47 / 48
その後の2人
可愛いって言うのはあなただけ 前編
しおりを挟む
城内をはぁはぁと息を切らして全力疾走する男が1人。
カーティスである。
彼が走る廊下の端で、侍従や侍女たちは一旦仕事を中断し、丁寧に礼をする。
そして通り過ぎると、皆微笑ましい顔で敬愛する国王の後ろ姿を見つめる。
今日もまた愛する王妃の元へ急いでいるのだ、と。
カーティスは目的地であるジェーンの部屋に到着すると、扉の前で数回深呼吸をした後、髪や服装をサッと整える。
結婚して日は経つが、いつまでも妻にはよく見られたい男心である。
コンコンと扉をノックすると、ジェーン自ら開けて迎えてくれる。
「カーティス様、お待ちしておりました」
ジェーンはカーティスの来訪にこてんと首を傾げ、微笑む。
あぁ、我が妻のなんと愛らしいことか。
心の中でジェーンの可愛さにギュンと心を掴まれながらも、カーティスはどうにか平静を取り繕う。
なんせ20近くも年上。
いつバレてしまうか分からないが、できるだけ長く大人の男の余裕を装いたい。
カーティスの精一杯の強がりだ。
「じゃあ今日も行こうか」
「はい」
カーティスがジェーンに手を差し出す。
すると、ジェーンは嬉しそうにカーティスの手を取った。
安定期に入ってからというもの、2人の間で30分ほど城内の庭園を散歩することが日課となった。
カーティスである。
彼が走る廊下の端で、侍従や侍女たちは一旦仕事を中断し、丁寧に礼をする。
そして通り過ぎると、皆微笑ましい顔で敬愛する国王の後ろ姿を見つめる。
今日もまた愛する王妃の元へ急いでいるのだ、と。
カーティスは目的地であるジェーンの部屋に到着すると、扉の前で数回深呼吸をした後、髪や服装をサッと整える。
結婚して日は経つが、いつまでも妻にはよく見られたい男心である。
コンコンと扉をノックすると、ジェーン自ら開けて迎えてくれる。
「カーティス様、お待ちしておりました」
ジェーンはカーティスの来訪にこてんと首を傾げ、微笑む。
あぁ、我が妻のなんと愛らしいことか。
心の中でジェーンの可愛さにギュンと心を掴まれながらも、カーティスはどうにか平静を取り繕う。
なんせ20近くも年上。
いつバレてしまうか分からないが、できるだけ長く大人の男の余裕を装いたい。
カーティスの精一杯の強がりだ。
「じゃあ今日も行こうか」
「はい」
カーティスがジェーンに手を差し出す。
すると、ジェーンは嬉しそうにカーティスの手を取った。
安定期に入ってからというもの、2人の間で30分ほど城内の庭園を散歩することが日課となった。
676
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
嫌われ魔術師の俺は元夫への恋心を消去する
SKYTRICK
BL
旧題:恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!
5回も婚約破棄されたんで、もう関わりたくありません
くるむ
BL
進化により男も子を産め、同性婚が当たり前となった世界で、
ノエル・モンゴメリー侯爵令息はルーク・クラーク公爵令息と婚約するが、本命の伯爵令嬢を諦められないからと破棄をされてしまう。その後辛い日々を送り若くして死んでしまうが、なぜかいつも婚約破棄をされる朝に巻き戻ってしまう。しかも5回も。
だが6回目に巻き戻った時、婚約破棄当時ではなく、ルークと婚約する前まで巻き戻っていた。
今度こそ、自分が不幸になる切っ掛けとなるルークに近づかないようにと決意するノエルだが……。
王太子殿下は悪役令息のいいなり
一寸光陰
BL
「王太子殿下は公爵令息に誑かされている」
そんな噂が立ち出したのはいつからだろう。
しかし、当の王太子は噂など気にせず公爵令息を溺愛していて…!?
スパダリ王太子とまったり令息が周囲の勘違いを自然と解いていきながら、甘々な日々を送る話です。
ハッピーエンドが大好きな私が気ままに書きます。最後まで応援していただけると嬉しいです。
書き終わっているので完結保証です。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
陛下の前で婚約破棄!………でも実は……(笑)
ミクリ21
BL
陛下を祝う誕生パーティーにて。
僕の婚約者のセレンが、僕に婚約破棄だと言い出した。
隣には、婚約者の僕ではなく元平民少女のアイルがいる。
僕を断罪するセレンに、僕は涙を流す。
でも、実はこれには訳がある。
知らないのは、アイルだけ………。
さぁ、楽しい楽しい劇の始まりさ〜♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる