233 / 294
232話 調査(5)
しおりを挟む
スコット・ブロウが手の中に握りしめていた物の正体。それは、主の婚約者であるクレハ・ジェムラート様により制作されたメッセージカードの切れ端だった。
切れ端に記された文字と付着していたバラの花弁で判明した。現物をご覧になったレオン様が、クレハ様が作ったもので間違いないと断定したのだ。
「クレハが作ったカードって俺が貰ったのと同じかな。押し花で飾られたやつ……レオンやセディも持ってるよね。クレハったら身近にいる人間に手当たり次第に配ってたもんね。釣り堀の管理人もクレハから貰ったってこと?」
「いいえ。クレハはスコットと面識がありませんでしたので、彼が持っていたカードはクレハが贈ったものではありません」
「クレハが作ったカードなのに贈り主はクレハじゃない? どういうことよ。レオン、もっと詳しく説明して」
クレハ様は自室に生けられた花を枯れる前に押し花にしていた。出来上がった押し花を使ってメッセージカードや栞などを作って楽しんでいたのだ。
レオン様は当然のこと、ルーイ先生やリズさん……身の回りのお世話を担当していた侍女に、俺たち『とまり木』の人間にも周知されていたことだ。押し花が綺麗にできるたびに嬉しくて配り回ってしまうと、恥ずかしそうにクレハ様が語っていたのが微笑ましかった。
手当たり次第というのは言い過ぎだけど、それなりの人数が彼女から押し花付きのカードを貰っている。それでもさすがに会ったこともない釣り堀の管理人にまでカードが行き届いているとは考え難いな。
「スコットが持っていたカードですが、それはもともと俺がクレハから貰ったものなんです」
レオン様は懐からまた別の封筒を取り出した。封筒の中に入っていたのは数枚のカード。押し花で装飾されていて美しい。使われている花はバラではないけれど、これもクレハ様が作ったメッセージカードだ。
カードには『Dear』と『From』しか書かれていない。宛名と差し出し人を記入するスペースが設けてあるだけで、それ以外は空白になっている。
「貰ったカードにはこのように内容欄に何も書いていない物がいくつかありました。クレハは自分だけではカードを使いきれなくなり、余ったものを俺に分けてくれたのです。つまりこのカードは未使用品です」
作り過ぎてしまったカードをレオン様に譲った……。クレハ様がここでレオン様に渡した余剰分のカードが、スコットの死の真相に迫る重要な役割を果たしたのだという。
「俺はクレハから貰った未使用のカードを『ある人物』にプレゼントしたんです。この行動に深い意味はなく、俺の手元で持て余しておくよりは、誰かに使ってもらった方がクレハも喜ぶと思ったからです。後は……あの子が作ったカードをより多くの者に見て欲しくて……自慢したいという感情もあったかもしれません」
この時『ある人物』に贈ったカードが、後に死んだスコットの手の中から破られた状態で発見されたのだとレオン様は主張している。
カードがスコットのもとに渡るきっかけを作ったのはレオン様ということだ。カードの制作者はクレハ様だが、彼女が贈ったものではないというのはそういう意味だったのか。では『ある人物』というのは一体……
「ちょっと質問いい? どうして生簀で見つかったカードがお前が持ってたやつだって分かったのよ。バラの押し花のカードだって複数存在してるでしょ。切れ端に残された文字だけで特定できたとは到底思えない」
切れ端は生簀の内側にも貼り付いていたそうだ。流されなかったのは運が良かったが、水に濡れたせいで状態はあまり良くなかったという。大きさも1センチ程度。判別できた文字はひとつふたつだったらしい。
「ギリギリ読めたのは『m』だか『e』だけなんだろ? お手上げでしょ。こんなの」
『m』と『e』……よりにもよってふたつとも『From』と『Dear』に含まれている。全てのカードに共通して書かれている単語だから何のヒントにもならない。
先生からの質問を受けたレオン様は、まるで聞かれるのが分かっていたかのように冷静に返答を行った。
「書かれていた内容はカードを特定するのにそこまで重要ではありませんでした。大事なのはスコットが手にしていた物が、クレハが作った『バラの押し花のカード』であるという事実なんです」
先生と俺は顔を見合わせて首を傾げた。大変珍しいことに先生もレオン様の話が理解できていない様子だ。
「先生はバラのカードをクレハが何枚作ったと思いますか?」
「えっ……知らんけど。余りが出るくらいだから30くらい?」
「10枚です」
「意外と少なかった」
「俺も知らなかったんですが、バラのように花びらが折り重なっている花は押し花にするのが難しいのだそうです。クレハもかなり苦戦したと聞きました。スコットの遺体が発見された時点で完成していた物は10枚ほどです」
バラのカードの枚数が少ないのは難易度が高いから。加えて本来であれば持ち出し厳禁である女神のバラを使う事に遠慮が生じてしまったのだろうと、レオン様は推察している。クレハ様らしいな。
「クレハはバラのカードを誰に何枚渡したのか、もしくは渡す予定なのかをしっかりと記録して俺に報告してくれていたのです。そこまでする必要はないと言っていたのですが、今回はその慎重さに救われました。俺がカードを特定できた理由ですよね。なんてことはありません……ただの消去法です」
10枚程度なら調べるのも容易だな。クレハ様の記録をもとに、カードの所在を明確にすればいいのだから。
「バラのカードの殆どはジェフェリー・バラードを始めとした、ジェムラート家の使用人たちに贈る予定で準備されていました。王宮の人間ではクレハ付きの侍女の名前が数名ほど……そして最後に俺です」
10枚のカードのうち9枚はすぐに現物を確認できたそうだ。レオン様が『ある人物』とやらに渡したもの意外は……
「なるほど、消去法ね。他の9枚のカードが破れてもいない完全な状態で存在しているのなら、生簀で見つかったカードの切れ端はおのずとお前が持っていたものということになる」
「どうしてあのカードをスコットが手にしていたのかは分かりませんが、彼の死と無関係とは思えない。必ず意味があるはずです」
「レオン様。あなたがカードを渡したその『ある人物』とは誰なんですか。我々の隊の者なんですよね?」
ここまでお話しされたのだ。先生と俺にはその人物の正体を教えて下さるはずだ。
「それは……」
たっぷりと間を置いてようやく踏ん切りがついたようだ。レオン様はその重い口を開いた。
切れ端に記された文字と付着していたバラの花弁で判明した。現物をご覧になったレオン様が、クレハ様が作ったもので間違いないと断定したのだ。
「クレハが作ったカードって俺が貰ったのと同じかな。押し花で飾られたやつ……レオンやセディも持ってるよね。クレハったら身近にいる人間に手当たり次第に配ってたもんね。釣り堀の管理人もクレハから貰ったってこと?」
「いいえ。クレハはスコットと面識がありませんでしたので、彼が持っていたカードはクレハが贈ったものではありません」
「クレハが作ったカードなのに贈り主はクレハじゃない? どういうことよ。レオン、もっと詳しく説明して」
クレハ様は自室に生けられた花を枯れる前に押し花にしていた。出来上がった押し花を使ってメッセージカードや栞などを作って楽しんでいたのだ。
レオン様は当然のこと、ルーイ先生やリズさん……身の回りのお世話を担当していた侍女に、俺たち『とまり木』の人間にも周知されていたことだ。押し花が綺麗にできるたびに嬉しくて配り回ってしまうと、恥ずかしそうにクレハ様が語っていたのが微笑ましかった。
手当たり次第というのは言い過ぎだけど、それなりの人数が彼女から押し花付きのカードを貰っている。それでもさすがに会ったこともない釣り堀の管理人にまでカードが行き届いているとは考え難いな。
「スコットが持っていたカードですが、それはもともと俺がクレハから貰ったものなんです」
レオン様は懐からまた別の封筒を取り出した。封筒の中に入っていたのは数枚のカード。押し花で装飾されていて美しい。使われている花はバラではないけれど、これもクレハ様が作ったメッセージカードだ。
カードには『Dear』と『From』しか書かれていない。宛名と差し出し人を記入するスペースが設けてあるだけで、それ以外は空白になっている。
「貰ったカードにはこのように内容欄に何も書いていない物がいくつかありました。クレハは自分だけではカードを使いきれなくなり、余ったものを俺に分けてくれたのです。つまりこのカードは未使用品です」
作り過ぎてしまったカードをレオン様に譲った……。クレハ様がここでレオン様に渡した余剰分のカードが、スコットの死の真相に迫る重要な役割を果たしたのだという。
「俺はクレハから貰った未使用のカードを『ある人物』にプレゼントしたんです。この行動に深い意味はなく、俺の手元で持て余しておくよりは、誰かに使ってもらった方がクレハも喜ぶと思ったからです。後は……あの子が作ったカードをより多くの者に見て欲しくて……自慢したいという感情もあったかもしれません」
この時『ある人物』に贈ったカードが、後に死んだスコットの手の中から破られた状態で発見されたのだとレオン様は主張している。
カードがスコットのもとに渡るきっかけを作ったのはレオン様ということだ。カードの制作者はクレハ様だが、彼女が贈ったものではないというのはそういう意味だったのか。では『ある人物』というのは一体……
「ちょっと質問いい? どうして生簀で見つかったカードがお前が持ってたやつだって分かったのよ。バラの押し花のカードだって複数存在してるでしょ。切れ端に残された文字だけで特定できたとは到底思えない」
切れ端は生簀の内側にも貼り付いていたそうだ。流されなかったのは運が良かったが、水に濡れたせいで状態はあまり良くなかったという。大きさも1センチ程度。判別できた文字はひとつふたつだったらしい。
「ギリギリ読めたのは『m』だか『e』だけなんだろ? お手上げでしょ。こんなの」
『m』と『e』……よりにもよってふたつとも『From』と『Dear』に含まれている。全てのカードに共通して書かれている単語だから何のヒントにもならない。
先生からの質問を受けたレオン様は、まるで聞かれるのが分かっていたかのように冷静に返答を行った。
「書かれていた内容はカードを特定するのにそこまで重要ではありませんでした。大事なのはスコットが手にしていた物が、クレハが作った『バラの押し花のカード』であるという事実なんです」
先生と俺は顔を見合わせて首を傾げた。大変珍しいことに先生もレオン様の話が理解できていない様子だ。
「先生はバラのカードをクレハが何枚作ったと思いますか?」
「えっ……知らんけど。余りが出るくらいだから30くらい?」
「10枚です」
「意外と少なかった」
「俺も知らなかったんですが、バラのように花びらが折り重なっている花は押し花にするのが難しいのだそうです。クレハもかなり苦戦したと聞きました。スコットの遺体が発見された時点で完成していた物は10枚ほどです」
バラのカードの枚数が少ないのは難易度が高いから。加えて本来であれば持ち出し厳禁である女神のバラを使う事に遠慮が生じてしまったのだろうと、レオン様は推察している。クレハ様らしいな。
「クレハはバラのカードを誰に何枚渡したのか、もしくは渡す予定なのかをしっかりと記録して俺に報告してくれていたのです。そこまでする必要はないと言っていたのですが、今回はその慎重さに救われました。俺がカードを特定できた理由ですよね。なんてことはありません……ただの消去法です」
10枚程度なら調べるのも容易だな。クレハ様の記録をもとに、カードの所在を明確にすればいいのだから。
「バラのカードの殆どはジェフェリー・バラードを始めとした、ジェムラート家の使用人たちに贈る予定で準備されていました。王宮の人間ではクレハ付きの侍女の名前が数名ほど……そして最後に俺です」
10枚のカードのうち9枚はすぐに現物を確認できたそうだ。レオン様が『ある人物』とやらに渡したもの意外は……
「なるほど、消去法ね。他の9枚のカードが破れてもいない完全な状態で存在しているのなら、生簀で見つかったカードの切れ端はおのずとお前が持っていたものということになる」
「どうしてあのカードをスコットが手にしていたのかは分かりませんが、彼の死と無関係とは思えない。必ず意味があるはずです」
「レオン様。あなたがカードを渡したその『ある人物』とは誰なんですか。我々の隊の者なんですよね?」
ここまでお話しされたのだ。先生と俺にはその人物の正体を教えて下さるはずだ。
「それは……」
たっぷりと間を置いてようやく踏ん切りがついたようだ。レオン様はその重い口を開いた。
0
あなたにおすすめの小説
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
【完結】ここって天国?いいえBLの世界に転生しました
三園 七詩
恋愛
麻衣子はBL大好きの腐りかけのオタク、ある日道路を渡っていた綺麗な猫が車に引かれそうになっているのを助けるために命を落とした。
助けたその猫はなんと神様で麻衣子を望む異世界へと転生してくれると言う…チートでも溺愛でも悪役令嬢でも望むままに…しかし麻衣子にはどれもピンと来ない…どうせならBLの世界でじっくりと生でそれを拝みたい…
神様はそんな麻衣子の願いを叶えてBLの世界へと転生させてくれた!
しかもその世界は生前、麻衣子が買ったばかりのゲームの世界にそっくりだった!
攻略対象の兄と弟を持ち、王子の婚約者のマリーとして生まれ変わった。
ゲームの世界なら王子と兄、弟やヒロイン(男)がイチャイチャするはずなのになんかおかしい…
知らず知らずのうちに攻略対象達を虜にしていくマリーだがこの世界はBLと疑わないマリーはそんな思いは露知らず…
注)BLとありますが、BL展開はほぼありません。
お転婆令嬢は、大好きな騎士様に本性を隠し通す
湊一桜
恋愛
侯爵令嬢クロエは、二度も婚約破棄をされた。彼女の男勝りで豪快な性格のせいである。
それに懲りたクロエは、普段は令嬢らしく振る舞い、夜には”白薔薇”という偽名のもと大暴れして、憂さ晴らしをしていた。
そんな彼女のもとに、兄が一人の騎士を連れてきた。
彼の名はルーク、別名”孤高の黒薔薇”。その冷たい振る舞いからそう呼ばれている。
だが実は、彼は女性が苦手であり、女性に話しかけられるとフリーズするため勘違いされていたのだ。
兄は、クロエとルークのこじらせっぷりに辟易し、二人に”恋愛の特訓”を持ちかける。
特訓を重ねるうちに、二人の距離は少しずつ近付いていく。だがクロエは、ルークに”好きな人”がいることを知ってしまった……
恋愛なんてこりごりなのに、恋をしてしまったお転婆令嬢と、実は優しくて一途な騎士が、思い悩んで幸せになっていくお話です。
虐げられ令嬢の最後のチャンス〜今度こそ幸せになりたい
みおな
恋愛
何度生まれ変わっても、私の未来には死しかない。
死んで異世界転生したら、旦那に虐げられる侯爵夫人だった。
死んだ後、再び転生を果たしたら、今度は親に虐げられる伯爵令嬢だった。
三度目は、婚約者に婚約破棄された挙句に国外追放され夜盗に殺される公爵令嬢。
四度目は、聖女だと偽ったと冤罪をかけられ処刑される平民。
さすがにもう許せないと神様に猛抗議しました。
こんな結末しかない転生なら、もう転生しなくていいとまで言いました。
こんな転生なら、いっそ亀の方が何倍もいいくらいです。
私の怒りに、神様は言いました。
次こそは誰にも虐げられない未来を、とー
【完結】断頭台で処刑された悪役王妃の生き直し
有栖多于佳
恋愛
近代ヨーロッパの、ようなある大陸のある帝国王女の物語。
30才で断頭台にかけられた王妃が、次の瞬間3才の自分に戻った。
1度目の世界では盲目的に母を立派な女帝だと思っていたが、よくよく思い起こせば、兄妹間で格差をつけて、お気に入りの子だけ依怙贔屓する毒親だと気づいた。
だいたい帝国は男子継承と決まっていたのをねじ曲げて強欲にも女帝になり、初恋の父との恋も成就させた結果、継承戦争起こし帝国は二つに割ってしまう。王配になった父は人の良いだけで頼りなく、全く人を見る目のないので軍の幹部に登用した者は役に立たない。
そんな両親と早い段階で決別し今度こそ幸せな人生を過ごすのだと、決意を胸に生き直すマリアンナ。
史実に良く似た出来事もあるかもしれませんが、この物語はフィクションです。
世界史の人物と同名が出てきますが、別人です。
全くのフィクションですので、歴史考察はありません。
*あくまでも異世界ヒューマンドラマであり、恋愛あり、残業ありの娯楽小説です。
死ぬはずだった令嬢が乙女ゲームの舞台に突然参加するお話
みっしー
恋愛
病弱な公爵令嬢のフィリアはある日今までにないほどの高熱にうなされて自分の前世を思い出す。そして今自分がいるのは大好きだった乙女ゲームの世界だと気づく。しかし…「藍色の髪、空色の瞳、真っ白な肌……まさかっ……!」なんと彼女が転生したのはヒロインでも悪役令嬢でもない、ゲーム開始前に死んでしまう攻略対象の王子の婚約者だったのだ。でも前世で長生きできなかった分今世では長生きしたい!そんな彼女が長生きを目指して乙女ゲームの舞台に突然参加するお話です。
*番外編も含め完結いたしました!感想はいつでもありがたく読ませていただきますのでお気軽に!
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる