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後日譚(なれそめ&初夜編)
12.逆襲開始!
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「くっ…!」
「どういうことだ、ベル?」
「陛下っ!これは…!」
「あら、普段は『陛下』とお呼びになるのですね?先程みたいに『カーティス様』と呼んだらいかが?」
ベルは動揺と羞恥で、顔を赤らめながら口をぱくぱくさせて取り乱した様子だ。
さながら酸素不足の金魚のようだった。
「このお部屋、リアさんと件の大臣の不貞現場ですよね?ウィリアムに僕を抱かせて、その姿をカーテイス様に見せつけようという目論見でしょう。ふふっ、残念でしたね♪失敗に終わって♪」
「なぜだ!?お前が俺に力で勝てる訳がないのに!学生時代、体術で俺は負けなしだったのに!」
ウィリアムは吊るされた状態で大声で喚き散らした。
それに対して、ジェーンは心底耳障りだと言わんばかりの表情だ。
「うるさいですね。そんなの決まっているじゃないですか、わざとです。婚約者より劣っている王太子なんて可哀想すぎるから、わざと負けて差し上げていたんですよ」
「わざと負けた?俺が可哀想?」
「えぇ。えっ?もしかして今までお気付きでなかった?ちなみに他の皆さんも手を抜いておられましたよ。万が一、王子を傷つけては問題になりますからね。ふふっ、忖度ですよ♪」
思わぬ形で明かされた真実にウィリアムは項垂れた。
「どういうことだ、ベル?」
「陛下っ!これは…!」
「あら、普段は『陛下』とお呼びになるのですね?先程みたいに『カーティス様』と呼んだらいかが?」
ベルは動揺と羞恥で、顔を赤らめながら口をぱくぱくさせて取り乱した様子だ。
さながら酸素不足の金魚のようだった。
「このお部屋、リアさんと件の大臣の不貞現場ですよね?ウィリアムに僕を抱かせて、その姿をカーテイス様に見せつけようという目論見でしょう。ふふっ、残念でしたね♪失敗に終わって♪」
「なぜだ!?お前が俺に力で勝てる訳がないのに!学生時代、体術で俺は負けなしだったのに!」
ウィリアムは吊るされた状態で大声で喚き散らした。
それに対して、ジェーンは心底耳障りだと言わんばかりの表情だ。
「うるさいですね。そんなの決まっているじゃないですか、わざとです。婚約者より劣っている王太子なんて可哀想すぎるから、わざと負けて差し上げていたんですよ」
「わざと負けた?俺が可哀想?」
「えぇ。えっ?もしかして今までお気付きでなかった?ちなみに他の皆さんも手を抜いておられましたよ。万が一、王子を傷つけては問題になりますからね。ふふっ、忖度ですよ♪」
思わぬ形で明かされた真実にウィリアムは項垂れた。
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