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しおりを挟む納得がいかない。あたしが悪者じゃん。
なんで王子様が人のことだいぶ待たせたくせにえらそうなの?まだイライラする。
とりあえずエスコートしてもらいながら階段降りる練習。くっそ、マジで腹立たしいけど顔だけは本当にイケメン。リアル王子様。でもまだ謝ってもこないしイラつく
「そんなに靴の音を鳴らすのか?」
はいはいすいませんでした。あたしの歩き方が悪いです。
「そんなに腕に体重をかけられても支えきれない」
重いとでも言いたいわけ?エスコートなんだから手摺の代わりなんだよ。なんなのほんとこいつ
ロランはいつのまにか階段の下で待ってる。ロランがあの位置にいるってことはあたしが落ちるフラグな気がするけど気にしない。この手摺王子様に支えてもらう。あーあ、ロランならなーガタイもいいし絶対文句も言わなかっただろうに。とりあえず早く階段降りて終わらせたい
「はい、おわり。ちゃんと階段おりた。先生OK?」
「えぇ。上手に出来ていましたわ」
降りながら隣でぶつぶつ文句言われてたけど先生がいいならいいんだ。
「ではあたしはこれでおわりで」
「ダンスの練習をするのではないか?」
「はぁ?」
もうはぁ?しかでてこない。こんなにあたしが嫌がってるのわかってダンス?頭おかしいんじゃない?そんなにダンスがしたいの王子様
「殿下は先生とされたらいいんじゃないですか?あたし昨日までにロランとミシェルと練習したから別に大丈夫だもん」
「わざわざ俺が来ているのにたった一度エスコートの練習をしただけで終わりなのか?」
いや、勝手に来てるじゃん。しかも遅れてきてるし。先に待ってたとか言われたけどそんなの関係ないわ
「ノア…」
「殿下がおっしゃる通りに」
「先生…」
「筆頭魔術師様の言う通りですわ。せっかく殿下がお相手してくださるんですもの。お受けになってみたら?」
ロランとミシェルに嫌だと視線を送るが逸らされるか俯かれるかで逃げ場がなかった
「はぁ…」
ため息つくと幸せ逃げるっていうからあんまりつきたくないけど心の底から出るから仕方ない。
こんなバカデカいホールで踊るってなによ罰ゲーム?明日の準備の人いるしそんな中踊るの?オーケストラの人もさっきっからリハーサルしてたのに中断させられて、王子様がダンスするためだけに演奏させるの?王子様ってそんなに偉いの?
先生もロランと踊るみたいだ。これ先生が楽しみたいだけじゃない?
王子様も踊りたいならちゃんと手を取ってくれればいいのにそんな素振りもない。どうしろと?立ち竦むしかできないんだけど。マジどうすんの?
「踊るぞ」
「いたっ」
腕を無理矢理掴まれて引き寄せられた。なんなんだほんと。ここに来てからこんなふざけた対応されたの初めてなんだけど。普通に痛いし。店ならマジNG出してまた来たら出禁にしてもらうレベルでムカつく。
顔だけは本当に格好いいけど態度が全てイラつく。ジョエルと顔会わせるだけで言い合いになるの今ならわかる。目を合わせるのも苛立ちが顔に出るからイヤ。俯いて音楽にあわせる
「下ばかり向いているのにステップもろくに踏めないのか」
あーもうイライラする。ロランとミシェルとノアが一緒にしてくれてOKもらってるのになんでそんなこと言われなくちゃならないの?
「足音が大きすぎる。ミシェルのほうがよっぽど淑女らしいダンスができる」
「ホールドが緩すぎるから離れる。まともに組まなかったのか?」
「ヒナはもう少しまともにできたのになんでお前はできないんだ」
あぁもう無理
「うっさいんだよっ!」
ホールドされてた手を振り払って叫ぶ。あーもういい。ふけーがなによ。知らない。ほんともう我慢ならない
「なんなの?あんたのせいでこんなとこまで来てるのになんでそんなこと言われなくちゃいけないの?意味わかんない。ロランだってミシェルだってノアだって、先生だっていいって言ってくれてたのに、なんであんたにそんなに貶されなきゃいけないわけ?」
「なっ、」
「4人とも普段なら助けてくれるのになんで王子様の前じゃ助けてもくれないし何もしてくれないの?こんなところ来たくなかった!エスコートされて人前にでることだってダンスだってやりたくないわよ!ヒナとも比べないでよ!なんなの?早く元いた場所に帰してよっ!」
ムキになって叫ぶだけ叫んでも誰も止めてくれない。あーもう無理。泣かないって思ってたけどもう涙腺バカになってきた
「王子様のせいで迷惑してるの。ほんと…あんたなんか大嫌いよっ!」
ノアが王子様相手に強気に出れないのはわかってた。ノアも泣きそうな顔であたしのこと見てるから。でも色んな人がこのホールにいる中ノアが出てきたら本当のふけーになるからミシェルが止めてるのがわかる。マジでママ。
もう頼れるのはジョエルしかいない。ノアからもらったピアスに触れてジョエルのことを思えば一瞬で空気がかわった
「…ミズキ?」
片手でピアス押さえて顔が涙でぐちゃぐちゃなあたしは座って仕事をしているジョエルのデスクの前にいた
「ミズキ!どうしたんですか!?」
デスクの書類が大量に床に散らばるのも厭わずすぐに抱き締めてくれたジョエル。
「…ジョエル…うぅ~っマジであいつ…」
「殿下ですか?」
すっごい肌触りのいいハンカチで涙を拭われる。ラメとれてるじゃん。でもいい。ウォータープルーフさまさま。つけまつげやばそうだけど
鼻水かめって鼻にハンカチあてられたけど、こんな肌触りがいいのでかみたくない
「部屋、かえりたい」
「とりあえず鼻かんでください」
ここにもママがいた
「ジョエル…」
「聞かない方がいいですか?それとも聞きます?」
「とりあえず部屋に帰りたい。ジョエルおねがい」
「わかりましたよ愛しい人」
顎クイされてキスされてたら部屋に戻ってきてた。玄関?扉のとこだけど。
でも部屋の中だからよかった
「ジョエル」
ぎゅーぎゅー抱き付いてぐっちゃぐちゃになった感情をどうにかする。その間にドレス脱がしてくれたしコルセットも外してくれたのは流石だ。こんな重たいの着てられない
「なにかあったんですね」
涙はまだ止まらないので頷くことしかできない。ジョエルの服に涙もラメもついてる
「ノアールが一緒ではないとということは殿下絡みですね。もっともロランとミシェルとは何もなかったのに今日だけ泣いているというのはよっぽど何か?」
ノアは何も悪くない。あの王子様が堂々と文句を言うのが悪い。自分の花嫁にするって人の迷惑も考えず呼び出しておいて、その相手にあんな失礼なことばっかり言える?本当思考回路どうなってんの?
「悲しいことを言われたのではなく腹立たしいことがあったんですね」
「そぅ…」
「いっぱいいっぱいになって泣いてしまったと」
そうだ、悔しながらそうなのだ。帰りたいって言ったことは口が裂けても言えないけど。
「ここで慰めて」
「ノアの魔術かかってませんから声が漏れますよ」
「それでもいい。ベッドもソファもそこまで我慢できない」
あたしの背中は廊下と隔てた扉。どうせここ誰も通らないでしょ。
「鼻水だけはかみましょうね」
鼻水かみながらドレスを脱がせてもらう。コルセットも邪魔。
「ドロワーズは全くそそらないですね」
「あたしもそう思う」
こどもが着てたらかわいいんだろうけど
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