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第1章 なぜ出会ってしまったのだろう
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かばんを床に放り投げ、布団に力なく仰向けに倒れ込む。ここは割と綺麗に片付けられた私の部屋。
「夢、、、?」
半回転しうつ伏せになり、布団に顔をうずめる。今は何も考えたくない、たださっきの出来事を忘れるのみ。
今の時間、うちには家族はいない。静かな家、たまに聞こえるのは車が近くを通る音くらいだ。だから心臓が止まるかと思った。
「またお会いしたね!」
体が一瞬こわばり、動けなかった。頭が理解したのは声が発せられてから5秒後のことだった。
「何であんたがここにいるのよ、、、。」
不思議と不法侵入されても怒りや恐怖は湧いてこなかった。ただ生まれるのは呆れ、またお前かよというセリフは飲み込んで消化しておこう。
「ごめんね!勝手に入っちゃった!」
「どうやって入ったのよ、、、。」
私は布団からダルそうに起き上がりベッドに腰掛けた。仕方ないから会話してやるか、逃げ場もないし。下手したらどうなるか分からないし。
「それは今はどうでもいいんじゃないかな!?」
ミヤゾノは机の上に乗っていて、尻尾を左右にゆっくりと揺らしていた。
「割とどうでもよくないんだけど、、、。」
こんなキツネに入られるくらいゆるいセキュリティなら少し考えものだ。
「それより梨乃さん!梨乃さん!」
ミヤゾノは机の上から地面めがけて飛び降り、2、3歩こちらに近づき、またお座りをした。
「デスゲームの件、ちょっとは考えてくれたかな!?」
忘れようとしていたことをあっさりと思い出させてくれる。
「それなんだけど、なんで私なのよ?」
「なんで?って、当然!どこにでもいる普通の子だから!」
即答。意味がわからず、返事を考えていたが、ミヤゾノがまたしゃべり出した。
「イジメられてるのに学校に毎日通ってる子にスイッチ渡したらすぐ押しちゃうでしょ!?
逆にヤンキーとかに渡しても面白半分で押しちゃうからつまらないでしょ!?
そういうこと考えた時に押しそうで押さない人が梨乃だったんだよ!」
なるほど、じゃねーよ。
「他にも普通の人なんていっぱい居るでしょ?」
「そうだね!そうなんだけど!クラスの人間関係考えた時に一番面白そうだったのが梨乃だったんだ!」
「いい加減にして!!」
気がつくと立ち上がっていた。ミヤゾノは相変わらず尻尾で床を左右に擦っていた。
「私で遊ぶのがそんなに楽しいの!?」
「うん!」
その無邪気な笑顔を向けられると殺意が芽生えてくる。
「出て行ってよ、今すぐに出て行ってよ!!」
「わかった!またね!」
ミヤゾノはくるりと廻って扉の方に向かってノソノソと歩いていった。
そして扉の前、一度振り返りこう言った。
「いい加減気づけよ。」
「夢、、、?」
半回転しうつ伏せになり、布団に顔をうずめる。今は何も考えたくない、たださっきの出来事を忘れるのみ。
今の時間、うちには家族はいない。静かな家、たまに聞こえるのは車が近くを通る音くらいだ。だから心臓が止まるかと思った。
「またお会いしたね!」
体が一瞬こわばり、動けなかった。頭が理解したのは声が発せられてから5秒後のことだった。
「何であんたがここにいるのよ、、、。」
不思議と不法侵入されても怒りや恐怖は湧いてこなかった。ただ生まれるのは呆れ、またお前かよというセリフは飲み込んで消化しておこう。
「ごめんね!勝手に入っちゃった!」
「どうやって入ったのよ、、、。」
私は布団からダルそうに起き上がりベッドに腰掛けた。仕方ないから会話してやるか、逃げ場もないし。下手したらどうなるか分からないし。
「それは今はどうでもいいんじゃないかな!?」
ミヤゾノは机の上に乗っていて、尻尾を左右にゆっくりと揺らしていた。
「割とどうでもよくないんだけど、、、。」
こんなキツネに入られるくらいゆるいセキュリティなら少し考えものだ。
「それより梨乃さん!梨乃さん!」
ミヤゾノは机の上から地面めがけて飛び降り、2、3歩こちらに近づき、またお座りをした。
「デスゲームの件、ちょっとは考えてくれたかな!?」
忘れようとしていたことをあっさりと思い出させてくれる。
「それなんだけど、なんで私なのよ?」
「なんで?って、当然!どこにでもいる普通の子だから!」
即答。意味がわからず、返事を考えていたが、ミヤゾノがまたしゃべり出した。
「イジメられてるのに学校に毎日通ってる子にスイッチ渡したらすぐ押しちゃうでしょ!?
逆にヤンキーとかに渡しても面白半分で押しちゃうからつまらないでしょ!?
そういうこと考えた時に押しそうで押さない人が梨乃だったんだよ!」
なるほど、じゃねーよ。
「他にも普通の人なんていっぱい居るでしょ?」
「そうだね!そうなんだけど!クラスの人間関係考えた時に一番面白そうだったのが梨乃だったんだ!」
「いい加減にして!!」
気がつくと立ち上がっていた。ミヤゾノは相変わらず尻尾で床を左右に擦っていた。
「私で遊ぶのがそんなに楽しいの!?」
「うん!」
その無邪気な笑顔を向けられると殺意が芽生えてくる。
「出て行ってよ、今すぐに出て行ってよ!!」
「わかった!またね!」
ミヤゾノはくるりと廻って扉の方に向かってノソノソと歩いていった。
そして扉の前、一度振り返りこう言った。
「いい加減気づけよ。」
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