単身赴任しているお父さんの家に押し掛けてみた!

小春かぜね

文字の大きさ
84 / 167
番外編

第5話 家族全員揃っての晩ご飯

しおりを挟む
『いただきます!』

 家族全員で食事の前に挨拶をして晩ご飯が始める。
 ポークカツレツは銘々めいめいの皿に取り分けられているが、メンチカツは大皿に盛られており、食べたい人が食べる方式に成っている。かなりの数を揚げたらしく、1人が2個食べた場合でも余る位の量で有った……

 俺の向かい母さんが座っており、母さんの左横には宮子が座って居る。
 俺はビールを飲んでいるが、母さんと宮子はジュースを飲んでいる。

「……宮子は、飲まないのか?」
「この晩ご飯だとビールにピッタリだぞ!」

「……たしかね」

 宮子はそう言うと……

「お母さん。私達もビール飲もうか?」

「おや、珍しいね。宮子がそんな事言うなんて!」
「私(母さん)も、この面子めんつでジュースでは物足りないから、飲みましょうか♪」

 母さんはそう言って席を立って、缶ビールを取りに行った。
 冷蔵庫から缶ビールを取り出して戻ってくる。

「はい! 宮子!!」

 母さんは宮子に缶ビールを手渡す。
 母さんと宮子は、缶のプルタブを開けてそのまま直飲みをする……

「うん♪」
「最初から、ビールにしておけば良かったわ!」

 ビールを飲んで一息ついた母さんは、ポークカツレツを頬張っている。
 宮子も母さんと同じようにポークカツレツを食べていた。

(やっと、家族らしくなってきたな…)
(今までは家族で有って、家族で有らずだったからな…)

 俺はそう思いながらビールを飲む。
 ポークカツレツのお味に関しては、カツレツは何も問題が無いが、デミグラスソースがやはりと言うか、喫茶店の味には及ばなかった……
 しかし、それにケチを付ける人は誰も居なかった。喫茶店の味を知っている咲子なんか『美味しい、美味しい』と言って、味に関しての疑問何か全く感じてなかった。

(店の味では無いが、普通に美味しいから、まぁ良いか…)
(今はこの時間を楽しもう!)

 俺はそう考える事にした。

 ☆

 晩ご飯も終了して、みんなで後片付けと成るが、後片付けは母さん達がするらしいので、俺は先にお風呂に行く事に成った。
 俺も手伝うべき何だが母さんが『この後、みんながお風呂に入るから、混み合わないように先に入って♪』と言われてしまったから、甘えさせて貰う事にした。

 俺がお風呂から上がった後は珍しく、母さん・咲子・真央の3人でお風呂に入りに行った。
 そのため、リビングには宮子と2人きりに成ってしまう。
 宮子は母さんが飲んでいる同じ銘柄の日本酒をリビング飲んでいた。

「珍しいね。日本酒を飲んでいるとは…」

「……部屋で飲むと、お母さんが怒るからね」

 宮子は先ほどの晩ご飯で余った、メンチカツを酒の当てにして飲んでいた。

「…あなたも飲む?」

「いや、俺はどちらかと言うと、日本酒より焼酎派だから…」

「そう…」

 宮子と距離を縮める絶好の機会だが、俺はどう宮子に接すれば良いのか解らなかった……
 前回…。宮子と話し合いをした時は俺が怒鳴りつけてしまって、実の父の好きな銘柄の日本酒を宮子飲ましたら、宮子が勝手に心を開きだして……今は有る程度の関係が改善している。
 気軽に話し掛ければ、良いのだろうか?

「俺も少し飲むか……」

 3人でお風呂に入っているから、お風呂から上がってくるのは、かなりの時間が掛るだろう?
 もしかしたら、これも母さんの考えた何かの作戦か!?
 俺も焼酎の水割りと、メンチカツを準備して、宮子と2回目の酒の交わし合いをしてみる。

「そうだ、宮子!」
「明日から旅行だろ。どこに連れてってくれるの?」

「それは、その後発表するよ…」

「そっ、そうか……」

「今日の晩ご飯……。普段のメニューでは無かったけど、あなたの入れ知恵?」

 宮子は俺にそう聞いてくる。

「入れ知恵では無いが……。咲子と喫茶店でデミグラスソースのかかったポークカツレツを食べたからそれで、咲子が再現してみると言っていた…」

「あなたが、食べたいと言ったのでは無いのだね!」

 何故か、ここで目が険しくなる宮子。

「ちっ、違うよ! 俺は何も言って無い」
「咲子が自分の食べた味を、みんなに食べさせたかったのでは無いかな?」

「そぅ…。なら、良いわ」

 宮子は日本酒を『キュッ』と飲む。
 中々様に成っている姿だった。

「なぁ、宮子……。そのしゃべり方……何とか成らないか?」
「母さん達に話す時は陽気な声で、何で俺の時だけ冷めた口調なんだ?」

「俺を父親と認めなくても良いが…、人間関係だけはもう少し改善してくれたら嬉しいが…」

「……」

 俺がそう言うと、宮子は何かを考える振りをする。

「私が…咲子や真央見たいに、“はしゃいで”欲しいの?」

「いや……そう言う訳じゃないが…」

「…私としても、あなたとの関係は改善したいわ…」
「だけど……あなたと過ごした時間が、私の中では殆ど無いの!」
「これでも、頑張っている方なんだよ……」

 宮子はそう言うと、微笑みながら俺を見てくる。
 母さんの笑顔と咲子の笑顔とはまた違う笑顔……。宮子は前夫ぜんぷの血が多いのかも知れない?」

「私としても、明日からの旅行は楽しみだわ!」
「明日の旅行であなたがどれだけ、お父さんを出来るかで私の心が変わるかもね!」

 宮子は不敵な笑みを見せて日本酒を飲む。
 宮子の考えている事が良く分からない!?

「頑張って、お父さんをするよ…」

「……期待してるわ」

 その後俺は宮子に色々話し掛けたが、話が弾む事無く、母さん達がお風呂から上がってくる。
 母さん達の姿を見たと同時に、宮子は一方的に話を打ち切ってしまった。
 仲良く話をしている姿を見られたく無いのだろうか?

 宮子との話し合いも、微妙な結果で今回も終わってしまった……
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

裏庭係の私、いつの間にか偉い人に気に入られていたようです

ルーシャオ
恋愛
宮廷メイドのエイダは、先輩メイドに頼まれ王城裏庭を掃除した——のだが、それが悪かった。「一体全体何をしているのだ! お前はクビだ!」「すみません、すみません!」なんと貴重な薬草や香木があることを知らず、草むしりや剪定をしてしまったのだ。そこへ、薬師のデ・ヴァレスの取りなしのおかげで何とか「裏庭の管理人」として首が繋がった。そこからエイダは学び始め、薬草の知識を増やしていく。その真面目さを買われて、薬師のデ・ヴァレスを通じてリュドミラ王太后に面会することに。そして、お見合いを勧められるのである。一方で、エイダを嵌めた先輩メイドたちは——?

【完結】元Sランク受付嬢の、路地裏ひとり酒とまかない飯

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
ギルド受付嬢の佐倉レナ、外見はちょっと美人。仕事ぶりは真面目でテキパキ。そんなどこにでもいる女性。 でも実はその正体、数年前まで“災厄クラス”とまで噂された元Sランク冒険者。 今は戦わない。名乗らない。ひっそり事務仕事に徹してる。 なぜって、もう十分なんです。命がけで世界を救った報酬は、“おひとりさま晩酌”の幸福。 今日も定時で仕事を終え、路地裏の飯処〈モンス飯亭〉へ直行。 絶品まかないメシとよく冷えた一杯で、心と体をリセットする時間。 それが、いまのレナの“最強スタイル”。 誰にも気を使わない、誰も邪魔しない。 そんなおひとりさまグルメライフ、ここに開幕。

【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました

ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。 名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。 ええ。私は今非常に困惑しております。 私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。 ...あの腹黒が現れるまでは。 『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。 個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ

さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。 絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。 荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。 優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。 華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。

処理中です...