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朱薇の魔女⑤
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「お疲れ様です」
イーグスが何食わぬ顔で寄ってくる。ジャンヌはロザリオを向ける。
「援助したではないですか」
「助けたからって帳消しするほど単純じゃない」
「苦労しますよ」
「お前のせいで余計にな!」
怒鳴る。
「もしかして、お気づきでなく」
「あんたが最初に魔力使った時から思ったわよ。あの魔女は血を操らなくて、切ったものの死体を操る・・・」
つまりまんまとアリスの手の中で踊らされただけと落ち込む。
「アリスは頭が切れる方と言いましたよ。僕を行かせたことで何かしらあるのは思っていました。それであの時に試したんですよ。魔力が使えるかどうか」
だから、屋敷に入る前に魔力を使ったのか。
「まあ、分かったところで、あの死体の中に僕の血を混じったおかげで助かったんですから、元気出してくださいよ」
「おまえに一番に慰めたくない!」と一番に怒鳴る。
「お疲れ」と急にイーグスの頭の上にチェシャが乗る。
いい景色。落ち込んだことが吹き飛んだ。
イーグスは顔を引きずる。嫌そうに。
「ぷ。何。そこを気に入ってるの?」
「まあね。シロちゃん。面白くてね」
「ええ。こちらもやりがいはあります」
イーグスが軽く手を振り、赤い刃を飛ばす。赤い刃は当たることなく、チェシャは消える。
「うわ~ん。怖いよ~」とチェシャがいつの間にかジャンヌの後ろに隠れる。
「で、なんでここにいるのよ」
「俺っちはおつかい」
チェシャは薔薇を出す。
「お疲れ様」
アリスの声を聞いただけで怒りが込み上げる。
「ア~リ~ス~」
「こうしないとあなたと話せないもの」
「そうね。会ったらすぐに手を出しそうだからね」と嫌味に返す。
「一つ嘘をついていたことにはごめんなさい」
「何が?」
「あら、もしかして気づいていないのかしら」
「私からわざわざ言わせるつもり」
「ジャンヌなら気づけるものかと思ったもので」
あれ。名前呼びになってる。
「あなたの実力を見たかったもので、騙してごめんなさい」
絶対に誠意込めていない。
「でも、これで何事も真に受けないということを学べたわね」
「嘘言ったあんたが言うか!」
「でもご心配なくあなたの約束は守りますので」
イーグスはひそかに冷や汗をかいている。
「シロちゃんはジャンヌを最寄りの街に送ってから戻りなさい」
アリスはイーグスに命令する。
「僕は少し休みたいところですか」
「別荘を片付けてからよ」
「ほらほら、仕事あるよ~」
またイーグスの頭にいるチェシャが煽るように言う。
それから1週間後。
「シロちゃん。今日で解任してあげる」と書斎にいるアリスはイーグスに言う。
アリスとはジャンヌを連れてきたら、解雇する約束になっていた。
「お世話になりました」
確かに約束を守ったようだか。
「そういえば、白の聖女様と約束はどうなりました」
「あ~聞きたい?」
「ええ」
「あなたにタタリをかけたの」
やっぱり。
「ジャンヌに血を吸うたびに起きるってことにしたの」
「どんなタタリをかけましたか」
「彼女の血を吸わなければいいことなのよ」
アリスの笑顔は悪意に満ちていた。
イーグスが何食わぬ顔で寄ってくる。ジャンヌはロザリオを向ける。
「援助したではないですか」
「助けたからって帳消しするほど単純じゃない」
「苦労しますよ」
「お前のせいで余計にな!」
怒鳴る。
「もしかして、お気づきでなく」
「あんたが最初に魔力使った時から思ったわよ。あの魔女は血を操らなくて、切ったものの死体を操る・・・」
つまりまんまとアリスの手の中で踊らされただけと落ち込む。
「アリスは頭が切れる方と言いましたよ。僕を行かせたことで何かしらあるのは思っていました。それであの時に試したんですよ。魔力が使えるかどうか」
だから、屋敷に入る前に魔力を使ったのか。
「まあ、分かったところで、あの死体の中に僕の血を混じったおかげで助かったんですから、元気出してくださいよ」
「おまえに一番に慰めたくない!」と一番に怒鳴る。
「お疲れ」と急にイーグスの頭の上にチェシャが乗る。
いい景色。落ち込んだことが吹き飛んだ。
イーグスは顔を引きずる。嫌そうに。
「ぷ。何。そこを気に入ってるの?」
「まあね。シロちゃん。面白くてね」
「ええ。こちらもやりがいはあります」
イーグスが軽く手を振り、赤い刃を飛ばす。赤い刃は当たることなく、チェシャは消える。
「うわ~ん。怖いよ~」とチェシャがいつの間にかジャンヌの後ろに隠れる。
「で、なんでここにいるのよ」
「俺っちはおつかい」
チェシャは薔薇を出す。
「お疲れ様」
アリスの声を聞いただけで怒りが込み上げる。
「ア~リ~ス~」
「こうしないとあなたと話せないもの」
「そうね。会ったらすぐに手を出しそうだからね」と嫌味に返す。
「一つ嘘をついていたことにはごめんなさい」
「何が?」
「あら、もしかして気づいていないのかしら」
「私からわざわざ言わせるつもり」
「ジャンヌなら気づけるものかと思ったもので」
あれ。名前呼びになってる。
「あなたの実力を見たかったもので、騙してごめんなさい」
絶対に誠意込めていない。
「でも、これで何事も真に受けないということを学べたわね」
「嘘言ったあんたが言うか!」
「でもご心配なくあなたの約束は守りますので」
イーグスはひそかに冷や汗をかいている。
「シロちゃんはジャンヌを最寄りの街に送ってから戻りなさい」
アリスはイーグスに命令する。
「僕は少し休みたいところですか」
「別荘を片付けてからよ」
「ほらほら、仕事あるよ~」
またイーグスの頭にいるチェシャが煽るように言う。
それから1週間後。
「シロちゃん。今日で解任してあげる」と書斎にいるアリスはイーグスに言う。
アリスとはジャンヌを連れてきたら、解雇する約束になっていた。
「お世話になりました」
確かに約束を守ったようだか。
「そういえば、白の聖女様と約束はどうなりました」
「あ~聞きたい?」
「ええ」
「あなたにタタリをかけたの」
やっぱり。
「ジャンヌに血を吸うたびに起きるってことにしたの」
「どんなタタリをかけましたか」
「彼女の血を吸わなければいいことなのよ」
アリスの笑顔は悪意に満ちていた。
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