たく当たってしまった俺を嫌っていないことに安堵し、期待さえしてしまう。
まず俺がするべきなのはエスメラルダが望む『誠意』を見せ、信頼を取り戻すことだ。
そのためなら何だってしてやる。
そういえばホスミシン公爵はどうしているだろうか?
娘の婚礼のための衣裳や道具を用意している頃か?
見栄ばかり一級品のあの一家のことだから、俺の希望通りにうんと豪華なものを取り揃えてくれるだろう。
そうなればなるほど、俺の計画は成功に近づくのだから。
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