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しおりを挟む「はぁ…っ…はぁ…」
射精すると200メートル走全力ダッシュするくらい疲れるとかいうけど結構信憑性あったかも。やっぱ幼ければ違うのかな?いつも以上にノアは疲れてる。でも抜いたらキスするために移動してきた。かわいい。
「ミズキ、っ、んっ」
髪を撫でながらキスにこたえていたけれど、口元だけ笑みを浮かべた悪魔が帰ってきた。
「ノア。あなたよくもやらかしてくれましたね」
爆破事件だ爆破。直したからお咎めなしなわけがない。ソファまできたジョエルはノアをはがしてあたしをお姫様抱っこしてくれた。
「その小ささのまま仕事ですよ。あなた向きの。魔術研究所が是非小さいあなたを独占したいとのことで。明日の夜まで空いてると伝えましたから1日半、彼らの研究に付き合ってあげなさい」
イヤそうな顔をしているノアと楽しそうなジョエルの表情は正反対だった。ノアはどうやら研究所で調べられるのがなによりイヤみたい。
でもお城爆発させるのはヤバイから普通に従ったほうがいいと思う。すごい勢いでドアがノックされたあとにこやかに入ってきたのは、この前扉突破して謎の求婚をしてきたクレイジーな人だった。奥さんと旦那さんが土下座でもするのかって勢いで謝られて他の旦那さんもなんか連携プレーのやつ。今思い出しても笑える。
「ではお借りしていきますね」
「いや、いやだっ!ミズ」
あたしの名前を言い終わる前に消えた。嵐がきて嵐が去った。一瞬で。
「ねぇジョエル、なにがあったの?」
「ノアールが城壁を爆破して直して逃亡して今生け贄として捧げたところです」
「うん…わかった」
なにもわからなかったけれど、そう言うしかなかった。やるだけやったノアが逃亡したあと、きっとジョエルがノアの尻拭いをさせられたのだろう。かわいそうに。
お姫様抱っこされてバスルームに連行されたからヤるのかと思ってたら普通に二人でシャワー浴びた。髪も洗ってくれた。汗かいてたから助かる。お礼に咥えてあげようか?って言ったのに今は結構ですと断られた。珍しい!お風呂もつかるのかと思いきやシャワーだけでおわり。珍しい。
「今日は予定はありませんよね?デートでもしましょうか?」
「ほんと!?」
「えぇ。どこへいきます?」
ジョエルが髪を乾かしてくれながらデートの提案をしてくれた。嬉しい!あたしはスキンケア。
「お買い物もだけど、街歩いてみたいかも。いろんな商会とかあるんでしょ?」
「えぇ。路面店もたくさんありますよ。バルのような場所もいくつかありますし」
「きまり!お給料この前もらったんだよ!」
衣装部屋につっこんだ貨幣紙幣の価値はわからないけど、ノアいわく結構な額らしいから色々買えると嬉しい。なによりノアとジョエルにプレゼントを買ってあげたい。ドレスも靴もジュエリーもいつも買ってもらってばっかりだからお返しがしたいのだ。自分のお金で。
ジョエルは微笑みながら「あの額なら王都の土地だって買えますよ」って笑ってた。土地の価値どんだけだよ?日本円で教えてくれ。日々変動する?
髪も乾いてスキンケアも終わったからジョエルと衣装部屋に行く。あたしがだらしないせいか、ジョエルもバスローブだけで移動するようになってしまった。貴族のお坊っちゃまだから下着だけで移動しないけど。あたしは全裸でも下着だけでも気にしないのに。部屋の中だし。
二人で今日の服を決めて着せてもらう。目立ちすぎてもよくないけど、目立たなすぎても意味がないとよくわからないことをジョエルは言っていた。どっちなんだよと思ったけど、服着て髪は自分でセットして化粧して完璧。夕御飯には少し早いくらいの時間だから、城の中は歩いて、馬車で行く。部屋を出たら近衛さんたちに挨拶されたから挨拶返した。侍従さんたちはジョエルとノアがいるのでお断りしたから来なくなった。夜会があるときにミシェルかミシェルパパが来てくれる。ミシェル兄にはまだ会ったことはない。
なぜか廊下には開店祝いか、キャバの超人気嬢のバースデーとか引退かってくらい花があった。フラワースタンドまでちゃんと設置されてる。やっば。
「ミズキに求婚しにくる人達からの贈り物ですよ。花に罪はありませんからこうやって飾っているんです。近衛騎士達が」
「グラデーションにしてみたり反対色で攻めてみたり、日々試行錯誤しております!」
もっと早く言ってくれたら毎日見にきたのに。プレゼントの類いは何が仕掛けられてるかわからないから基本的には受け取らないらしい。勝手に置いてあるものは魔術が使える者が本人に送り返すそうだ。え?こわ。自分が置いてきたものが自分のところに帰ってくるとか。そもそも騎士さんがお花の管理してるの?騎士なのに?
お城の中を歩けばひそひそ言われる。まぁそんなのは慣れっこ。あたしが言われてるのかと思ってたけど、隣の男に対しても結構ある。結婚なんてしないと思ってたとか色々、しまいには同性愛者だと思っていたのにとか。一番多いのはジョエルのこと好きな人達からのあたしへの恨みがましい視線。そんな暇があるなら働け。文句あるなら直接言いに来いって言ってやりたい。しかも男じゃんみんな。
「ほら、今日もあなたの可憐さに男達が」
新婚で頭イカれてるのはこの男だった。よく聞け、あたしに対する妬みが大半だ。
わかってるのかわかってないのか(多分前者)廊下のど真ん中で熱烈なキスをしてくる男は、きっと数十年後に国をどうにかしてやろうと思っているに違いない。
あと普通こーゆーときって女の子の悲鳴なんだろうけど野太い声でやめろとかやめてほしい。マジ萎える。
*****
百貨店をみたあとは街を歩く。お城と百貨店以外は初めてだ。地面はアスファルトだしヒールは挟まらない。挟まったら帰れるかなとか一瞬思ったけど、結婚式前に消えたらノアとジョエルの立場ないし、あれ?落ちてきたんだから今度はのぼる?召される?
「あれ食べたい!」
屋台でなんのお肉かわからない串を買うジョエルは場違いも場違いだ。店主さんもすげー不審がってる。大衆紙にもジョエル載ってると思うんだけど。
そう、その大衆紙は週刊誌かってくらいゲスで面白い。自分のキスシーンが一面にドドンと載ってるのにはびっくりしたし、関係者の話ってのが意味わからなすぎておもしろい。あたしの関係者って誰か聞いてみたい。適当すぎるから多分勝手に作り出した人物だと思うけど。
「お待たせしました。お酒もいりますよね」
そう、よくわかってる!すばらしい夫だ!そこらへんで立って食べる。テラス席のあるお店はこれを堪能してからだ。渇いた喉を潤すために数口お酒を飲んでから「いただきまーす」って串焼きを食べる。何の肉かは謎だけど美味しい。ジョエルがあたしの串のを食べるから何事かと思ったけど、自分の串の食べやすい1つ目をくれた。そういう気遣い!ほんと婚約してよかった。結婚式のあとモラ夫になったら困るけど、絶対そんなことない。
「おいしいね」
「えぇ。たまにはいいですね」
いわゆる庶民デートみたいなのはジョエルはしないと思っていたけれど、あたしに合わせてくれてるんだろう。ほんと好き。焼き鳥も好き(鶏肉って言ってた。なんの鶏かは不明)
「でもさー、ジョエルがこーゆーデートは意外。ノアならありえるけど」
「そうですか?ノアはミズキとデートなら気合いがはいりますから、格式高いところばかりになる気もしますけど」
たしかにそうだ。お金だけある元童貞はとんでもないデートプランを練りそうな気がする。それこそこの前行ったホテルとかだろうな。
ホテルディナーなら結婚式終わったらあたしの稼いだお金で3人で行こうと提案しておいた。
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