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第2章 海を目指して
第15話 リア
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「大丈夫かい?」
「えっと、大丈夫です」
「どうしたんだ? 戦闘中のあの最中でぼーっとするなんて」
勇者は私の手を掴み、顔同士を近づけてくる。
「!?」
「……綺麗な瞳だ。君ほど強い女性は見た事がない」
「えっと、あぅ……」
「だめですよ。このお方は今病人なのですから」
「いてっ」
聖女が勇者の頭を杖で小突き、私から剥がす。
「全く、ダメですよ勇者様。この子は今ワイバーンの毒に侵されているのですから」
「あっ、なるほど。それはすまなかった」
「勇者様……?」
「おっと、今の話は聞かなかった事にしてくれ」
勇者と呼ばれる男……。聞かなかったことにするのは正直に言って無理だ。
だけどここは流しておこうかな。
「魔法で解毒しますね。……よくこんな全身に毒が回っているのに立っていられますね」
神聖魔法『聖光浄』
「うっ」
そして私は毒を吐き、正常な身体に戻る。
「それじゃあ名乗っておこう。僕の名前はリア。ちょっとした旅をしているものだ」
「改めまして、私は聖女セイントスクエア。この国の王女です。訳あって今はこのゆ……リア様と共に旅をしています」
「えっと、私はルミツ。今は海を目指して旅をしてて、丁度この近くのヒューナ村にお世話になっているところです」
「なるほど、ヒューナ村か。あそこはいい所だ。小さな村だが豊かで心地良い」
「あっ、わかるかも」
私がちょっとした同意の意見を述べると、リアは目を光らせて私の目前まで近づいてくる。
「だよね! 僕の友達があそこに住んでいるんだ! たまに遊びに行ってたけど、すごくいい村なんだよなぁ……!」
「あはは、熱がすごいね……」
そりゃあもう……! と話し続けるリア。子供っぽい笑顔と話しぶりに、私はふと口角が上がる。
「ほらリア様、そろそろ次の所へ行かなければ。間に合わないですよ」
「おっと、ごめんごめん。それじゃあ最後に問うてもいいかな?」
「なに?」
「僕のパーティーに入らないか?」
「えっ」
リアのパーティー? ん? ん??
「さっきはワイバーンの毒で判断能力も落ち、上手く動けなかったのだろうけど、ルミツは下手すれば僕より強い。僕のパーティーに入って一緒に来てくれないか!」
「えっ、えぇっ?」
ちょっと待って?? 今私すごく混乱して、それで、えっと……!
「僕たちも次の用事があってね。今決めてもらいたいんだけど、いいかな!」
「えっと、あぅぅぅ……」
「こらリア様」
「いてっ」
リアはまた聖女から杖の小突きをくらう。
「ルミツ様はお疲れになっています。それなのに簡単に決めていいような判断は委ねないほうがいいですよ」
「あー、確かにそうだね。すまなかった、ルミツ」
「いやいや、別に大丈夫だよ」
「それじゃあ僕たちは急いでるから、またの機会があればその時は考えてくれ! それじゃあ!」
「さようなら、ルミツ様」
神聖魔法『光流の越魔』
そうして2人は魔法で消えていった。
「……」
ついつい、ぼーっとしてしまう。
なんだろう、この気持ち。
「……あっ、」
顔が熱い。なにこれ、すごく緊張してる……?
心臓の音がうるさい。リアの顔が脳裏を過ぎる。なにこれ、なにこれ……!?
カァァッ
「……なに、これ」
心臓がドクドクしてうるさい……!
ギュッと私は両手を胸の前で握り込む。
何、この感じ……?
「あの、すみません」
「ありがとうございました」
「……ん?」
気がつけば、前には傷だらけの冒険者2人が私にお礼を言っていた。
「ごめんね、私じゃ力不足だった」
「そんな事ありません……!」
「あの状況では5秒時間に猶予ができるだけでも、ありがたい限りでしたから」
「そっか。ならよかった!」
そして私は2人と共に、もう1人の冒険者のいるギルドマスターの元へと向かうのだった。
◇◇◇
私は感じたことの無い身体の反応に戸惑いつつも、ギルドマスターの元へと向かっていた。
……?
「変な匂いが……」
……!!
忘れていた。
最初に助けた冒険者は、自分含めた3人で旅をしていると言った。
そして今、私の隣にいるのは2人の冒険者。計3人。
──なら、最初に報告に来たアイツは?
「まずい……!」
一気に血の気が引いた。
「2人はこのまま真っ直ぐ歩いて行って。ギルドマスターがいる。私は急用ができたから、ヒューナ村に帰る」
「えっ」
私は2人の返答をも聞かず、急ぎヒューナ村へ帰る。
しまった。やらかした。焦げ臭い。おそらく火事だ。
どうか、どうか無事でいて。
◇◇◇
──見えてきた!
「みんな、どうか、どうか無事で……!」
……!
そんな思いも虚しかった。
私の目の前に広がる光景。それは、家屋が炎上し人々が逃げ惑う。地獄絵図のような景色であった。
「えっと、大丈夫です」
「どうしたんだ? 戦闘中のあの最中でぼーっとするなんて」
勇者は私の手を掴み、顔同士を近づけてくる。
「!?」
「……綺麗な瞳だ。君ほど強い女性は見た事がない」
「えっと、あぅ……」
「だめですよ。このお方は今病人なのですから」
「いてっ」
聖女が勇者の頭を杖で小突き、私から剥がす。
「全く、ダメですよ勇者様。この子は今ワイバーンの毒に侵されているのですから」
「あっ、なるほど。それはすまなかった」
「勇者様……?」
「おっと、今の話は聞かなかった事にしてくれ」
勇者と呼ばれる男……。聞かなかったことにするのは正直に言って無理だ。
だけどここは流しておこうかな。
「魔法で解毒しますね。……よくこんな全身に毒が回っているのに立っていられますね」
神聖魔法『聖光浄』
「うっ」
そして私は毒を吐き、正常な身体に戻る。
「それじゃあ名乗っておこう。僕の名前はリア。ちょっとした旅をしているものだ」
「改めまして、私は聖女セイントスクエア。この国の王女です。訳あって今はこのゆ……リア様と共に旅をしています」
「えっと、私はルミツ。今は海を目指して旅をしてて、丁度この近くのヒューナ村にお世話になっているところです」
「なるほど、ヒューナ村か。あそこはいい所だ。小さな村だが豊かで心地良い」
「あっ、わかるかも」
私がちょっとした同意の意見を述べると、リアは目を光らせて私の目前まで近づいてくる。
「だよね! 僕の友達があそこに住んでいるんだ! たまに遊びに行ってたけど、すごくいい村なんだよなぁ……!」
「あはは、熱がすごいね……」
そりゃあもう……! と話し続けるリア。子供っぽい笑顔と話しぶりに、私はふと口角が上がる。
「ほらリア様、そろそろ次の所へ行かなければ。間に合わないですよ」
「おっと、ごめんごめん。それじゃあ最後に問うてもいいかな?」
「なに?」
「僕のパーティーに入らないか?」
「えっ」
リアのパーティー? ん? ん??
「さっきはワイバーンの毒で判断能力も落ち、上手く動けなかったのだろうけど、ルミツは下手すれば僕より強い。僕のパーティーに入って一緒に来てくれないか!」
「えっ、えぇっ?」
ちょっと待って?? 今私すごく混乱して、それで、えっと……!
「僕たちも次の用事があってね。今決めてもらいたいんだけど、いいかな!」
「えっと、あぅぅぅ……」
「こらリア様」
「いてっ」
リアはまた聖女から杖の小突きをくらう。
「ルミツ様はお疲れになっています。それなのに簡単に決めていいような判断は委ねないほうがいいですよ」
「あー、確かにそうだね。すまなかった、ルミツ」
「いやいや、別に大丈夫だよ」
「それじゃあ僕たちは急いでるから、またの機会があればその時は考えてくれ! それじゃあ!」
「さようなら、ルミツ様」
神聖魔法『光流の越魔』
そうして2人は魔法で消えていった。
「……」
ついつい、ぼーっとしてしまう。
なんだろう、この気持ち。
「……あっ、」
顔が熱い。なにこれ、すごく緊張してる……?
心臓の音がうるさい。リアの顔が脳裏を過ぎる。なにこれ、なにこれ……!?
カァァッ
「……なに、これ」
心臓がドクドクしてうるさい……!
ギュッと私は両手を胸の前で握り込む。
何、この感じ……?
「あの、すみません」
「ありがとうございました」
「……ん?」
気がつけば、前には傷だらけの冒険者2人が私にお礼を言っていた。
「ごめんね、私じゃ力不足だった」
「そんな事ありません……!」
「あの状況では5秒時間に猶予ができるだけでも、ありがたい限りでしたから」
「そっか。ならよかった!」
そして私は2人と共に、もう1人の冒険者のいるギルドマスターの元へと向かうのだった。
◇◇◇
私は感じたことの無い身体の反応に戸惑いつつも、ギルドマスターの元へと向かっていた。
……?
「変な匂いが……」
……!!
忘れていた。
最初に助けた冒険者は、自分含めた3人で旅をしていると言った。
そして今、私の隣にいるのは2人の冒険者。計3人。
──なら、最初に報告に来たアイツは?
「まずい……!」
一気に血の気が引いた。
「2人はこのまま真っ直ぐ歩いて行って。ギルドマスターがいる。私は急用ができたから、ヒューナ村に帰る」
「えっ」
私は2人の返答をも聞かず、急ぎヒューナ村へ帰る。
しまった。やらかした。焦げ臭い。おそらく火事だ。
どうか、どうか無事でいて。
◇◇◇
──見えてきた!
「みんな、どうか、どうか無事で……!」
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そんな思いも虚しかった。
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