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しおりを挟む「娼館行こうよ!キャバクラ!」
あたしのこの一言で車内がとんでもない空気になってしまった。え?かわいい女の子と楽しくお酒飲むのダメ?
「あっ、もしかしてこのジョエルが駄目?18歳以下立ち入り禁止系?」
「いや、そうじゃなくて」
この世界のキャバクラだと思っていた娼館はキャバクラじゃなくて本番メインの風俗みたいなもんらしい。要するにあたしは夫がいるのにこの場の男達に女買えよって勧めてたらしい。やべぇやつじゃん。
ただかわいい女の子達と盛り上がりながら楽しくお酒がのみたいだけだと伝えればミシェルが少し考えたあとなんか書いて馬車の周りの一人に渡してた。
かわいいジョエルを可愛がりながらノアとミシェルと話したり。王子様は窓の外ばっかり見てた。つまんなくない?
「ニットのワンピース欲しいんだよねミニのやつ。ここの服長すぎて部屋着に向かないんだもん」
「よく着てるやつは?黒いやつ」
「あれじゃ秋冬寒いもん」
「じゃあ私が編みましょうか?」
ミシェルから斜め上の提案がきてびっくりしてる。編めるの?ニットワンピって?
「体にフィットするのがいいんだよねピタピタのやつ」
「それでは動きづらくはありませんか?」
「体型維持もあるからいいの。最近本当にヤバイ気するんだよねー。ずーっと美味しいの食べたり飲んだりばっかりだからそろそろヤバイ」
男しかいないところで何言ってんだってかんじだろうけど、結構ゆゆしき事態。裸で鏡見たくてもジョエルかノアが触ってくるし、太ったら太ったでメゾンのあのデザイナー達に死ぬほど貶されそう。
「でもおっぱいは減ったら嫌だな」
横にいるノアが堂々と触ってくる。ちなみにちっちゃいジョエルは寝たから膝枕してあげてるんだけど、体に魔術が有り余ってるから寝てるとかかわいすぎる。普段のジョエルじゃ絶対ありえないもん。
「あたし太ってダイエットしても胸減ったことないから大丈夫!」
「ほんと?でも減っても好き」
「あたしもノア好き」
こんな狭い馬車の中なのだからいちゃつくのもいい加減にしろと王子様に怒られた。
馬車から降りるときはちっちゃいジョエルじゃ駄目だって言われたから渋々起こした。あぁ寝起きもかわいい。ちっちゃいジョエルは晒せないからあたし先に馬車降りなきゃらしい。馬から降りてたロランが手を出して待っててくれている。
「あっ!」
またか、って思ったときにはもう次の展開。なんで馬車のステップに小石があって、それをピンヒールで踏んでバランス崩すとかほんと呪いヤバイ。しかもそこで足元じゃなくて吹っ飛んだ帽子見るあたしもヤバイ。え?おかしくない?普通足元見るじゃん、もはや呪いってロランじゃなくてあたしにかかってるんじゃない?だって一瞬のことなのにスローモーションみたいに感じる。
「大丈夫か?」
「うん」
盛大に転ばなくてよかったけど抱き止められてちょっとキュンってしてたらめっちゃカメラ向けられてた。なにか言おうとしたらすごい勢いで走り去ってしまった。やばい、パパラッチじゃん。すごっ本物!元に戻ったジョエルが馬車から出てきて「今回の旅行の立ち寄り先全てにいるでしょうね」と言われてセレブの大変さが少しだけわかった気がする。
「え?ギャルいなくね?」
通された部屋にいたのは髪色派手だけど育ちいいお嬢様みたいな人達だった。紅茶とか飲んでそうなかんじ。騒ぎながらイエーイってお酒飲みまくろうと思っていたあたしマジ出鼻挫かれた。ローテーブルにソファとかでいいのにめちゃくちゃちゃんとしたティーセットまで用意されてる。
「私達には結構ですよ。妻以外隣にいてほしくありませんから」
多分ついてくれようとしていたお姉さんにとんでもなく失礼なことを言ったジョエル。はぁ?チェンジどころじゃなく出ていけ?はぁ?とかキレてもいいだろうに「では失礼いたします」ってお辞儀してノアのほうに来ようとしていたお姉さんも連れて退出した。
「うっわジョエルさいてー。ノアについてくれるお姉さんもいなくなっちゃったよ?」
「いいんですよ。ミズキは楽しく飲みたいと言っただけで、夫にまで今夜の相手を用意しろなんて一言も言っていないのに変な気をまわしたこの館のオーナーや支配人がすべて悪いんですから」
「え?じゃああたし一人で寝るチャンスだったの?うっわー久々にセックスなしで寝れるかと思ったのに。ね、ノア?」
「え…?」
ノアの目にどんどん涙が溜まっていく。やばい、謝らなきゃ。
「ごめん!悪気ないから!ごめん!ノアもジョエルも大好き!イヤなことないから!冗談!」
「ほんと?」
「うん!ごめん!」
「じゃああの人達の服着てほしい」
なんかノアがどんどんあざとくなってきてる気がする。下着でも全裸でもいいよって言ったのに、娼婦のお姉さんドレスを着てほしいらしい。普段部屋で過ごしてるほうがよっぽど露出あるけどって言っても聞いてくれない。ノア達の常識の中のいやらしいドレスを着てほしいみたいだ。そんなに膝下出すほうがいやらしいのかな?この前夜会で着させられた上半身乳首以外全部透けてるドレスとか上半身ほぼ紐みたいなドレスのほうがよっぽどな気がするのに。
さっきジョエルがチェンジならぬお断りをしてしまったお嬢様が案内してくれる。あとなぜかミシェルが一緒。ノアが選んだのを着るかと思ったのに、お姉さんにお任せらしい。
「異世界の花嫁様の世界ではこのような服はお召しになられるのですか?」
差し出されたドレスはどれもちゃんとしたものだ。
「全然。あたしみたいな水商売の人間はもっと面積少ないです」
なぜか変な敬語まじりになってしまう。世界は違えど同業者みたいなものだし、絶対ベテラン。若そうだけどミシェルにもちゃんと対応してるし、なにより最初にジョエルに付けられた時点で普通のお姉さんでないことだけは確実だから下手な態度とれない
「それと誤解されているようですが、私は夜伽の相手として次期侯爵様に付けられただけですので何か特別な気持ちがあるわけではないということだけはわかっていただきたく」
全然気にしてないのに。むしろあたしはお姉さんのほうを心配している。こんな美人をいらんと言うジョエルはおかしい!あたしが男なら喜んでお相手してもらいたい。あとジョエルは確か家は継がないから次の侯爵じゃないはず?あれ?
「ミズキ、そんな顔をしなくても大丈夫ですよ。ジョエル様は彼女を蔑ろにしたわけではありません。リリウムの館へ彼女を紹介するそうですから彼女にとっても悪い話ではありませんよ」
「りりうむのやかた?」
「えぇ。外交にも使うような花街で一番の場所ですよ」
外交に風俗店?乱パでもすんの?異文化交流的な?やばいわーやっぱ異世界。こっちは接待でキャバクラ使うおじさんだって減ってるのに
「そんなっ、私のような者が…」
「ジョエル様の推薦と公爵も御一緒にしてくださるはずですよ。貴女なら立派に務めあげることができるとのことで」
引き抜きならぬ推薦?ジョエルも王子様も国の上から数えた方が早いくらい身分が上だからそんな人から国で一番いい店に移りなさいなんて言われるなんて名誉?名誉だよねきっと。お姉さん目に涙溜まっちゃってる。でも在籍してる店と相談しなくていいのかな?貴族には逆らうな的な?やべぇな
着るドレスは何着も見せられると選びようがないというか困った。普通に上品なカクテルドレスにしか見えない。もうおすすめでいいよと言えば出てきたのはホルタータイプの白いシフォン生地のドレスだった。あれ、地下鉄の通風孔のやつ系!この世界でも一般的なんだって思ったけど、そもそも日本製のゲームの世界だわここって久々に思い出した。
着替えを手伝うのはお姉さんじゃなくてミシェル。ブラできないしヌーブラも無理なドレスだから久々にノーブラ。ちょくちょくミシェルが着替え手伝いながらも触ってくるけどもはや戯れ。気にもならない。カーテンを開ける前にキスされたけど、多分ノアもジョエルもわかってるだろうから素直に受け入れられる。リップとれたからあとで塗り直そう。
「女の子と話するの久々だからすっごい楽しみ」
ミシェルと腕を組ながらだけど、話すのはお姉さんと。お姉さんお姉さん呼んでたけど年下だから源氏名教えてもらった。さすがにこの場で本名はダメ。
「あたしも今日は源氏名にしようかな」
「やめておいたほうがいいとおもいますよ」
「だよねー。むしろ源氏名とか名乗ってもどうせ本名で呼ばれるだろうし。ノアにつけられた子も戻ってきてくれるかな?」
「部屋に戻りましたらスタッフに言いますわ。ミズキ様がお呼びなら喜んで戻ってきますわ」
そういえばこの世界に来てから話した女性はみんな本物のお嬢様ばっなりだった。水商売の女の子と話すの本当にたのしみ。キャバクラ文化ないみたいだから軽くギャラ飲みくらいなノリなのかな?あーあ、こんなときだけ自分が男じゃないの損!異世界の女の子とハメるとか絶対できない体験だろうなー。まぁ異世界の男にハメられてんだけど。
「男娼でも手配します?恋人ですし、私が一番適任だとは思いますが」
「えー!?なんで考えてることわかったの?きもっ。それより押しが強すぎ!ノアとジョエルの相手で精一杯なの!」
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