【番外編】乙女ゲームの余り物たちと結婚させられるために異世界から召喚されました【番外編】

そいみるくてぃー

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「じゃあ頼みましたよ」

今日はジョエルだけが仕事で城へ行く。他はみんなパーティーの準備。まだ朝早くて起きてこないミズキはリュカと一緒に寝室だ。

「ミシェル、ミズキのドレスは?」
「衣装部屋の手前に移してありますから下に持ってきてください」

使用人を入れたくないというミシェルの最初で最後のわがままでこの離宮には使用人は一人もいない。ロランとジョエルもなんだかんだいなくてもやっていけているからいらないんだろうが、ミズキが妊娠したら雇うらしい。今はこの離宮、6人で過ごしているがあとどれくらいで人が増えるんだろう。みんなのためにもがんばれ僕の精子。

「衣装部屋で全部やらなくていいの?」
「時間はありますからメイクはミズキがソファの上でだらだらやるでしょう?その間に殿下、あー、リュカの支度を済ませます。ロランは今日は公爵家の護衛として会場の警備の方にあたるので準備はいりません。ノアの髪もあとでやってあげますね」

 やっぱりミシェルの負担は異常な気がする。本人がやりたくてやってるんだろうけど。ミズキが早く妊娠したらミシェルも楽になるのかな。ミズキにつきっきりになったらリュカはどうするんだろう?

起きてきたミズキとリュカは寝ぼけながらもバスルームに突っ込まれて磨かれている。僕はロランと今夜のことを話しながら高級紙を見れば一面はミズキ、『怪盗予告の品は異世界の花嫁、ミズキ様の首に』なんて書かれている。もちろん大衆紙も同じような内容。怪盗に狙ってくれとアピールしているようなものた。まぁ実際そうなんだけれど。

「魔術師団は動かないんだろう?」

ロランにそう言われ頷いた。今回は近衛が動くとジョエルに言われている、理由はわかりきっているが。

「まぁ近衛も陽動みたいなものだけどな。ノアが一番大変な役目だろうな今回」
「ミシェルもじゃない?追いかけるの僕とミシェルでしょ?」
「あぁ、リュカは動けないし俺も表だっては無理だ。ミズキには申し訳ないけど拐われてもらうしかないからな」

そう、ミズキには怪盗に拐われてもらうのだ。そうしなければならない理由があるのだけれど、本人に言ったら顔にも態度にも出るので内緒にしようと夫5人で話し合って決めた。

「ジョエルが一番楽しそうだったな…」
「まぁ法務も財務も大捕物だとウキウキらしいからジョエルもウキウキだろうね」
「ねー、ノーブラとかひどくない?垂れるんだけど」

顔にパックをしてタオルを巻いただけのミズキが話に割ってきた。

「髪濡れてるぞ」
「ミシェルがリュカ優先って言うから出てきちゃった。リュカってばミシェルに甘えん坊なんだもん」

髪よりパックの顔につっこまないロランはやっぱりどこか抜けていると思う。
リュカを甘えん坊とか言いながらリビングのソファに腰かけて脚にボディクリームを塗り始めたミズキだけど、下着はつけてないから下半身も丸出しだ。ほら、ロランがヤる気になっちゃってる

「塗ってやろうか?」
「ほんと?助かる」

さすがの僕もパック貼り付けたままの顔はイヤだなーなんて思ってたらミズキが消えた


「なっ!」

ボディクリームの容器だけ残ってなんとも言えない顔になっているロラン、そりゃえっちなことでも出来るかなって期待してたのに据え膳が消えたんだから仕方ないよね

「ミシェルが呼んだんじゃない?むしろミズキが勝手にこっちに来たか」
「どっちもだろ…」

あからさまに落胆してるから面白い。エロいことしようとした罰だ。まぁ今日はロランは別動隊みたいなものだしミズキとイチャイチャしたいのわかるけど。
そう思うとミシェルはズルい。ミズキが来たばかりの頃ジョエルにも思ったけど、ミズキの身支度手伝えたりかわいくする手伝いが出来るのは羨ましい。覚えたいって言ったけど、他のことで貢献してるからって言われたら無理もできなくなった。
まぁいいんだけど!僕がんばってるし!国のはじっこいって魔獣ぶっ倒すのだってやるし魔力でなんかしたり色々するもん。ぜーんぶミズキのためだけど。魔力使いすぎて小さくなったらミズキのこと独占できるし、あっでも今度からはあんまり小さくなりすぎても困る。精通前だと子作りが!

「ノアはいいな、子作り解禁だろ?」
「そう!ジョエルがいいよって」
「ミズキは?何か言っていたか?」
「赤ちゃんほしいって」
「…そうか」

みんながパパになる心の準備も必要だからってジョエルは言っていた。順番も決めたけど、自分の子だからとか別の夫の子だからとかはなく公爵家の子としてみんなで育てようという方針になったのだ。別に避妊するしないもなにもみんな避妊具使わないで魔術だけで避妊してるんだからいいじゃんって思わなくもない。

「ミズキの世界だと避妊は魔術じゃなくてゴムかぶせるらしいよ」
「なんだそれ?なにに被せるんだ?」
「ナニにだよ」
「はぁ?気持ちよくないだろ」

言えない、ミズキの荷物に入ってたやつで一回ミズキの世界のセックスしたなんてロランには言えない。多分、いや、絶対だけどジョエルもしてるし、多分ミシェルもしてる。確かにナマとは違うけどあれはあれで避妊の魔術使ってないってドキドキはあった。性病予防らしいけど。
そもそもロランのサイズはアレには収まらない。

「はぁ…そろそろ行くか。俺も会場にはいるけど頼んだぞ本当に」
「わかってる。追いかけるの僕だから」
「じゃあ心配ないな。くれぐれも」
「変な写真撮られるなってことでしょ?ミズキ次第だよそんなの」
「ヤバそうなら魔術でなんとかしろよ」
「わかった」

そう、今日は5人だけでなくちゃんとした役割分担がある。知らないのはミズキと主催者と怪盗だけ。大捕物なのだ。









*****








「お招きありがとうございます」
「アクセサリーお貸し下さってありがとうございます。立派すぎて恐縮してしまいますわ」
「あら!公爵夫人だからこそ身に付けても違和感がありませんのよ!怪盗だって夫人から盗むことだって出来やしませんわよ!ほほほほほっ」

会場は立派なパーティーホール。わざわざ貸し切ってパーティーを開いたのは予告されているネックレスを所有している子爵家だ。準男爵、男爵、子爵と財力で成り上がってきた家だ。確かにグレーな噂はあるか真相は不明。ミズキとリュカが挨拶しながら僕とミシェルは一歩後ろにいる。

『ジョエルとロランは?』
『二人ともまだ動きはないって』

隣にいるのに念話を使わなければならないのは不便だが仕方ない。
民間の警備会社に警備を頼んだようだが、そこに騎士達が紛れていようと公爵家のためだろうと思い込んで気付かないだろう。近衛も市中の騎士も目立つ警備には当たっていないし、そもそも近衛騎士は登城する機会に恵まれた貴族でなければわかるはずもない。

「ねぇミシェル」

主催者達との挨拶も終わってリュカとミズキが次の挨拶相手のところに移動しているときにどうしてもミシェルに言いたいことがあって話しかけた。作戦とは全く関係ないから普通に話していいよね?

「なんですか?」
「ミズキのドレス、本当にこれでよかったかな?露出多くない?」

真っ赤なドレスはおへそより下までの大胆なカッティングで胸の丸みは半分くらい見えている。背中は全部開いているから肩甲骨の美しさと滑らかな肌、くびれまで露になっている。

リュカは腰に手をまわしてエスコートしているけど、ちょくちょく頬や首にキスをしている。あー、これリュカ的にはかなりクるドレスなんだろうな。確かに性的。
公の場だろうと、リュカとミズキはキスをしたり寄り添ったりいちゃいちゃしているから尚更性的に見える。

「着飾ったのは私ですよ?」

ミシェルだっていちゃつきたかっただろう、でもミシェルとミズキがこんなにイチャついてたら倒れる人が出るから警備に支障をきたす。リュカとミズキも相当だが、貴族は見慣れているせいか微笑ましい雰囲気すらある。
僕は僕で、ちょっとだけはみ乳がみえるからそれだけで満足だ。

『乳首でない?』
『ちゃんと隠してますよ』

万が一があったときに乳首出たなんてなったらミズキの世界でいうエロ本の餌食になってしまう。
最近ではセックスシンボルになってしまっている妻を守れるのは自分達だけだと夫5人で奮起している。いや、かわいいから着飾るのはいいんだけど、他人のオカズになってるのはちょっと解せない。
1番最初のお披露目くらいかわいいドレスも似合うのに、どんどんどんどん、どんどん布の面積は狭くなる一方だ。慎ましやかからどんどんかけ離れていってる。ミズキは露出多いほうが動くの楽って言うけどこっちは気が気じゃない。
このときは何人子供が生まれようが露出は収まらないことは気付きもしなかった

「ノア、あたしちゃんとできてる?」

振り返ってこっちみるとウエストも横乳もみえるから最高。ファヴォリのドレスもいいけどやっぱりニュイはエロをわかっているから最高。前言は即撤回する、やっぱり露出多いドレスは最高。

「ノア、顔。だらしないですよ」
「だって…」

ミシェルだってどうせ着替えさせながら堪能してるくせに余裕ぶっちゃってる。

そういえばパンツはどうなってるんだろう、ライン出てないから紐のやつかな?はいてなかったらどうしよう






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