218 / 294
217話 帰宅(1)
しおりを挟む
「ルーイ先生の怪我に侍女の失踪……続いて警備隊の名を騙る不審者の出現ね。なんか事態が更にややこしくなってる気がするんだけど、これ収拾つくのかな」
「で、でも!! その不審者はすぐに捕まったそうですよ。リズが無事で本当に良かったです」
「……はい。レナードさんのおかげです。あの方がいらっしゃらなかったら、私はどうなっていたか……」
ルイスさんは大きく息を吐きながら不機嫌そうに組んだ足を入れ替えた。私たちに対して怒っているのではないと分かっているけど、彼から漂うピリついた空気に当てられて息が詰まりそうだ。リズも居心地悪そうに目線を下に落とし、自分の履いている靴ばかりを見つめている。
私たち3人は馬車に乗って移動している最中だった。リズは私の隣、ルイスさんは向かい側の席に座っている。狭くて密閉された空間にいるため、余計に圧迫感を感じてしまうのだろう。会話も途切れがちになり、気まずい空気が流れ始めていた。
「あー……ごめん。イライラして態度悪くなっちゃってた」
怖がらせてすまなかったと、ルイスさんが謝罪を口にした。眉尻を下げてバツが悪そうな顔をしている。そんな彼からは、もう息苦しくなるようなプレッシャーは感じない。安心して体から力が抜けていく。
ルイスさんが苛立つ理由も分かる。二番隊の隊員に扮していた謎の青年……ルイスさんはその人物と数日前に接触していた可能性があるというのだから。
先日の夕刻、リズが王宮に戻って来た。彼女の行動は想定外のものだったので皆驚いた。しかもリズはただ戻って来たのではなく、なんとレナードさんの代理として彼の任務を託されたというのだ。
「俺らがあの時……逃げた盗み聞きヤローを捕まえてさえいれば、姫さんの家に上がり込むのを防げたかもしれないんだ。あぁっ!! ムカつく!!!!」
「ルイスさん、落ち着いて下さい。もう捕まっていますから大丈夫です」
リズは拙いながらもレナードさんの代理をしっかりと勤めてくれた。彼の代わりにレオンに『報告』を行ったのだ。さすが、リズ。けれど本来であれば彼女がこんなことをする必要はなかった。
レナードさんが私の家に赴いた僅かな時間に、またしても事件が起きてしまったのだ。その影響で彼は現場から動くことが出来なくなってしまう。そこで、レナードさんの代わりとして選ばれたのがリズだった。次から次へと発生する問題に、セドリックさんたちは手一杯になっている。そんな彼らを手助けするために、彼女は自ら志願したらしい。リズにはリザベット橋の通行許可証があるし、彼女以上の適任はいなかった。多少の不安はあれど、セドリックさんはリズを信用して任せてくれたのだという。そうして、彼女からの報告を受けた次の日の朝……私たちはすぐに王宮を出発したのだ。
「でもレナードが直接見張ってなきゃダメなくらいヤベー奴なんだろ。そんなのが今まで野放しだったかと思うと悔しくてさ。もっと早く捕まえられるチャンスがあったのに、俺らはそれをみすみす逃しちゃったんだよ」
警備隊の隊服を着用した不審者が、私の家に堂々と入って来た。それを聞いた時は恐怖で体が震えた。使用人たちは言うに及ばず、リズも最初はセドリックさんが呼んだ応援なのだと疑いもしなかったという。
隊服の力って凄い……身に付けている人を無条件で軍の人だと思い込ませてしまう。だからこそ悪質でルイスさんも怒っているのだ。
私は知らなかったけど、警備隊の中に間者が紛れているかもしれないという疑惑自体は上がっていたのだそうだ。でもそれには何の根拠もなく、ルイスさんたちの勘。大掛かりな調査をするほどの説得力はなかった。しかしこの時、彼らが感じた違和感……疑惑を向けられた者こそが、私の家に現れた不審者と同一人物であろうと予測されている。『もっと深く追求していれば……』と、ルイスさんは当時の事を思い出して悔しそうに呟いた。
「最終的にはボスが上手いこと締めてくれるだろうけどさ……後悔先に立たずだよ」
「その少女と青年は、私たちと同じでニュアージュの魔法使いを追っているのでしたよね。リズの話だと、コスタビューテの者に危害を加えるつもりは無かったと供述しているそうです。身分を偽るのは許されないことですが、もっと詳しく事情を聞いてみる必要がありそうですね」
「口では何とでも言えるからね。苦し紛れの言いわけだと思うわ。大体連れのガキは先生に思いっきり手出してるんだからさ。釣り堀襲撃犯との繋がりは知らないけど、そいつらも同じニュアージュの人間なんだろ? 少なくとも魔法使いについては俺らより詳しいのは確実だろうね」
ルーイ様が襲われた件はとても腹立だしい。しっかりと罰して貰いたい。しかし、有益な情報を得られるのではという期待もあった。犯人のグレッグが死んでいるため、捜査の進行状況も芳しくないと聞いた。現状を打開できるチャンスだ。
最初に届いたセドリックさんの報告書と合わせて、レオンはどのように考えているのだろう。彼はバルト隊長と一緒にもう一方の馬車に乗っているため、今この場にいない。直接尋ねることは出来ないけど、きっと同じようなことを考えているのではないだろうか。
「クレハ様、ルイスさん。その侵入者……名前をノアというそうですが、私は彼と直接会話をしています。『ノア』は捕まっても余裕な態度を崩すことはなく、私の目にはそれがとても奇妙に映りました」
連れの少女共に拘束され、セドリックさんたちが見張りについている。どう考えても逃げることなど不可能。でもリズは、そのノアという侵入者の振る舞いが心に引っ掛かり、心配で仕方がないのだそうだ。
「私が気にし過ぎなのかもしれません。でも……皆さんどうか、十分にお気を付けて」
久しぶりに帰れる自宅……でも目的は事件の調査だ。レオンを筆頭に強い人が常に側にいてくれるからといって油断してはいけない。私はリズの忠告を己に強く言い聞かせるのだった。
「で、でも!! その不審者はすぐに捕まったそうですよ。リズが無事で本当に良かったです」
「……はい。レナードさんのおかげです。あの方がいらっしゃらなかったら、私はどうなっていたか……」
ルイスさんは大きく息を吐きながら不機嫌そうに組んだ足を入れ替えた。私たちに対して怒っているのではないと分かっているけど、彼から漂うピリついた空気に当てられて息が詰まりそうだ。リズも居心地悪そうに目線を下に落とし、自分の履いている靴ばかりを見つめている。
私たち3人は馬車に乗って移動している最中だった。リズは私の隣、ルイスさんは向かい側の席に座っている。狭くて密閉された空間にいるため、余計に圧迫感を感じてしまうのだろう。会話も途切れがちになり、気まずい空気が流れ始めていた。
「あー……ごめん。イライラして態度悪くなっちゃってた」
怖がらせてすまなかったと、ルイスさんが謝罪を口にした。眉尻を下げてバツが悪そうな顔をしている。そんな彼からは、もう息苦しくなるようなプレッシャーは感じない。安心して体から力が抜けていく。
ルイスさんが苛立つ理由も分かる。二番隊の隊員に扮していた謎の青年……ルイスさんはその人物と数日前に接触していた可能性があるというのだから。
先日の夕刻、リズが王宮に戻って来た。彼女の行動は想定外のものだったので皆驚いた。しかもリズはただ戻って来たのではなく、なんとレナードさんの代理として彼の任務を託されたというのだ。
「俺らがあの時……逃げた盗み聞きヤローを捕まえてさえいれば、姫さんの家に上がり込むのを防げたかもしれないんだ。あぁっ!! ムカつく!!!!」
「ルイスさん、落ち着いて下さい。もう捕まっていますから大丈夫です」
リズは拙いながらもレナードさんの代理をしっかりと勤めてくれた。彼の代わりにレオンに『報告』を行ったのだ。さすが、リズ。けれど本来であれば彼女がこんなことをする必要はなかった。
レナードさんが私の家に赴いた僅かな時間に、またしても事件が起きてしまったのだ。その影響で彼は現場から動くことが出来なくなってしまう。そこで、レナードさんの代わりとして選ばれたのがリズだった。次から次へと発生する問題に、セドリックさんたちは手一杯になっている。そんな彼らを手助けするために、彼女は自ら志願したらしい。リズにはリザベット橋の通行許可証があるし、彼女以上の適任はいなかった。多少の不安はあれど、セドリックさんはリズを信用して任せてくれたのだという。そうして、彼女からの報告を受けた次の日の朝……私たちはすぐに王宮を出発したのだ。
「でもレナードが直接見張ってなきゃダメなくらいヤベー奴なんだろ。そんなのが今まで野放しだったかと思うと悔しくてさ。もっと早く捕まえられるチャンスがあったのに、俺らはそれをみすみす逃しちゃったんだよ」
警備隊の隊服を着用した不審者が、私の家に堂々と入って来た。それを聞いた時は恐怖で体が震えた。使用人たちは言うに及ばず、リズも最初はセドリックさんが呼んだ応援なのだと疑いもしなかったという。
隊服の力って凄い……身に付けている人を無条件で軍の人だと思い込ませてしまう。だからこそ悪質でルイスさんも怒っているのだ。
私は知らなかったけど、警備隊の中に間者が紛れているかもしれないという疑惑自体は上がっていたのだそうだ。でもそれには何の根拠もなく、ルイスさんたちの勘。大掛かりな調査をするほどの説得力はなかった。しかしこの時、彼らが感じた違和感……疑惑を向けられた者こそが、私の家に現れた不審者と同一人物であろうと予測されている。『もっと深く追求していれば……』と、ルイスさんは当時の事を思い出して悔しそうに呟いた。
「最終的にはボスが上手いこと締めてくれるだろうけどさ……後悔先に立たずだよ」
「その少女と青年は、私たちと同じでニュアージュの魔法使いを追っているのでしたよね。リズの話だと、コスタビューテの者に危害を加えるつもりは無かったと供述しているそうです。身分を偽るのは許されないことですが、もっと詳しく事情を聞いてみる必要がありそうですね」
「口では何とでも言えるからね。苦し紛れの言いわけだと思うわ。大体連れのガキは先生に思いっきり手出してるんだからさ。釣り堀襲撃犯との繋がりは知らないけど、そいつらも同じニュアージュの人間なんだろ? 少なくとも魔法使いについては俺らより詳しいのは確実だろうね」
ルーイ様が襲われた件はとても腹立だしい。しっかりと罰して貰いたい。しかし、有益な情報を得られるのではという期待もあった。犯人のグレッグが死んでいるため、捜査の進行状況も芳しくないと聞いた。現状を打開できるチャンスだ。
最初に届いたセドリックさんの報告書と合わせて、レオンはどのように考えているのだろう。彼はバルト隊長と一緒にもう一方の馬車に乗っているため、今この場にいない。直接尋ねることは出来ないけど、きっと同じようなことを考えているのではないだろうか。
「クレハ様、ルイスさん。その侵入者……名前をノアというそうですが、私は彼と直接会話をしています。『ノア』は捕まっても余裕な態度を崩すことはなく、私の目にはそれがとても奇妙に映りました」
連れの少女共に拘束され、セドリックさんたちが見張りについている。どう考えても逃げることなど不可能。でもリズは、そのノアという侵入者の振る舞いが心に引っ掛かり、心配で仕方がないのだそうだ。
「私が気にし過ぎなのかもしれません。でも……皆さんどうか、十分にお気を付けて」
久しぶりに帰れる自宅……でも目的は事件の調査だ。レオンを筆頭に強い人が常に側にいてくれるからといって油断してはいけない。私はリズの忠告を己に強く言い聞かせるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】
かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。
名前も年齢も住んでた町も覚えてません。
ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。
プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。
小説家になろう様にも公開してます。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
隣国が戦を仕掛けてきたので返り討ちにし、人質として三国の王女を貰い受けました
しろねこ。
恋愛
三国から攻め入られ、四面楚歌の絶体絶命の危機だったけど、何とか戦を終わらせられました。
つきましては和平の為の政略結婚に移ります。
冷酷と呼ばれる第一王子。
脳筋マッチョの第二王子。
要領良しな腹黒第三王子。
選ぶのは三人の難ありな王子様方。
宝石と貴金属が有名なパルス国。
騎士と聖女がいるシェスタ国。
緑が多く農業盛んなセラフィム国。
それぞれの国から王女を貰い受けたいと思います。
戦を仕掛けた事を後悔してもらいましょう。
ご都合主義、ハピエン、両片想い大好きな作者による作品です。
現在10万字以上となっています、私の作品で一番長いです。
基本甘々です。
同名キャラにて、様々な作品を書いています。
作品によりキャラの性格、立場が違いますので、それぞれの差分をお楽しみ下さい。
全員ではないですが、イメージイラストあります。
皆様の心に残るような、そして自分の好みを詰め込んだ甘々な作品を書いていきますので、よろしくお願い致します(*´ω`*)
カクヨムさんでも投稿中で、そちらでコンテスト参加している作品となりますm(_ _)m
小説家になろうさん、ネオページさんでも掲載中。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~
魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。
ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!
そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!?
「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」
初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。
でもなんだか様子がおかしくて……?
不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。
※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます
※他サイトでも公開しています。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる