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第2章
第4話 水鱗の魔女①
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「うわ、やなところに出ちゃった」
ジャンヌは、長い森の中を歩き、やっと出られたと思いきや、出口ではなかった。
足が浸かるほどの浅い川で、どこまでも続いている水の道だった。それに水たまりがあちこちと溜まっている。日が当たらないほどに木の葉で覆われ、木のトンネルのようだった。
青と緑が混ざったような景色。
川の道は、クモの糸のように広がっていた。
日が届かなければ、この地域の『呪い』が浄化せず、溜まってしまっているのか、野生の動物の鳴き声がしない。
不気味な静けさだった。
「早くこの場から離れないと・・・」
ジャンヌは、足元にあった水たまりに踏んだ時だった。
水たまりから青紫の手が4本伸びている。よく見れば手には鱗が付いていた。
鱗の手は足を掴むが、焼けるような音をたて、鱗の手が悲鳴とともにジャンヌの足から離れる。
鱗の手が『光』の浄化が効いたとしたら、『呪い』が扱えるものだと認識できる。
相手は、魔女か魔族と考えられる。でも今は考えるより先に走りだす。
この場から早く離れないとそれしか頭が入っていなかった。
川から大きい音がした。振り返れば、青紫色の肌、鱗の体を持つ女が3人現れた。足に掴んでいたあの鱗の手の正体がこの女たちだった。
鱗の女たちはジャンヌに飛び掛り、3人かかりで捕まえる。
「こいつら!」
ジャンヌは、鱗の女たちをどかそうと暴れるが、しつこく張り付き、離れない。鱗の女はジャンヌの『光』の力により浄化され、焼けるような音を立ててもジャンヌを離さない。
離れないなら、体中に白い炎を生み出そうにも、足に掴まれる感覚をした。足の方へ視線を向くと、川から鱗の女また現れ、ジャンヌの足を掴まれていた。
ヤバイと気づいた時には、視界が真っ黒になっていた。
息が苦しい。体が動かない。冷たい。
目を開けてみれば、視界がとてもぼやけている。何かが通り過ぎるものが見えたと思ったら、急に上へ引っ張られる。
やっと息が吸えると思って、顔を見上げれば、先ほど戦った鱗の女に囲まれていた。
この鱗の女たちに拷問されているところだった。
体が動かないと思ったら、手に鎖が巻かれ、ぶら下がっている状態だった。
鎖の先は、滑車を通って鱗の女たちが止め具にいた。下を向けば、大きい水場があった。あの中で沈められていた。
周囲を確認すれば、大きいガラスの壁に等間隔で柱が立っている。外は水の中にいるようだった。外からの光で部屋の中を青白く照らす。天井に光の反射で水の流れが浮かんでいる。
あの後、鱗の女に川の中に引きずられ、捕まってしまった。
鱗の女から少量であるが『呪い』が発生しているが、つまり彼女らの正体は使い魔だった。使い魔は、魔女から生まれた忠実な存在。魂がなく、魔女の指示を従う。
鱗の女たちは、ジャンヌを眺めている。
「うわ、見て。聖女だよ」
「まだ生きてる」
「怖いねえ」
「どうする。殺しちゃう」
「ぐちゃぐちゃにする」
「こいつのせいで怪我しちゃった」
「ひどいねぇ~」
鱗の女たちは、悩んでいた。どのように殺すのかを。
「『光』が大部減ったね」
「あとはお姉様が帰ってきてからにしましょ」
「そうしましょ」
お姉様?使い魔の主である魔女のことだろう。
「でも、もうちょっとやりましょうか」
「そうね。死ななければ問題ないですよね」
ねえ~と意気投合する鱗の女たち。
ねえ~じゃねぇんだよ。こいつら絶対に殺してやる。
鱗の女は、止め栓を開き、水の中へと落とす。
ジャンヌは、長い森の中を歩き、やっと出られたと思いきや、出口ではなかった。
足が浸かるほどの浅い川で、どこまでも続いている水の道だった。それに水たまりがあちこちと溜まっている。日が当たらないほどに木の葉で覆われ、木のトンネルのようだった。
青と緑が混ざったような景色。
川の道は、クモの糸のように広がっていた。
日が届かなければ、この地域の『呪い』が浄化せず、溜まってしまっているのか、野生の動物の鳴き声がしない。
不気味な静けさだった。
「早くこの場から離れないと・・・」
ジャンヌは、足元にあった水たまりに踏んだ時だった。
水たまりから青紫の手が4本伸びている。よく見れば手には鱗が付いていた。
鱗の手は足を掴むが、焼けるような音をたて、鱗の手が悲鳴とともにジャンヌの足から離れる。
鱗の手が『光』の浄化が効いたとしたら、『呪い』が扱えるものだと認識できる。
相手は、魔女か魔族と考えられる。でも今は考えるより先に走りだす。
この場から早く離れないとそれしか頭が入っていなかった。
川から大きい音がした。振り返れば、青紫色の肌、鱗の体を持つ女が3人現れた。足に掴んでいたあの鱗の手の正体がこの女たちだった。
鱗の女たちはジャンヌに飛び掛り、3人かかりで捕まえる。
「こいつら!」
ジャンヌは、鱗の女たちをどかそうと暴れるが、しつこく張り付き、離れない。鱗の女はジャンヌの『光』の力により浄化され、焼けるような音を立ててもジャンヌを離さない。
離れないなら、体中に白い炎を生み出そうにも、足に掴まれる感覚をした。足の方へ視線を向くと、川から鱗の女また現れ、ジャンヌの足を掴まれていた。
ヤバイと気づいた時には、視界が真っ黒になっていた。
息が苦しい。体が動かない。冷たい。
目を開けてみれば、視界がとてもぼやけている。何かが通り過ぎるものが見えたと思ったら、急に上へ引っ張られる。
やっと息が吸えると思って、顔を見上げれば、先ほど戦った鱗の女に囲まれていた。
この鱗の女たちに拷問されているところだった。
体が動かないと思ったら、手に鎖が巻かれ、ぶら下がっている状態だった。
鎖の先は、滑車を通って鱗の女たちが止め具にいた。下を向けば、大きい水場があった。あの中で沈められていた。
周囲を確認すれば、大きいガラスの壁に等間隔で柱が立っている。外は水の中にいるようだった。外からの光で部屋の中を青白く照らす。天井に光の反射で水の流れが浮かんでいる。
あの後、鱗の女に川の中に引きずられ、捕まってしまった。
鱗の女から少量であるが『呪い』が発生しているが、つまり彼女らの正体は使い魔だった。使い魔は、魔女から生まれた忠実な存在。魂がなく、魔女の指示を従う。
鱗の女たちは、ジャンヌを眺めている。
「うわ、見て。聖女だよ」
「まだ生きてる」
「怖いねえ」
「どうする。殺しちゃう」
「ぐちゃぐちゃにする」
「こいつのせいで怪我しちゃった」
「ひどいねぇ~」
鱗の女たちは、悩んでいた。どのように殺すのかを。
「『光』が大部減ったね」
「あとはお姉様が帰ってきてからにしましょ」
「そうしましょ」
お姉様?使い魔の主である魔女のことだろう。
「でも、もうちょっとやりましょうか」
「そうね。死ななければ問題ないですよね」
ねえ~と意気投合する鱗の女たち。
ねえ~じゃねぇんだよ。こいつら絶対に殺してやる。
鱗の女は、止め栓を開き、水の中へと落とす。
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