乙女ゲームの余り物たちと結婚させられるために異世界から召喚されました

そいみるくてぃー

文字の大きさ
9 / 77

9

しおりを挟む

寝起きは悪くはないが低血圧なので目が覚めてもベッドからまで時間がかかる。それもこれもベッドやお布団があったかくて幸せな空間のせいだからだ。
でも今はベッド以外のあたたかさもある。昨日も誰かとヤったっけ?…いや、目覚めて隣がかわいい男の子だったら昨日の一連のは夢ではないのだ。

「えっ…誰…えーーーっ!?なにこれーっ!?!?」

低血圧ではなくなったかもしれない。寝起きの自分がこんなに悲鳴に近い大声を出せるとは思ってもみなかった。
目が覚めて隣にいたのはかわいいノアールではなくすっごいイケメンのお兄さんだったからだ。え?ノアは?存在自体が夢だった?え?え?え?

「ミズキ、何が!?」

寝室の扉が開いたと思ったらジョエルが来てくれた。髪の毛整ってないから多分走ってきてくれたんだと思うけど

「ノアが、ノアがいなくてこのお兄さんが横に。あたし婚約初日から不貞働いた?昨日はちゃんとノアだったんだよ!?ジョエルー、どーしよー」

ジョエルは微笑んでいた。え?何が面白いの?夫婦になった初日に不倫してたかもしれなくて、その上責任とらなきゃいけないなら夫また増えるよ?どうすんの?笑い事じゃなくない?

「大丈夫ですよ。ノアール、起きなさいノアール」
「え?この人もノアール?」
「この人も、じゃなくこれが本来の姿ノアールですよ」
「んぅ~…ミズキ…え?ジョエル様!?おはようございます」

飛び起きたノアールは全裸だけどすごい勢いでベッドから飛び降りた。前!前隠して!

「ほら、羽織りなさい」
「す、すみません」
「ノアール、ミズキに説明しなかったんですか?姿のこと」
「すみません…舞い上がってしまっていて…言い忘れていたのだと思います…」
「では私から説明しますよ。あなたはそろそろ詰所へ顔を出さねばならないのでしょう?」 
「そうだっ!ミズキ、またあとで」

消えた。目の前から恐らくノアールな青年が消えた。頭の中パニック状態の私はどうしたらいいんだろうか。ジョエルの目の前で全裸なことも忘れ去っていた。

「ミズキ、私から説明しますよ。その前に」

ベッドの下に落ちていたガウンを着せてくれる。そしてベッドサイドに二人で座る。

は正真正銘ノアールです。寧ろ先程の姿が本来のノアールです。彼は膨大な魔力量を持っていますが使いすぎるとあのように少年の姿になってしまうんです。本来であれば戻るまで2.3日かかっていたのですが、昨夜ミズキとの情事で魔力の回復がいつもより早まったのでしょう。一晩で元に戻りましたよ」
「え?かわいいノアは幻だったと?」
「まぁ、言い方は…先程のが本来のノアールですから…あれでは不満ですか?」
「ううん、ただびっくりしただけ。ノアなんか嫌な思いとかしてないかな?」
「それは大丈夫でしょう。とりあえず慌てていただけですから」

それならよかった。安心したらお腹空いたしベタヘタするからシャワーも浴びたい。下着は…また替えるか。洗濯も聞かなくちゃ。

「ジョエル、シャワー浴びたい」
「一緒に入ります?」
「いいよ。時間は?大丈夫?」
「私はしばらくミズキとずっと一緒ですから大丈夫ですよ」
「そっか。って、一緒にシャワー浴びるの!?」
「昨日はノアールと入ったのでしょう?なら私も夫なのですから当然の権利かと」
「うーん。そういわれちゃえばそうかも。それよりお洗濯したいんだよね。浄化?の魔術?だとちゃんとキレイになったかわかんなくない?」
「それでしたら私達の物と一緒に下働きの者のところへ出しますか?洗うのは男性になりますが」
「えー、それはイヤだなー。洗濯機は?なければもういっそ板、板!洗濯板みたいなのあればそれでいい。下着だけだから」
「探しておきますよ。では浴室へ行きましょう」

手を繋がれて昨日も行った浴室へ行く。やばい、メイク道具スーツケースに入れっぱなしだ。基礎化粧品は昨日置いたままのを使って、それ以外は昨日のサロンなる巨大リビングで化粧すればいいか

「なにこれー?オーバーヘッドシャワーなのに髪の毛濡れない!」
「これくらいの魔術ならいくらでも。また洗って乾かすだと時間がかかりますからね」
「髪だけ濡れないで顔とか肩はちゃんとシャワー当たってるのほんと謎すぎるんだけど。魔術マジすごいね」

万能過ぎる魔術。あたしも使えるのか聞いたらまだなにもかもわからないとのことだ。教えを乞いたいけれど、もしとんでも魔力の持ち主で暴走してしまったらこの城消し飛ぶかもしれないらしいから試せないらしい。なにもわからないからすべてとしか言えないらしい。


「ジョエルって…思ったより男性らしい体つきなのね」

ジョエルの体を手のひらでなぞる。意外だったのだ。書類仕事に追われているらしいジョエルがこんなに逞しいとは。

「ただ書類を片付けているだけではありませんからね。少しでも鍛練をしなければ侮られてしまいますから」
「へぇー。ジョエルのお仕事も大変なんだね」
「簡単な仕事をする人なんて少ないですよ。皆何かしら大変な思いをされてると」
「たしかにそうかも。ジョエルってすごいねしかも優しい」

ジョエルに笑みを向けた途端唇が塞がれた。どこに急にキスしたくなる要素があったんだろうか?おっぱいもすごい揉まれてるし、なんだろう?

「ミズキのほうが優しいですよ」

ちゅっと音をたてて唇が離された。え?もう収まった?すごいな

「そろそろ上がりましょうか。今日の服も選びましょう」
「やばっ下着替えたかったから下だ。キャリーケースの中」
「とりあえずは先程のガウンでいいんじゃないですか?私とミズキしかこの部屋にはいませんし」

部屋というのもあたしの知ってる部屋とちがう意味を指しているのはなんとなくわかった。昨日サロンなどを含めてだろう。部屋じゃないと言ってやりたい気持ちを押さえて美容液まで完了させる。ジョエルは隣で髪のセットまで完了させてた。その服どっからでてきたの?と聞こうとおもったけど、魔術と言われるから聞かないことにした。

着替えはサロンかと思ったら下着とメイク道具を取りに来ただけで、とんでもない広さの衣装部屋に通された。ウォークインクローゼットなんてもんじゃない。部屋だ部屋。服はまだそこまで掛かっていないが。日本人なあたしが住んでいた部屋より広い

「まだ既製品しかないんですよ。今日の午後はメゾンから人が来ます。これからは全てオートクチュールになりますから採寸など」
「え?いちいち作るの?既製品でいいんだけど」
「ミズキはそれでいいのかもしれないですが、否が応にも注目の的となりますから各メゾンやブティック、新進気鋭のデザイナー達はミズキをモデルにしたがるでしょう。夫としても妻が御婦人方の流行を作り出す人間どあれば鼻が高いというものですよ」
「うーん…まぁジョエルがそれでいいならいいか!似合う服作ってくれるといいなー」

このときはまだ軽く考えていたあたしを誰か止めてくれたらよかったのに。この後大変な目にあったのだから。それをまだあたしは知らなかった。

「今日はこちらにしましょうか」

ジョエルが選んだのは淡いグリーン地に小花柄のロングスカートのウォーキングドレスだった。

「えー?似合うかなー?」
「似合いますよ。ミズキは細いですし、その下着で胸は補正、いりませんね。コルセットはやめておきましょう。」
「後ろめっちゃボタンじゃん。自分で留められないよ」

プリーツの入った白ブラウス部分は前面にボタンはない。後ろにスカートと共布のくるみボタンが大量についていた。かわいい、かわいいが一人では絶対に着れない。

「私が留めますよ。安心してください」

上から被るとウエストのところでおっぱいが引っ掛かるらしいので広げられた上半身部分から穿いた。ウエスト部分おしり大丈夫か不安だったけどボタンをとってがっつり広げていたので大丈夫だった。ボタンも一つ一つジョエルが留めてくれた。何個ついてるんだろう?

「えー!かわいい!意外と似合うじゃんびっくり」

衣装部屋にあった大きな姿見で確認したけどすごくかわいかった。いいとこのお嬢様みたいだ。

「靴は…すみません、足のサイズがわからなかったのでミズキの履いていたものを今日も」
「履き慣れてるから全然いいよ。えーかわいい」

くるくる回りながら何度も自分の姿をチェックする

「髪の毛!どうしよう」
「簡単にアップでいいですよ。ポニーテールで」
「ポニーテールね。かわいいかも。前髪は?」
「前髪があるのは幼く見られますので、できれば全てあげてしまったほうが」
「オッケーオッケーりょーかい。じゃあメイクしてからね」

衣装部屋に別れを告げてメイク道具片手にすぐ隣の小部屋に行く。ドレッサーだ!メイクルーム!
ドレッサー前に座ってベースメイクから始める。ジョエルはずーっと見てる。楽しいのかな?
そもそもつけまつげがそこまでストックがない。なくなったらどうしよう。

一通り終わって口紅を選んでいたらジョエルが選んでくれた。スタンダードなピンクベージュ。珍しそうにまじまじと見たあとキスをしてから塗ってくれた。口紅の使い方はわかっていたみたいだ、よかった。ブラウンリップがよかったなど言えなかった。

髪は前髪もアップにしたポニーテールにする。ワックスを手のひらに馴染ませて前髪からがっつりオールバックにしてヘアゴムで留めたら、一房とってゴム隠ししてピンで留める。
本当は毛先だけでも巻きたかったけどコンセントなんて無さそうだから最初からコテはキャリーケースから出さなかった。

「地味じゃない?」
「派手にするのはまた次の機会にしましょう。朝食は…しばらくしたらもう昼食の時間ですから軽くにいたしましょう。フルーツをサロンに用意させていますよ」
「やったー!食べる。食べたら昨日言ってたところに行くんだよね?」
「えぇ。王宮内を少し歩きますが、私がエスコートしますので」

フルーツも日本と一緒かな?とか軽く考えてたらお洒落にカットされたフルーツ盛り合わせが置いてあった。いや、普通にぶどうとかみかんとかりんごでいいんだけど
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハーレム異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーレムです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

私が美女??美醜逆転世界に転移した私

恋愛
私の名前は如月美夕。 27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。 私は都内で独り暮らし。 風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。 転移した世界は美醜逆転?? こんな地味な丸顔が絶世の美女。 私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。 このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。 ※ゆるゆるな設定です ※ご都合主義 ※感想欄はほとんど公開してます。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

召喚聖女に嫌われた召喚娘

ざっく
恋愛
闇に引きずり込まれてやってきた異世界。しかし、一緒に来た見覚えのない女の子が聖女だと言われ、亜優は放置される。それに文句を言えば、聖女に悲しげにされて、その場の全員に嫌われてしまう。 どうにか、仕事を探し出したものの、聖女に嫌われた娘として、亜優は魔物が闊歩するという森に捨てられてしまった。そこで出会った人に助けられて、亜優は安全な場所に帰る。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

想定外の異世界トリップ。希望先とは違いますが…

宵森みなと
恋愛
異世界へと導かれた美咲は、運命に翻弄されながらも、力強く自分の道を歩き始める。 いつか、異世界にと想像していた世界とはジャンル違いで、美咲にとっては苦手なファンタジー系。 しかも、女性が少なく、結婚相手は5人以上と恋愛初心者にはハードな世界。 だが、偶然のようでいて、どこか必然のような出会いから、ともに過ごす日々のなかで芽生える絆と、ゆっくりと積み重ねられていく感情。 不器用に愛し、愛する人に理解されず、傷ついた時、女神の神殿で見つけた、もう一つの居場所。 差し出された優しさと、新たな想いに触れながら、 彼女は“自分のための人生”を選び初める。 これは、一人の女性が異世界で出逢い、傷つき、そして強くなって“本当の愛”を重ねていく物語です。

ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!

由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。 しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。 さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。 そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。 「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」 やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった! しかしハルの血が特殊だと知った騎士はハルを連れ帰って? いっそ美味しい血と癒しを与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!

処理中です...