単身赴任しているお父さんの家に押し掛けてみた!

小春かぜね

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第44話 母さんとの出会い その1

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 ……

 俺が小春(母さん)と出会ったのは、当時住んでいた町に有るスーパーで小春と出会った。
 その時の俺は、もう1人暮らしをしており、食材や日用品を買うために、家近くのスーパーを良く愛用していた。

 俺がそのスーパーに通い始めた時は、小春はまだその店舗には居なかったが、有る時期に配置換えが有ったみたいで、小春がその店舗に配属された。

 初めて小春と出会った時はレジ担当をしており『配置換えで此所の店舗に来たんだ』と思う程度だったが、彼女の独特の話し方や、愛嬌あいきょうの良さが有って段々、俺が小春に惹かれて行った……。その人の名前が小春と知ったのは、レシートに印字されている、レジ担当の名前から知ることが出来た。母さんの結婚前の名前は、新見小春にいみこはるで有る。

 出会ったと言っても俺はスーパーの客。小春はスーパーの店員で有って、そう簡単に関係を深められる状態では無かった……
 そのお店は、中堅スーパーが経営する店舗の1つで有って、夕方を過ぎた時間でもお客さんの往来は結構多くて、その割にレジの数が少ないため、何時もレジにはレジ待ちの人が並んでいた。そのため、小春がレジ担当でも話し掛けるスキが無かった。

 客と店員の関係が、1年近く続いた春のある日……
 俺は運動不足解消と気分転換を兼ねて、以前から気になっていた見頃の近所の桜並木を、散歩しながら見に行くことにした。
 俺は通勤の関係でその町に住んでおり、そこの出身者では無い。
 そこの桜並木は、地元の人しか来ない桜並木で有って穴場でも有った。

 丁度歩いていた地元の人っぽい人に聞くと、昔から有る桜並木では無く、国からの助成金で整備されたらしい。
 初めの内は、桜の幹が細くてらしいが、年数が経って幹が生長して、地元の観光名所に成長したらしい?
 桜は少し見頃を過ぎてしまって花びらが散り始めていたが、俺ははどちらかと言うと、散り始めの桜の方が好きで有る。

 桜を見ながら人通りの少ない桜並木を歩いていると、前方から2人組の女性が、話しながら歩いてくるのが見えた。
 桜並木の道はそんなに広く無くて、すれ違いが厳しそうだったので邪魔に成らないように道の端に寄って、通過させようと思った時、2人の女性の内1人は、何処かで見た気がする人だった。

(あれ?)
(何処かで見たこと有るぞ……あぁ!!)
(もしかして!?)

 心の中で感じた瞬間、俺はその女性達に声を掛けていた。

「あっ、あの、すいません!」

 すると、女性2人はこちらに振り向くが、その内の1人が怪訝けげんな顔している。まあ、当然だ……
 俺を知って居るだろうの女性も、俺をしばらく見ているが……、何かに気付いた顔をする。

「あっ!」
「もしかして、何時もスーパーに来るお客さんですか?」

 やはりその女性は、スーパーのレジ打ち担当で良く見掛ける女性だった。
 その時の俺は、もう小春がレジの担当をしていれば、そのレジに人が並んでいても俺はわざわざ並んで、彼女との接触の機会を伺っていた……。結局、レジの時には形式上の会話しか出来なかったが……

「えっと、今日は、お休みですか?」

 俺は小春に話し掛ける。

「ええ、そうですよ♪」

 すると、小春は気軽に返してくれる。

「綺麗な桜ですね」

「綺麗ですね♪」

 お互いが簡単な会話をしていると、小春の横に居た女性が小春に話し掛ける。

「ねぇ、小春……。この人誰?」

「あぁ、三咲!」
「この人は、私が務めているスーパーに良く来るお客さんだよ♪」
「私が今の店舗に来てから……何時も来る人かな?」

「まぁ、そうなんですか!」
「初めまして。私は小春の親友で三咲と言います」

「あっ、どうも……。そう言えば、俺もまだ自己紹介をしていなかった。真田筑摩と言います」

「あら、私も、きちんと自己紹介していなかったね♪」
「新見小春と言います。よろしくね♪」
「家計簿付けている人だったら、レシートに名前が印字されているから知っているかな?」

 小春は無邪気な、和やかな笑顔で話してくれる。
 スーパーの時とは又違う、小春の表情……。プライベートの時に見る小春は、とても可愛らしく見えた。

 それが、スーパーの店員さんから1人の女性に変わった瞬間だった……
 この時は、昔なじみの親友2人で桜を見に来たらしい。
 小春から少し話を聞くと、2人共地元の人で有って、小春の実家はこの町に有るらしい。
 今の店舗に配属される前は別の店舗の担当だったらしいが、配置換えで地元の店舗の担当に成った見たいだ。

 この時の俺は知りようが無いが、小春と宮子と咲子は、小春の実家で一緒に住んでいた。小春の両親も健在で有る。
 小春が働きに出ている間は、小春のお母さん(俺にとっては義母)が、宮子と咲子の生活面を見ていた。
 宮子と咲子の存在を知るのは、しばらく後の先だ……

 このまま、立ち話で終わるかなと思っていたが、三咲さんが有る事を言ってきた。

「えっと、筑摩さんでしたっけ?」
「お花見の後は、私達が良く行く喫茶店でお茶をするのですけど、よろしかったら筑摩さんも、御一緒にどうですか?」

「えっ、三咲!」
「ご迷惑だよ! いきなりお茶に誘っては!?」

 小春は少々焦りながら言う。

「あはは、ごめんね。筑摩さん……」
「私達とお茶なんて詰まらないよね///」

 小春はそう言うが……

「いえ……俺も、もう少し、話をしたいと感じていましたので、ご迷惑で無ければ…」

「あら、それなら決まりですわ!」
「お花見もここまでにして行きましょうか! 小春!!」

「もぉ~~、三咲は強引なんだから…」

 本来は立ち話で終わってしまう所を、三咲さんが機転を利かしてくれた(?)おかげで、立ち話では終わらずに、喫茶店で彼女達とお茶が出来る事に成った!
 俺としても小春との進展を望んでいたので、これはチャンスだと感じた。
 お花見を切り上げて、俺と小春と三咲の3人は、彼女2人達が普段行っている喫茶店に向かう事に成った。 
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