俺のこと、冷遇してるんだから離婚してくれますよね?〜王妃は国王の隠れた溺愛に気付いてない〜

明太子

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62.王妃は鬱憤を爆発させる

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「ぬぁっ!?」

キースは俺の発言にひどく驚きながらも、追及するかのようにぐいっと距離を詰めてきた。
俺はまごまごしながら数歩後ずさる。

「す、過ぎた話だから!昔!昔のことだからな!」
「少なくとも以前はそう思ってくれていたのか…」

し、しまった…!
自分で自分を追い込んでどうするんだよっ!

「今はもう何とも思ってないっ!」
「本当に?全く?」

あぁっ!やめてくれっ!
そのどタイプの顔面で見つめないでくれっ!
キースへの守備がどんどん弱まってる…。
めちゃくちゃドキドキしてるけれども耐えろ、俺!

「もし許されるならばエスメラルダに触れたい」

…ん?
触れたい?
もしかしてやっぱり急に態度が変わったのは欲求不満のせいなのでは?
ときめいて損したわ、俺…。
悩んだ時間返せ!バカヤロー!

キースの不用意な一言は俺を激怒させるには充分すぎる火種だった。
そして俺は今まで蓄積した鬱憤をキースに向けて爆発した。

「お前、俺を舐めすぎじゃない?」
「え?」
「どんだけ自分中心で生きてんの?あぁ、王様だもんね!でもお前みたいのを『裸の王様』って言うんだぜ!」
「エスメラルダ…?」
「初夜で『お前を愛するつもりはない』って俺に言ったのは誰?俺を城の本棟にも入れることなく別棟に追いやったのは誰?俺と結婚してからずっと冷たく当たってきたのは誰?全部お前だよね?忘れたとは言わせないからな、絶対」
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