魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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美髪の魔女④

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 気が付けば、石で作られた建物に連行された。
 丸い部屋で窓が一切ない。これでは『光』が吸収できない。壁際に等間隔で松明がつけ、部屋を明るくしている。
 ジャンヌは、首を前に天井まで届く縄に縛われ、つま先でギリギリ立つほど引っ張われ、足には重い鎖に付けられている。腕も後ろに回され、縛われている。手足に拘束され、抵抗もできない。この体勢でも結構キツイ。
ダリヤに長い髪を付け根まで片割れのハサミで切っては、まだ髪が身長以上に伸び、その分体力を奪われる。それの繰り返し。
 もう体が動かせない。息が上がる。体が重い。苦しい。このままでは弱ってしまう。
「いつまでも髪が伸びるのね~」
 ダリヤは楽しそうに髪を切る。
「私の髪って綺麗でしょ。とても輝いていて、誰も羨ましいほどに。見惚れるほどに。けどね。私と同じ髪を見るとね。腹が立つの。なんでこんな女に私と同じ髪を持っているのって。生意気でしょ。私を真似しないでくれるって。だからね。金髪の女を見たらね。まず誘うの。それでね。髪をね。切ったり、燃やしりしているの。髪をもう二度と生えないようにね。それでも物足りないから、いっぱい切りつけるの。皆脆いからすぐに動かなくなるの。もう少し楽しませてほしいわ」
「何。自慢?それに嫉妬?嫉妬深い女がやりそうなことね・・・」
 その時ダリヤが頬にハサミで切る。頬に一線に血が溢れる。
 絶対にやり返す。
 ダリヤに殺意を向ける。
「さすがに飽きるわね」
 ダリヤは片割れのハサミを捨て、近くにあった松明を持つ。
「少し燃やしてみましょうか」
 ダリヤが嬉しそうに松明を見せる。
 その時、足音がした。
「あら。遅かったじゃないの」
 それはコウガイジだった。
 もっと面倒くさい奴が戻ってしまった。
「詐欺師はどうしたの?」
 コウガイジはアキセと戦っていた。コウガイジが戻ってきたということは、アキセはどうなったのか。
 もし逃げたのなら、地の果てまで追いかけてぶっ殺す。アキセの自業自得に巻き込ませ、しかも逃げたならなおさら腹立たしい。
 その時、コウガイジが手を伸ばし、炎を飛ばす。炎は、ダリヤの金髪が叩き潰す。
「何すんのよ!」
 ダリヤは怒鳴る。
 コウガイジは何も言わずに逃げる。
「待ちなさい!」
 ダリヤは追いかける。
 仲間割れか。
 開いた扉が急に閉じ、陣が光る。魔術。ということは。
「あ~あ。魔女やられてますな」
 何もないところからアキセが姿を見せる。
「お前のせいだろうが・・・」
 諸悪の根源が何を言う。
「何をしたのよ・・・」
「ニセモノを使ったに決まっているんだろ。俺があんなバカにやられると思ったのか」
 アキセはジト目で見つめる。
「違う。私を巻き込ませて、逃げたら地の果てまで追いかけてぶっ殺すつもりだったわよ」
「うわ。こわ。さすがに俺も悪いとは思ってますって」
 罪悪感があることに驚く。
「罪悪感があるなら、早く助けなさいよ・・・」
「救出は取引内容に入っていないからな」
 こいつ。
「髪をくれるなら、助けてやってもいいけど」
 アキセに顎を触られる。
 ガンと飛ばして返す。
「は~分かった。別のにするよ」
「え?」
 アキセの口が近づく。まさかのキス。抵抗するできないことをいいことに。
「ま・・」
 物音がした。
 何かがぶつかった音だった。
「また騙したな!」
 ダリヤの声が響き、扉が何度も叩く音がした。
「ち。もうバレたか」
 アキセが悪態をつく。
「じゃあ。前払いで助けるから、報酬よろしく」
 キスなら絶対阻止しなくては。
 アキセは瞬時に指飾りを召喚し、横一線に2回切る。
 光る一線は縄と鎖を壊し、倒れるジャンヌを受け止める。手の縄も切られ、手足が自由になった。
 その時、扉が壊れ、髪が蛇の大群のように伸ばす。
ジャンヌを突き飛ばし、アキセは金髪に壁で押さえつけられる。
 ジャンヌは床に転がる。
「よくも2度も騙したな!詐欺師!」
 ダリヤは顔を歪むほど怒鳴る。
「騙されやすくで助かります」
 金髪がアキセの首を締め付ける。
 もうこれ以上怒らせるな。戦うのが厄介になる。
 その時ジャンヌの手にエンジェライトを持っていた。アキセが突き飛ばした時に瞬時に召喚して渡したのだろう。
 これなら。エンジェライトの『光』を吸収する。力がみなぎる。
 懐からロザリオを取り出し、ダリヤの伸びた髪を切る。
「ああああああああああああああ。私の髪が!」
 ダリヤが嘆く。
「散々、さんざーんと私の髪を切りつけやがったな!金髪嫉妬傲慢者が!マルハゲに燃やしてからぶっ殺す!」
 ジャンヌはダリヤに怒鳴りつける。

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