乙女ゲームの余り物たちと結婚させられるために異世界から召喚されました

そいみるくてぃー

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「マジっ…くそ、だわ…」

真っ昼間のとんでもない暑さの都内を悪態をつきながらキャリーケースを引く。
なんでこんなことになってるかって思い出すのもムカつく。

職場に近かったセフレの家に化粧品や下着、少しの洋服や生理用品とかを置いていたけれど「彼女できたから片付けてもう来ないで」だって。
は?その彼女ってパチ屋のお姉ちゃんでしょ?人のお金勝手に手つけて行ってたパチ屋で運命の出会い(笑)をしたらしい。お金返せだしそんな女はすぐ他の男に乗り換えるっつーの!早く捨てられろくそっ!
キャリーケースは昨日の出勤前に家電量販店で買った。旅行の予定とかなかったしマジ無駄な出費。請求してやりたいくらいだ。

これから店のオープンまで職場で仮眠でもしたいけれど、まだ真っ昼間だし誰も来てないから職場の鍵も開いていない。かといって漫喫やカラオケも気分ではないので仕方ない、久々に自分の部屋へ帰るしかないか。
罰金をとられるが今日は出勤する気力もないので欠勤の連絡を店長にLINEでする。普段休まないのできっと怒られない。

母の持ち家である自分の部屋がとんでもない僻地にあるわけではない。むしろ都心だ。ここからは乗り換えがあるから面倒なだけで何人かのセフレの家を転々としてたけど久々に帰るか…
母は私が小学生の頃に離婚していて、そのあとも彼氏やら色々いたけど再婚はしていない。今はどこの国だか忘れたけど新しい彼氏の国へ遊びに行くと言って暫く帰ってきていない。だから帰っても誰もいないけど久々に我が家が恋しいので帰る。

その前に一服だ。
駅前のスモーキングエリアで一服する。そろそろ真面目に本命の彼氏も欲しいしタバコもやめようかな。家帰ったらエアコンつけるけど換気してとか考えてたらあっという間に吸い終わってしまった。

すりガラスみたいなスモーキングエリアから外に出たらピンヒールがなにかに挟まった。こんなとこはさまるとこなくね?とか思いながらも片足脱げてしまったから取ろうとしたら何故かとれない。え?埋まる?このコンクリートで?おかしくない?普通ならならこんなところでしゃがんで靴とろうとしてたらキャッチやスカウトのお兄さんたち絶対助けてくれるだろうになぜか誰も助けてくれないし素通り。え?見えてないの?
マジついてないわ。片手じゃとれなかったからしゃがみこんで両手で引っ張ったら抜けた。勢い余って後ろに転ぶ…え???んん??地面につかない。やばい、とりあえず荷物だけでもと思ったら落ちてる!?荷物も一緒に。こんなコンクリートジャングルで落ちる?流行りの陥没?どこに落ちる?ホーム?線路?地下鉄?高速道路?え?もう意味わかんない
こんなことになる前に結婚するか本命の彼氏欲しかった。かわいくてかっこよくて、背は低くても高くてもいいな。包容力があるのにちょっと器小さい厄介な男もいい。全部正反対だからそんな男絶対いない。あーあもういっそ一人じゃなくて何人かに全力で愛されたーい





「いったーっい!!!」

あっついコンクリートに尻餅つくと思ってたのに冷たい床にお尻から落ちた。脚つめたい。
しかも室内?え?人もいるんだけどなんか遠巻きにされてる?

「大丈夫ですか?お怪我はありませんか?」

淡いパープルの髪のかわいい男の子が手を差し伸べてくれた。なんだこの髪色?っていうか服大きくない?袖手出てないし裾引きずってるじゃん。成長期にしてもデカすぎでしょ

「あ~はい、多分怪我してない。大丈夫、です?」

差し伸べられた手をとって立ち上がる。片足だけピンヒールなのを忘れていてバランスを崩したけれど、別の人に支えてもらった。
薄紫のかわいい男の子の次はライムグリーンの髪色のイケメンがでてきた。二人ともかわいい髪色。羨ましい。ブリーチ1回かな?2回?何色いれたのかな?美容院どこ行ってるのかな?

「おい、お前!俺のために来たくせになんで俺のことを見ないんだっ!」

すごい高飛車に出てきた声のする方を見れば、輝いてるかのようなブロンドヘアのとんでもないイケメンと、背の高いボルドーヘアの服の上からでもわかる筋肉質な体の男と、中性的なネイビーブルーヘアの恐らく男性(手筋張ってる)がいた。

「そもそもなんだその破廉恥な格好は!?恥ずかしくないのか」

初対面のやつになんで破廉恥とか言われなきゃならないんだ。
東京は真夏だ。それに加えでやらなければならないこともあり今日は最低限しか身に付けていない。
胸元は大胆なスクエアカットに背中は編み上げ、おへそが出てるタイトな5分袖のトップスにデニムのショーパンのみ。いや、普通じゃんと思うけど目の前にいる男たちはみんなきっちり着込んでいる。よくよく見たら見た目も全然日本人じゃねーな。欧米系?欧米ってどこよ?ヨーロッパ?アメリカ?とにかくアジアではない。

顔を真っ赤にしてなぜかキレてくるイケメンにどう対処していいかわからないでいるとパープルの少年がもう片方の靴を持ってきてくれた。

「お履き物お持ちしたんですけど…こちらでお間違えないですか?」
「あっうん。ありがとう、ございます」
「珍しい履き物ですね。これだけ踵が高いと脚は疲れませんか?」
「いや、つま先の方も厚底だし履き慣れてるから全然。むしろヒールない方が歩けないかも」
「しゃがまなくて結構ですよ。彼が履かせますから」
「おみ足を少しあげてください…」

プラットフォームのパンプスを珍しげに眺めるライムグリーンの彼と、脚から目をそらすように頬を紅くしながら履かせてくれるパープルの彼。やっぱり破廉恥だと思われてる?下着出てないから普通だと思うんだけど

「お前はいつまで俺を無視すれば気がすむんだ!」
「いや、そもそも誰だし」
「なんだその口の聞き方は!?殿下の御前だぞ」
「だから誰だって聞いてんの。さっきっからキレてるけどあたしの方が意味不明だから。こっちだってキレんの我慢してんのわかる?」

こいつ話通じない。なぜか言葉は通じてるけどやばいわ。やばい。やばい以外のなにものでもないくらいやばい。

「殿下ですよ。この国の第3王子です」
「どれが?」
「真ん中の方です」

ライムグリーン(もうわかんないから髪色で呼ぶことにした)が教えてくれた。ブロンドが王子らしい。国?え?日本じゃないの?落ちたから地下帝国?

「じゃあ王子様、さっきっからなんでそんなに怒ってるんですか?」
「だからお前が、俺のために呼んだのに全く見ないから」
「その俺のためって最初から言ってるけどなに?全然わかんないんだけど」

そもそも初対面の人間なのになにそれ?運命とか痛いやつ?

「あなたは殿下と私たち二人を婿に迎えるために異世界から呼び出されたのですよ」
「はぁ?????」

婿?ってことは結婚?初対面のやつと?しかも国際結婚で婿にくるってこと?
しかもネイビーのやつが殿下と私たち二人って言ったけど3人も婿?

「いや、婿とかいらないし異世界ってなに?日本とか欧米じゃないの?」
「ここはフォルミュール国、代々続くアルフォンソ王家が納める王国ですよ。あなたの国、日本とは全く違う世界ですよ」

ちがう世界?ネイビーはさっき呼んだとか言ってたけどライムグリーンは私の来たところを日本だとわかってるようだった。
なんかもう意味不明すぎて混乱してきた。

「マジで全く理解できないし頭ぐちゃぐちゃだから一旦休憩していい?一服したいんだけど」
「お茶の用意でもされますか?」
「ううん、タバコ吸いたいだけ。ここじゃ悪いしベランダ?バルコニー?ちょっと外ある?」
「では私が連れていきましょう。殿下、一度外しますね」
「必ず戻ってこい…」
「かしこまりました。ノアール、いきますよ」
「はいっ!」

ライムグリーンがブロンド王子に許可を取って私をタバコ休憩に連れて行ってくれるみたいだ。一緒に行くのはパープルの少年。ノアールと呼ばれていたからパープルの名前がノアールだと言うことはわかった。

荷物どうしよう、キャリーバッグ引っ張って床(よくみたらこれ大理石じゃね?)傷つけたくないしハンドバッグだけ持っていけばいいか。

「私のキャリーケース勝手に捨てないでね!すぐ戻るはずだから!」

剣持った人とかもくるんだけど。たかがタバコ休憩が大所帯になってる!やばい!
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