【番外編】乙女ゲームの余り物たちと結婚させられるために異世界から召喚されました【番外編】

そいみるくてぃー

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転移前の彼女の友人の回顧録

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ミズキの瑞季のときの話をヤリ○ン友達目線で。





*****





結構ガチめな友達がある日突然いなくなった。

「ミズキは?一緒じゃないの?」
「私も探してるんだけどさ…」

友達はある日突然、本当に突然いなくなった。

『セフレんとこいられないから久々に実家戻る。今度また男探しにいこー』

こんなくっだらないやりとりをSNS でしてたあの子がいきなりだ。
セクで働いていたけど、顔は可愛いし人気もあったしあの愛嬌だからとにかく重宝されてた。たまにムカつく客にあたっても笑い飛ばしてた彼女が飛ぶわけがない。

この前だって





「えー、お酒弱いもーん」

自分は出勤日ではないのにこの夜の街にいるミズキと久々に初回荒らしの真似事だった。どっちが初回枕するか、なんならこっちに入れ込ませるか、そんなクソみたいな賭けをしていたのだ。それも結構頻繁に…おかげで二度と行けない店も少なからずある。

「ミズキちゃんお酒めちゃくちゃ強そうなのに?意外」

歴が浅いか新人だろう男が早速罠にかかっていた。この女がお酒に弱いはずがないのに酔ったフリをするってことはターゲットはこいつか。

「やん、こぼしちゃった~」

露出はいつもある彼女はわざと口から飲み物を溢して、作り物かよって思いたくなる胸をびしょびしょにしていた。

「おしぼり、いる?」
「乾いたのでも拭きたいからお手洗い、行ってきてもいい?あっ手も濡れちゃってるからバッグもてなーい。
…ついてきてくれる?」

分りやすすぎる。キスくらいして出てくるんだろうなって彼女を見送って、やっすい初回の酒を煽ることにした。私的にこの店はハズレ。好みの男がいない。
ミズキは本人は否定しているが、童顔やうぶな男はタイプのようだ。だからホスト遊びするなら新人、いつか将来有望でかわいい顔したデビューしたての童貞を自分のものにしていそうだ。まぁホストに童貞はいないだろうし、全然違うところから見つけてくるんだろうな

「あの子有名な子でしょ?」

隣に座ってきたのはこの店でもナンバー入ってる人だ。SNSでみたことがある

「なにが?」
「裏通りのあのウサギのセクの子でしょ?稼いでそうだし太客になってくれそうなのになー。あの新人、結構いいと思ったけど長続きはしないかな」
「あの子自分の客探しに来てるわけじゃないけど」

連れを悪く言われるのは面白くない。あーここ絶対なし。ナンバーがこんなこと言うの?クソすぎ。

『キスへったくそすぎて萎えたからかえろ』

トイレに行った彼女からの通知だ。え?意外、そんなところで萎えるタイプだっけ?

気分でキスがなんか嫌だと萎える彼女もいればまた別の日には 




「おねーさーんたち、あそぼーよ」

やっすいナンパにあったときだ。

「えー、これから飲みにいくのにー」

仕事終わりのミズキと合流して飲みの予定だった。今日は珍しく男と予定をいれていなかった彼女に誘われたのだ。
普段なら無視するかうまくかわす彼女が誘いに乗った。え?これまた意外

結局テキーラパーティーで酔わされて持ち帰られてた。まぁたまには違うのも喰ってみたいよねってやつだろうけど。

『マッチョもたまにはいいね。おっぱいあったよ雄っぱい』

真っ昼間にこんな連絡をしてくるような女だった。

そう、またある時は




「なんかさー、DMにくんのよ、会いたいです~後悔させません~って」

出勤前にお茶がしたいという彼女が、特定の男からのしつこすぎるDMをみせてきた。さすが天性のエロモテ女なだけたる。
相手のアイコンはわかりづらくはなってるが多分イケメン。ホストではないかな。釣りじゃなければだけど

「そんなに疑いながらも会ってみたいならいっそ店呼べば?」
「でもさー、いい男だったら他の子に取られるのくやしくない?」

そこは悔しいのか。去るもの追わない女だと思ってたのに、自分に気がある男は他を見てほしくないってタイプ?さっさが、モテ女はちがうな

「じゃあ指名してもらえばいいじゃん」
「もしハズレだったら地獄みるよマジで」

ハズレた経験はあるのかと口に出す寸前で堪えた。

ドリンクにささったストローを指で弄りながら甘えた目でこちらを見てくるミズキ。本当にあざとい女だ。

「なに、もうわかってるけど一応聞く」
「その子と一緒に店にきて。この男の子の友達も一緒でいいから!」

よくもまぁ女友達を自分が勤めているセクキャバ、おっパブに来いなんて言えるよな

「前も来てくれたじゃーん」

おっぱい出す店だって知らなかったからね!ただのバニーのキャバかガールズバーくらいだと思ってたからだし。
しかもその日に店長にスカウトまでされてる。なんとか寄せてDカップはあの中じゃ貧乳だから恥ずかしくて無理。

「イケメンだったらさ、ラッキーじゃない?」

イケメンだったらなって思ったけど、結局この子の提案に乗ったのだ。

黒バケハに黒マスク、もう一人は黒キャップに黒マスクの派手髪。えー、この二人と閉店一時間前のセクキャバにいくの?

「ミズキちゃんの友達?」

あいつ店のアカウントじゃなくて本垢の方で釣れてた男だって私に言ってないんだけど!

「えーっと…はい…店のことは、聞いてます、か?」

私は親切で確認したのに黒キャップが笑いだした。

「ちょー好みの女の子だから会いたいのに店にきてって言われて、キャバかラウンジだと思ってググったらセクキャバだった可哀想な男に追い討ちかけないてくださーい(笑)」
「それは…本当に…ごめんなさい…」

ミズキの代わりに謝ることしかできない。

「セクキャバって初めてなんだけど…大丈夫?」

むしろキスもできるしおっぱいが触れるし吸えるし、あのロリ巨乳のバニーがおがめますよと言えばマスク越しだけど顔を赤くしていた。ほんと友達ながらよくモテる女だよ

『初回指名でよかったの?え?名前はダメ、あれは本名だから、んっ…』

うっすいカーテンで遮ってはくれたが、となりの卓でバケハがミズキといきなりキスらしい。

「うっわー童貞っぽ(笑)」

キャップが言うのが的確すぎて笑える。あー、こりゃアフターだろうな。私どうしようかな、タクかセフレか

「ねぇ、友達ちゃんはさ、お店の子じゃないの?」

マスク詐欺かと思ってた整った顔はマスクを外しても整っていた。おー、いい男じゃん。
お茶卓だけど別の知り合いの嬢がついてくれた。「サービスなしで指名貰えるとかラッキー」って大喜びだった。

「隣…まぁ盛り上がっていることで」

サービスタイムで音楽ガンガンだけどチュッチュ音が聞こえてくる。どうやらエンジョイしているらしい。うん、私もおさわりとプレイオッケーな店なら満喫するかもしれない。

結局この男の子に?を?持ち帰りなミズキはしばらく続いたっぽい。彼の正体はメン地下。一緒にいたキャップとヤったときに聞いた。まぁまぁな客入り、リアコ売りしているらしいからバレたらやばいねなんて話をしたっきりだったけど、案の定炎上した。
生配信中バケハの待ち受けとスマートウォッチがツーショットとミズキの仕事の宣材写真だったものだから、特定班が動いてバレたらしい。店もすぐバレて張られてたら店外してるのも見つかって大炎上。彼がした土下座釈明謝罪生配信は界隈以外でもちょっと話題になってた。

そんな彼のことを出勤前にショッピングとカフェ行きたいという彼女に尋ねた。

「めちゃくちゃ泣かれたけど、リアコが店にまで嫌がらせしてくるとこっちも困っちゃってさ、また出会いあるよってさよならした」

意外とあっさり別れられたらしい。

「でも連絡くるからたまに会ってあげてる」

どうやらあの配信は嘘だったようだ。

「まぁセフレの一人って感じ?向こうにも新しいの出来たら飽きてくれるんじゃない?」

その話しぶりだともうこの目の前の女には新しい男ができたようだ。本当に、モテるというかなんというか…




この数日後、彼女がいなくなるなんて思いもしなかったのだ。実家にはいる気配もないし、店が警察に聞いても最後の足取りが喫煙所で消えている。拐うもなにもあれだけ監視カメラだらけの場所で映ってないわけがない。しかも喫煙所から他の場所に行った形跡もないなんて…
ちょっと長く続いてたっぽい近くのセフレの家から出てきたところだったらしく、旅行用のスーツケースも持ってた。

「異世界転移とかあこがれるー乙女ゲーの世界にいきたーい」

たまたま、すれ違い様にそんなことを言ってる人達がいた。いっそミズキもそうであれ!そして男食いまくっててくれ!とにかく生きててくれればそれでいい。エッチなお姉さんとして逞しく生きていてくれさえすればいいんだから、




end




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