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後日譚(なれそめ&初夜編)
8.釈然としないメイド
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「ふふっ、名を伺ったのにはそんな深い意味はありませんよ?では、ベル?お言伝、教えていただけますか?」
「はい、カーティス様が貴賓室に来てくれとのことです。お客様がお越しになるので、妃殿下にも同席してほしいとおっしゃっておりました」
「うん?今夜お客様がいらっしゃるとは聞いておりませんけれども…」
「お帰りになる時に連れてこられるそうです」
「…そう、ですか。分かりました」
釈然としないものの、彼女の話の道理は通っている。
もし本当だった場合、カーティスに迷惑をかけてしまうのを恐れて、ジェーンは貴賓室に向かうことにした。
しかし、この時ジェーンは気付いていなかった。
ベルがジェーンの後ろ姿をニヤッと嫌な笑みを浮かべながら見つめていることを。
(ふんっ、ジェーンめ!あんたがカーティス様の妃でいられるのも今夜が最後よ。あんたにはあの男がお似合いだわ!)
そして彼女の思惑もジェーンは知らない。
貴賓室に入ると、中は真っ暗だった。
ジェーンが灯りをつけたと同時に、背後から何者かに抱き締められた。
不気味さと嫌悪感で背筋が凍る。
ジェーンは自分の体を包み込んできたその不躾な腕を
反射的に振り払う。
「ははっ、そんなに驚くなよ!愛する男に抱き寄せられてるんだぞ?もっと喜べよ、ジェーン!」
「はい、カーティス様が貴賓室に来てくれとのことです。お客様がお越しになるので、妃殿下にも同席してほしいとおっしゃっておりました」
「うん?今夜お客様がいらっしゃるとは聞いておりませんけれども…」
「お帰りになる時に連れてこられるそうです」
「…そう、ですか。分かりました」
釈然としないものの、彼女の話の道理は通っている。
もし本当だった場合、カーティスに迷惑をかけてしまうのを恐れて、ジェーンは貴賓室に向かうことにした。
しかし、この時ジェーンは気付いていなかった。
ベルがジェーンの後ろ姿をニヤッと嫌な笑みを浮かべながら見つめていることを。
(ふんっ、ジェーンめ!あんたがカーティス様の妃でいられるのも今夜が最後よ。あんたにはあの男がお似合いだわ!)
そして彼女の思惑もジェーンは知らない。
貴賓室に入ると、中は真っ暗だった。
ジェーンが灯りをつけたと同時に、背後から何者かに抱き締められた。
不気味さと嫌悪感で背筋が凍る。
ジェーンは自分の体を包み込んできたその不躾な腕を
反射的に振り払う。
「ははっ、そんなに驚くなよ!愛する男に抱き寄せられてるんだぞ?もっと喜べよ、ジェーン!」
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