68 / 99
62.王妃は鬱憤を爆発させる
しおりを挟む
「ぬぁっ!?」
キースは俺の発言にひどく驚きながらも、追及するかのようにぐいっと距離を詰めてきた。
俺はまごまごしながら数歩後ずさる。
「す、過ぎた話だから!昔!昔のことだからな!」
「少なくとも以前はそう思ってくれていたのか…」
し、しまった…!
自分で自分を追い込んでどうするんだよっ!
「今はもう何とも思ってないっ!」
「本当に?全く?」
あぁっ!やめてくれっ!
そのどタイプの顔面で見つめないでくれっ!
キースへの守備がどんどん弱まってる…。
めちゃくちゃドキドキしてるけれども耐えろ、俺!
「もし許されるならばエスメラルダに触れたい」
…ん?
触れたい?
もしかしてやっぱり急に態度が変わったのは欲求不満のせいなのでは?
ときめいて損したわ、俺…。
悩んだ時間返せ!バカヤロー!
キースの不用意な一言は俺を激怒させるには充分すぎる火種だった。
そして俺は今まで蓄積した鬱憤をキースに向けて爆発した。
「お前、俺を舐めすぎじゃない?」
「え?」
「どんだけ自分中心で生きてんの?あぁ、王様だもんね!でもお前みたいのを『裸の王様』って言うんだぜ!」
「エスメラルダ…?」
「初夜で『お前を愛するつもりはない』って俺に言ったのは誰?俺を城の本棟にも入れることなく別棟に追いやったのは誰?俺と結婚してからずっと冷たく当たってきたのは誰?全部お前だよね?忘れたとは言わせないからな、絶対」
キースは俺の発言にひどく驚きながらも、追及するかのようにぐいっと距離を詰めてきた。
俺はまごまごしながら数歩後ずさる。
「す、過ぎた話だから!昔!昔のことだからな!」
「少なくとも以前はそう思ってくれていたのか…」
し、しまった…!
自分で自分を追い込んでどうするんだよっ!
「今はもう何とも思ってないっ!」
「本当に?全く?」
あぁっ!やめてくれっ!
そのどタイプの顔面で見つめないでくれっ!
キースへの守備がどんどん弱まってる…。
めちゃくちゃドキドキしてるけれども耐えろ、俺!
「もし許されるならばエスメラルダに触れたい」
…ん?
触れたい?
もしかしてやっぱり急に態度が変わったのは欲求不満のせいなのでは?
ときめいて損したわ、俺…。
悩んだ時間返せ!バカヤロー!
キースの不用意な一言は俺を激怒させるには充分すぎる火種だった。
そして俺は今まで蓄積した鬱憤をキースに向けて爆発した。
「お前、俺を舐めすぎじゃない?」
「え?」
「どんだけ自分中心で生きてんの?あぁ、王様だもんね!でもお前みたいのを『裸の王様』って言うんだぜ!」
「エスメラルダ…?」
「初夜で『お前を愛するつもりはない』って俺に言ったのは誰?俺を城の本棟にも入れることなく別棟に追いやったのは誰?俺と結婚してからずっと冷たく当たってきたのは誰?全部お前だよね?忘れたとは言わせないからな、絶対」
832
あなたにおすすめの小説
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?
詩河とんぼ
BL
前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?
隣国のΩに婚約破棄をされたので、お望み通り侵略して差し上げよう。
下井理佐
BL
救いなし。序盤で受けが死にます。
文章がおかしな所があったので修正しました。
大国の第一王子・αのジスランは、小国の王子・Ωのルシエルと幼い頃から許嫁の関係だった。
ただの政略結婚の相手であるとルシエルに興味を持たないジスランであったが、婚約発表の社交界前夜、ルシエルから婚約破棄をするから受け入れてほしいと言われる。
理由を聞くジスランであったが、ルシエルはただ、
「必ず僕の国を滅ぼして」
それだけ言い、去っていった。
社交界当日、ルシエルは約束通り婚約破棄を皆の前で宣言する。
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
陛下の前で婚約破棄!………でも実は……(笑)
ミクリ21
BL
陛下を祝う誕生パーティーにて。
僕の婚約者のセレンが、僕に婚約破棄だと言い出した。
隣には、婚約者の僕ではなく元平民少女のアイルがいる。
僕を断罪するセレンに、僕は涙を流す。
でも、実はこれには訳がある。
知らないのは、アイルだけ………。
さぁ、楽しい楽しい劇の始まりさ〜♪
夫には好きな相手がいるようです。愛されない僕は針と糸で未来を縫い直します。
伊織
BL
裕福な呉服屋の三男・桐生千尋(きりゅう ちひろ)は、行商人の家の次男・相馬誠一(そうま せいいち)と結婚した。
子どもの頃に憧れていた相手との結婚だったけれど、誠一はほとんど笑わず、冷たい態度ばかり。
ある日、千尋は誠一宛てに届いた女性からの恋文を見つけてしまう。
――自分はただ、家からの援助目当てで選ばれただけなのか?
失望と涙の中で、千尋は気づく。
「誠一に頼らず、自分の力で生きてみたい」
針と糸を手に、幼い頃から得意だった裁縫を活かして、少しずつ自分の居場所を築き始める。
やがて町の人々に必要とされ、笑顔を取り戻していく千尋。
そんな千尋を見て、誠一の心もまた揺れ始めて――。
涙から始まる、すれ違い夫婦の再生と恋の物語。
※本作は明治時代初期~中期をイメージしていますが、BL作品としての物語性を重視し、史実とは異なる設定や表現があります。
※誤字脱字などお気づきの点があるかもしれませんが、温かい目で読んでいただければ嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる