乙女ゲームの余り物たちと結婚させられるために異世界から召喚されました

そいみるくてぃー

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外は薄暗かった。
今何時なんだろうとスマホで時計見ようとしたら99:99:99って見たことない表記になってた。電波はもちろんない圏外。Wi-FiもあるわけないしLTEもない。詰んだ。

まぁきっと夢だわ。考えても仕方ないしバッグからタバコとライターを取り出して火をつける。ライターをしまって携帯灰皿を片手にバルコニーの手すりに肘をつきながらタバコを吸う。
連れてこられたのは扉を出てすこしだけ歩いた先のバルコニーだった。かわいいテーブルと椅子もあるがとりあえず立っている。一緒にきた兵隊さん達(剣もってた!)はバルコニーのガラスの扉の内側に控えている。

「寒くありませんか?」

パープルの少年(恐らく名前はノアールだが名乗られてないのに軽々しく呼べない)が気遣ってくれた。

「大丈夫。あっ消すねごめんね」

少年が横にきたからタバコは消す。こどもの前では吸わない。

「気にならないのでまだ吸っててください。こちらの世界も葉巻を嗜む方は多いですよ。」
「気にするよー!副流煙とかこどもによくないって言われてるし。いい機会だ!あたしも禁煙してみようかな」
「気をつかわせてしまって申し訳ありません」
「ちがうちがう。いーの。あたし21だからちゃんと大人だもん」
「21とは御歳がですか?あぁ、申し訳ありません!名乗りもせずお話をしてしまって!私はノアール・シャルダン、王家に仕える魔術師です。この度は私の召喚術であなた様の都合も顧みずこの世界へ御呼びしてしまって誠に申し訳ありませんっ」

ほぼ引きずってるローブみたいなやつがバサバサ鳴るくらいすごい勢いで頭を下げられた。魔術師?なんじゃそりゃ?しかもこの子が呼んだの?いや、呼んだのはブロンド王子って言ってたし、王家に仕えるって今言ってたし部下みたいなもんか。こんな少年が!?あんな高飛車な王子に!?なんてかわいそうに。未成年労働じゃん

「謝らなくていいよ。こっちこそごめんね。あたしも自己紹介してなかったね。あたしは乙幡瑞季おとはたみずき。みずきって呼んで。あたしもノアールくんって呼んでもいい?」
「ノアとお呼びください、ミズキ様」
「じゃあノアって呼んでいいの?そしたら様もつけないで。瑞季って呼んでほしい」
「私などが貴女様のことを敬称なしで呼ぶなどできません!」
「だめ!やだ!瑞季って呼ばれなきゃ話さないもん」

随分と年下の男の子にとる態度でないことはわかっているが、かわいくて仕方ないし名前で呼ばれたいのでどうしても呼んでほしい

「では…ミズキ、これでいいですか?」
「敬語もいらないけど仕方ない。なぁにノア?」

しゃがんでかわいいノアの顔を下から覗き込むようにしたらノアはまた顔を赤くして照れている。かわいい!なんてかわいいんだ!

「ミズキさ…ミズキ、その体制はお辛いと思うので椅子にかけてください。お茶もお持ちしますよ」
「えーそしたらノア膝に座ってよ。一緒にお茶しよ」

膝をポンポン叩いてノアを呼ぶけど顔を赤くしたままブンブンと顔を左右に振られた

は小さいかもしれないですけど、私も19、成人した大人です。そのような扱いは…」
「19!?こんなにかわいいのに!?え?そもそもこの国の成人って?あたし去年成人したばっかりなんだけど」

ガラス戸の外にいた兵隊さんになにかを告げてノアはすぐ私の横に立った
あたしだけ椅子に腰かけてるとノアと目線は同じくらい?130、140ってとこ?

「この国の成人は15~16ですね。14歳になる年の9月に貴族の男子は2年間寄宿学園へ通いますので卒業したら成人として扱われます」
「じゃあノアもその学校に通ったの?」
「えぇ。私の場合は両親はいなかったのですが魔力が多かったものですから14歳以前から寄宿学校の魔術科で学ばせていただいておりました。14歳になる前に子爵の講師の方のお家へ養子として迎え入れられ貴族になれたので学園に通えました」

両親いないとか養子とかとんでもワードでてきたけどノア普通に話してるからこれはつっこまない方がいいやつだ。

「お待たせしました」

ライムグリーンがトレーに飲み物やらお菓子をのせてやってきた。喉乾いてたしちょっとお腹空いてたから助かる!

「なにもお飲みになってなかったので冷たいものと温かい紅茶を用意しました。ノアール、あなたも座って一緒に」
「ではこちらに失礼します、ベルティエ卿」
「レモネードはお飲みになれますか?」
「いただきます」

ストローのささった細長いグラスを差し出されて一口飲んだら冷たくて美味しかった。

「申し遅れました。私はジョエル・ベルティエ。父は国の宰相をしておりまして私はその補佐として勤めております。私のことはジョエルとお呼びください。貴女様のお名前もお伺いしてよろしいですか?」
「乙幡瑞季です」

お菓子おいしそー。焼き菓子だ焼き菓子!
ノアがティーカップに3人分紅茶を注いでくれている。ってことはジョエル?はノアより偉いんだとなんとなく察する。

「ミズキ様、ノアールとは少しお話をされましたか?」
「様いらないです。あともうちょっと砕けた話方してもらえる方が楽です」
「ではミズキと。砕けた話方は…努力しま、する」

なんでみんな様つけるんだ?こんなほぼクソガキみたいな女に謎だ。王子の妻になんてなる気もないんだからもっと普通に接してくれたらいいのに。
でもノアのときみたいに駄々こねなくてもなんとかなった。きっと大人だ

「ミズキには読んでもらいたいものがあるんです。ミズキは殿下達の妻となるためにお呼びしたというのは聞いたと思いますがそれには理由があるんです。」
「理由あったの?そもそもこれやっぱ夢じゃないんだ。帰れる?」
「帰れるかかまどうかに関してはが帰れていないのでなんとも申し上げられないのが実情です…」
「前回の方!?あたしの前にもここに来た人がいるの?王子の妻候補で?」

ジョエルは紅茶を口にしたあと大きなため息をついた

「本来殿下には別の婚約者がおりましたが、前回の方…ヒナ様が突然こちらへ舞い降りてこられて色々あり、殿下をはじめとする5人の男性は彼女に心奪われてしまわれたのです。そこで王子達は前々からあった婚約を破棄したのですが、結局ヒナ様はそのうちの1人だけど婚姻を結んで国内外をビジネスで転々としておられます…」

すげー女だな…虜にするだけ虜にしてちゃっかり1人だけ選んでビジネスしてるって。残された4人がかわいそうというかなんというか

「あれ?そもそも論だけどこの国って妻と夫一人ずつじゃないの?」
「この国は女性の出生率が極端に少ないので一人の妻に対して夫は数名おります。少なくとも2人、多い方だと両手に余る程夫を抱えている方もいらっしゃいます」

会ったこともないけどそのヒナ様のほうが普通というかまともだった

「ヒナ様から万が一殿下が自分のあとに同郷の方をこの世界にお呼びになることがあれば伝えたいことがあると御手紙を預かっているのです。ミズキも日本からいらしたんですよね?」
「うん。呼ばれたというか落ちた」
「ではこちらを。私たちにはその言語を読むことができなかったので内容はわかりません。でもヒナ様はなにかお思いになることがあってこんなに何枚もお書きになったのだと思います。ミズキの助けになることを祈るばかりですが…」

差し出されたのはかわいい封筒に入った厚めの手紙だ
ここに知りたいことがかかれているのだろうか?というか厚くない?便箋何枚だよ
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