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第2章
第2話 女の国 前半④
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夜になってしまった。
アキセは、指輪探しに途方に暮れていた。
「おいおい・・・どこにいったんだ・・・」
指輪と契約しているため、居場所を感じ取れるが、なぜか見つからない。あちこちに移動しているようだ。しかもなぜかこの国の女は、誘惑が効かない。女を利用して探すこともできない。仕方なく女装する羽目になった。
探している内に人気のない裏路地で歩いていた。疲れ切った時に鈴の音が鳴った。
「鈴?」
上からキラッと何かが輝いたものが落ち、チャリーンと音がした。下を向けば、目的の指輪だった。
「おお~」
すぐさま指輪を拾い、指にはめる。
「会いたかったぜぇ~指輪ちゃん~」
嬉しさのあまりに一回転する。
ふと顔を上げると角からフードをかぶった者が現れた。体型からしておそらく女。フードをかぶっているため、顔は見えない。ただその女から『呪い』がじんわり溢れていた。
あの女は魔女だということに。
魔女はアキセに気付いたのか、迫ってくる。
「こいつ」
アキセは、召喚した銃を構える。
一夜明けた。
男は一人だけとり逃したらしい。おそらくジャンヌと会った男だろう。男の捜索は、他の部隊に任せることになった。
ジャンヌとアガタは、女王の護衛に専念してほしいと言われたので、講演会の裏で待機していた。
この国の野外劇場で講演会を開くことになっている。
舞台を中心に囲むように客席が3階立てになっている。客席の中央には屋根がない。円形劇場だった。どの階でも住民たちが立ち見で見ていた。それなりに住民たちも支持を得ているのだろう。
クレア女王は舞台の上では国の政策や結果報告と講演している。その周りに鎧を着た騎士がクレア女王を囲むように警備している。
内容を訊くよりもジャンヌは考え込んでいた。
「ジャンヌ。昨日のこと気になるのか」
アガタが話しかけてきた。
「まあ少し。男たちがどうやって逃げたのも気になりましたけど」
「突然壁が空いたから逃げたって話でしょ」
ただの人間が石壁を空けられる力はない。魔術を使わない限り、脱出などできない。その証拠に脱走した男は一人を除いて確保ができた。もう一人協力者がいる。
「それもありますけど・・・」
「ジャンヌから逃げた男の方か」
「単に救済がほしいのかと思いましたけど。この国は宗教にそこまで信仰していないし。他に助けに来るとしたら・・・」
「確かに気になるけどね」
アガタは視線を変えた途端にやっと笑う。
「その話はここまで。ちょっとここを頼むよ」
アガタはジャンヌの肩にぽんと触り、歩いていく。
「え?急に!」
「すぐに戻る」
振りかえもせず、手を振って去っていった。
アガタが見た視線を確認したら、女性しかいない観客しかなかった。
「遅いな。アガタさん」
あれから30分くらいは時間が立っていたが、アガタは戻る気配はなかった。講演会はまだ終わらない。少しくたびれた時だった。
「お疲れ様です」
アガタだと思われたが、声をかけてきたのは、クレア女王の秘書をしているサッフォーだった。
「もう一人の方は?」
「見回りに行っています」
だと思いたい。本当にどこに行ったのやら。
「仕事熱心で助かります」
サッフォーは安心したような笑顔で返す。
「お聞きしたいことがありますが、よろしいですか」
「私でよければ」
「どのくらい務めているんですか」
「クレア様が就くよりずっと前から務めております。もう今年で10年目になると思います」
10年も務めていれば、何か知っているかもしれない。
「じゃあ、この噂訊いてます?魔女の頭の話?」
「確かにその噂を訊いたことがあります。この国は誘拐事件が多発しているのは、ご存知でしょうか」
「ええ」
アガタから聞いた。
「特にここ最近は首がなくて帰ってくる。それになぞってそのような噂ができたのでしょう」
この国に魔女の頭がないということだろうか。それとも。
その時だった。
唐突に轟音がした。
舞台の方だった。ジャンヌは急いで駆け付ける。クレア女王は舞台の隅で騎士に守られている。無事のようだ。
「くそ・・・」
とても聞いたことのある声で肩が重くなった。その正体が女装したアキセだったからだ。
アキセは周囲を確認する。
妙な沈黙がした。
「・・・ヤバ」
「犯人確保おおおおおおおおおおおおおおお!」
ジャンヌは、すかさずアキセを抑える。地面に体を押し付け、右腕を背中に回し、動きを封じる。
「イテテテて。待った待った!」
「おまえには死刑が待っている」
「何勝手に処罰を決めるんだ!」
必死に暴れるアキセをジャンヌは抑える中。
「ちょっと。ジャンヌ。何をやってるんだ」
いつの間にか帰ってきたアガタが呆れていた。
「アガタさん!こいつ犯人です!今すぐ逮捕しましょう!そして死刑にしてこの世の中を救いましょう!」
「何いってるんだ?そこのゲデものに一体何されたんだよ。もう少し周りを見なさい」
改めて周囲を見る。客席いた住民は唖然としている。
ちょっと居づらい。
「つーか!聖女なら仕事をしろ!さっきまで魔女から逃げてきたんだからな!」
「は?」
その瞬間だった。
後ろからまたもや轟音がした。振り返れば、フードをかぶり、黒い服を着た女だった。その女から『呪い』が溢れていた。
「魔女だ!」
観客たちは慌てふためく。
「なんで魔女を連れてくるのよ!」
「俺はただ逃げていただけだ!」
ジャンヌは舌打ちをする。アキセに一発殴り、気絶させる。逃がさないために。
「こんなところで」
ジャンヌはロザリオを取り出す。
派手な戦闘ができない。住民が巻き込まれる。
アガタも腰にある半径のリングに手をつける。
「とりあえず、魔女をこの舞台から離すよ」
「了解」
ジャンヌもロザリオに光の刃を作る。
魔女は黒いモヤを広げ、姿を隠す。
ジャンヌがロザリオを振ろうとした時だった。
魔女は別の方向に出た。逃げるわけではなく、クレア女王に向かっていた。
クレア女王をガードしていた騎士たちが前に出るが、魔女から出した黒いモヤに飲み込まれる。
魔女はクレア女王に向かって飛ぶが、クレア女王はもう一人の騎士が一緒に横へ跳ぶ。魔女は舞台の奥へと突っ込んだ。
「ジャンヌ!女王を!」
アガタは魔女の元へいく。
「ちょっと。大丈夫?」
ジャンヌは、クレア女王の元へ駆けつける。
「はい・・・」
クレア女王は返事をするが、視線は、助けてくれた騎士に向く。
「あなた?大丈夫ですか?」
騎士は体を起こす時、兜が落ちる。
「あなたは・・・」
兜の下は、男だった。
「ねえ、あれ見てよ」
「男よ」
「穢わらしい」
観客にいた女たちが、魔女が逃げたよりも男が出現した方に叫びが高まっていた。
アキセは、指輪探しに途方に暮れていた。
「おいおい・・・どこにいったんだ・・・」
指輪と契約しているため、居場所を感じ取れるが、なぜか見つからない。あちこちに移動しているようだ。しかもなぜかこの国の女は、誘惑が効かない。女を利用して探すこともできない。仕方なく女装する羽目になった。
探している内に人気のない裏路地で歩いていた。疲れ切った時に鈴の音が鳴った。
「鈴?」
上からキラッと何かが輝いたものが落ち、チャリーンと音がした。下を向けば、目的の指輪だった。
「おお~」
すぐさま指輪を拾い、指にはめる。
「会いたかったぜぇ~指輪ちゃん~」
嬉しさのあまりに一回転する。
ふと顔を上げると角からフードをかぶった者が現れた。体型からしておそらく女。フードをかぶっているため、顔は見えない。ただその女から『呪い』がじんわり溢れていた。
あの女は魔女だということに。
魔女はアキセに気付いたのか、迫ってくる。
「こいつ」
アキセは、召喚した銃を構える。
一夜明けた。
男は一人だけとり逃したらしい。おそらくジャンヌと会った男だろう。男の捜索は、他の部隊に任せることになった。
ジャンヌとアガタは、女王の護衛に専念してほしいと言われたので、講演会の裏で待機していた。
この国の野外劇場で講演会を開くことになっている。
舞台を中心に囲むように客席が3階立てになっている。客席の中央には屋根がない。円形劇場だった。どの階でも住民たちが立ち見で見ていた。それなりに住民たちも支持を得ているのだろう。
クレア女王は舞台の上では国の政策や結果報告と講演している。その周りに鎧を着た騎士がクレア女王を囲むように警備している。
内容を訊くよりもジャンヌは考え込んでいた。
「ジャンヌ。昨日のこと気になるのか」
アガタが話しかけてきた。
「まあ少し。男たちがどうやって逃げたのも気になりましたけど」
「突然壁が空いたから逃げたって話でしょ」
ただの人間が石壁を空けられる力はない。魔術を使わない限り、脱出などできない。その証拠に脱走した男は一人を除いて確保ができた。もう一人協力者がいる。
「それもありますけど・・・」
「ジャンヌから逃げた男の方か」
「単に救済がほしいのかと思いましたけど。この国は宗教にそこまで信仰していないし。他に助けに来るとしたら・・・」
「確かに気になるけどね」
アガタは視線を変えた途端にやっと笑う。
「その話はここまで。ちょっとここを頼むよ」
アガタはジャンヌの肩にぽんと触り、歩いていく。
「え?急に!」
「すぐに戻る」
振りかえもせず、手を振って去っていった。
アガタが見た視線を確認したら、女性しかいない観客しかなかった。
「遅いな。アガタさん」
あれから30分くらいは時間が立っていたが、アガタは戻る気配はなかった。講演会はまだ終わらない。少しくたびれた時だった。
「お疲れ様です」
アガタだと思われたが、声をかけてきたのは、クレア女王の秘書をしているサッフォーだった。
「もう一人の方は?」
「見回りに行っています」
だと思いたい。本当にどこに行ったのやら。
「仕事熱心で助かります」
サッフォーは安心したような笑顔で返す。
「お聞きしたいことがありますが、よろしいですか」
「私でよければ」
「どのくらい務めているんですか」
「クレア様が就くよりずっと前から務めております。もう今年で10年目になると思います」
10年も務めていれば、何か知っているかもしれない。
「じゃあ、この噂訊いてます?魔女の頭の話?」
「確かにその噂を訊いたことがあります。この国は誘拐事件が多発しているのは、ご存知でしょうか」
「ええ」
アガタから聞いた。
「特にここ最近は首がなくて帰ってくる。それになぞってそのような噂ができたのでしょう」
この国に魔女の頭がないということだろうか。それとも。
その時だった。
唐突に轟音がした。
舞台の方だった。ジャンヌは急いで駆け付ける。クレア女王は舞台の隅で騎士に守られている。無事のようだ。
「くそ・・・」
とても聞いたことのある声で肩が重くなった。その正体が女装したアキセだったからだ。
アキセは周囲を確認する。
妙な沈黙がした。
「・・・ヤバ」
「犯人確保おおおおおおおおおおおおおおお!」
ジャンヌは、すかさずアキセを抑える。地面に体を押し付け、右腕を背中に回し、動きを封じる。
「イテテテて。待った待った!」
「おまえには死刑が待っている」
「何勝手に処罰を決めるんだ!」
必死に暴れるアキセをジャンヌは抑える中。
「ちょっと。ジャンヌ。何をやってるんだ」
いつの間にか帰ってきたアガタが呆れていた。
「アガタさん!こいつ犯人です!今すぐ逮捕しましょう!そして死刑にしてこの世の中を救いましょう!」
「何いってるんだ?そこのゲデものに一体何されたんだよ。もう少し周りを見なさい」
改めて周囲を見る。客席いた住民は唖然としている。
ちょっと居づらい。
「つーか!聖女なら仕事をしろ!さっきまで魔女から逃げてきたんだからな!」
「は?」
その瞬間だった。
後ろからまたもや轟音がした。振り返れば、フードをかぶり、黒い服を着た女だった。その女から『呪い』が溢れていた。
「魔女だ!」
観客たちは慌てふためく。
「なんで魔女を連れてくるのよ!」
「俺はただ逃げていただけだ!」
ジャンヌは舌打ちをする。アキセに一発殴り、気絶させる。逃がさないために。
「こんなところで」
ジャンヌはロザリオを取り出す。
派手な戦闘ができない。住民が巻き込まれる。
アガタも腰にある半径のリングに手をつける。
「とりあえず、魔女をこの舞台から離すよ」
「了解」
ジャンヌもロザリオに光の刃を作る。
魔女は黒いモヤを広げ、姿を隠す。
ジャンヌがロザリオを振ろうとした時だった。
魔女は別の方向に出た。逃げるわけではなく、クレア女王に向かっていた。
クレア女王をガードしていた騎士たちが前に出るが、魔女から出した黒いモヤに飲み込まれる。
魔女はクレア女王に向かって飛ぶが、クレア女王はもう一人の騎士が一緒に横へ跳ぶ。魔女は舞台の奥へと突っ込んだ。
「ジャンヌ!女王を!」
アガタは魔女の元へいく。
「ちょっと。大丈夫?」
ジャンヌは、クレア女王の元へ駆けつける。
「はい・・・」
クレア女王は返事をするが、視線は、助けてくれた騎士に向く。
「あなた?大丈夫ですか?」
騎士は体を起こす時、兜が落ちる。
「あなたは・・・」
兜の下は、男だった。
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