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大和さんは本家の長男で、もともと文武両道という印象の人だった。
噂では、高校時代は成績優秀で学年トップだったとか、剣道部に入っていて主将だったとか、生徒会長をしていたとか、大学では二年生の終わり頃には必要単位以上を取得していたとか、三年生の始めには有名企業への内定が決まり就職活動を終えていたとか、四年生の今は卒論に向き合っているが教授顔負けの難題を扱っているとか。噂がどこまで本当かはわからない。そもそもおれと大和さんは通う学校が違うのでお盆とかに本家に行かないと大和さんの高校時代や大学での噂は耳に入らない。
つまり、この夏、お盆に本家にお邪魔したのでそういう噂をたくさん聞いたのだ。大和さん本人は大人達に囲まれていてなんだか遠い存在に思えた。
だから大学に戻って自分の部屋や大和さんの部屋に帰ってからちょっと安心してしまった。なんでもできるエリート様なんて色眼鏡で大和さんを見てしまったら多分こんなに近寄れなかった。
おれの受験期から今まで、大和さんは甘やかしてくれるおにいさんで、付き合って恋人という立場にもなった。
ベッドの端に座った大和さんに抱きつく。ベッドの上に乗って後ろからである。お風呂に入ったばかりの大和さんからはせっけんの香りがする。
「あはは、よしよし」
大和さんが振り返っておれの顎をワシャワシャ撫でた。ワシャワシャ撫でられるような毛はないので首や顎あたりをざっくばらんに五指が触れる。その撫で方は犬や猫にやるものだけれど、まあおれは犬みたいなものだから。
おれは攻めあぐねている。大和さんとセックスがしたい。前に大和さんとセックスした時、大和さんはイけなかった。その印象を引きずりすぎるといよいよセックスができなくなる気がする。もしやるなら、次は大和さんも気持ちいいセックスを。そう思うととてつもなくハードルが高いように感じた。
高いハードルは分解するといい。つまりセックスよりハードルの低いものからやっていくといい。オナニーを手伝うとか。
大和さんの腰に手を沿わせると大和さんはおれの顎から手を離して言う。
「どうした?」
「触りたい」
「かまわないけれど、洗浄はしないと……」
「ちんちん触りたいだけ」
「ああ、なるほど」
大和さんはおれに触られて勃つかわからない。でも別に勃たなくてもオナニーを手伝ってみたという実績ができる。大和さんのズボンに手を突っ込むと大和さんが言った。
「脱いだ方がやりやすいだろ。脱ぐから、ちょっと待ってくれ」
大和さんがズボンと下着を脱ぐ。おれは大和さんを背中側から抱きしめる体勢のままその性器に触れた。
亀頭を撫でて柔く竿を握る。ゆっくりと動かすと徐々に大和さんのちんちんが芯を持ち始めた。
「う、ん……もうちょっと早く、こすってくれ」
大和さんに言われて若干速度を上げた。大和さんのちんちんがちゃんと反応して、固くなっている。
「……は……ぁ、気持ちい……」
大和さんの声。ちゃんと感じているのがわかって嬉しい。
「あ……ぁ、……っ、は……、あ」
ずっとここを触っていてあげたい。気持ちよくなってほしい。
そう思いながらそこを扱き続けているとそのうち大和さんの腰がわずかに動き始めた。触り方に合わせて腰が前後に振れる。
大和さんがそれを自覚してか、少し恥ずかしそうに声をあげた。
「う、ぁ……まっ、」
「イきそう?」
「イ、く……っ」
ティッシュを取って精液を受ける。大和さんの身体がビクリビクリと震えた。
「……ぁ、はぁ、はぁ」
大和さんの息が荒い。おれの手で大和さんがイけたことが嬉しい。
ティッシュでちんちんを拭いて、大和さんの背後から退く。ティッシュをゴミ箱に捨てると手を洗おうと水場に向かった。大和さんがズボンを穿いてついてくる。
大和さん、こっちに用事があるのか。手を洗って大和さんを眺めると彼もおれを見ていた。
「今一人でベッドにいたら寝そうだからついてきただけだよ」
大和さんが弁解するように言う。何の弁解かわからないけれど寝てていいのに。
水に濡れた手を拭いて、大和さんに抱きつく。大和さんの首筋に顔をうずめて言い様のない愛しさを噛み締める。
大和さんはおれの背中に手を回してポンポンと優しく叩いた。子どもをあやすような手つきだ。
大和さんがおれの股間に気付く。あんなになってた大和さん相手に勃っちゃうのは仕方ない。仕方ないけどおもむろに触らないでほしい。
「俺が抜こうか」
大和さんが言う。そう言う気もしたし、実はちょっと期待していた自分に気付く。浅ましい。いや別にいいだろ、大和さんからは実際提案されたのだから。
おれが頷くと大和さんはよしよしと頭を撫でてからおれのズボンと下着を下げる。
竿を持たれて優しく動かされる。
「あ、は、っ……あ」
玉まで触られてしまう。
「気持ちいいなぁ、静くん」
大和さんの声が優しい。ずっと大和さんのを触りながら興奮してたから、三こすり半くらいだった。いや五こすりくらいはしたかも。
「うぅっ」
大和さんが精液を手で受ける。大和さんは言った。
「ちゃんとイけて偉いな」
それはオナニーをする時に妄想の中で大和さんに一番言わせていたセリフである。おれは思わず言ってしまった。
「現実……?」
噂では、高校時代は成績優秀で学年トップだったとか、剣道部に入っていて主将だったとか、生徒会長をしていたとか、大学では二年生の終わり頃には必要単位以上を取得していたとか、三年生の始めには有名企業への内定が決まり就職活動を終えていたとか、四年生の今は卒論に向き合っているが教授顔負けの難題を扱っているとか。噂がどこまで本当かはわからない。そもそもおれと大和さんは通う学校が違うのでお盆とかに本家に行かないと大和さんの高校時代や大学での噂は耳に入らない。
つまり、この夏、お盆に本家にお邪魔したのでそういう噂をたくさん聞いたのだ。大和さん本人は大人達に囲まれていてなんだか遠い存在に思えた。
だから大学に戻って自分の部屋や大和さんの部屋に帰ってからちょっと安心してしまった。なんでもできるエリート様なんて色眼鏡で大和さんを見てしまったら多分こんなに近寄れなかった。
おれの受験期から今まで、大和さんは甘やかしてくれるおにいさんで、付き合って恋人という立場にもなった。
ベッドの端に座った大和さんに抱きつく。ベッドの上に乗って後ろからである。お風呂に入ったばかりの大和さんからはせっけんの香りがする。
「あはは、よしよし」
大和さんが振り返っておれの顎をワシャワシャ撫でた。ワシャワシャ撫でられるような毛はないので首や顎あたりをざっくばらんに五指が触れる。その撫で方は犬や猫にやるものだけれど、まあおれは犬みたいなものだから。
おれは攻めあぐねている。大和さんとセックスがしたい。前に大和さんとセックスした時、大和さんはイけなかった。その印象を引きずりすぎるといよいよセックスができなくなる気がする。もしやるなら、次は大和さんも気持ちいいセックスを。そう思うととてつもなくハードルが高いように感じた。
高いハードルは分解するといい。つまりセックスよりハードルの低いものからやっていくといい。オナニーを手伝うとか。
大和さんの腰に手を沿わせると大和さんはおれの顎から手を離して言う。
「どうした?」
「触りたい」
「かまわないけれど、洗浄はしないと……」
「ちんちん触りたいだけ」
「ああ、なるほど」
大和さんはおれに触られて勃つかわからない。でも別に勃たなくてもオナニーを手伝ってみたという実績ができる。大和さんのズボンに手を突っ込むと大和さんが言った。
「脱いだ方がやりやすいだろ。脱ぐから、ちょっと待ってくれ」
大和さんがズボンと下着を脱ぐ。おれは大和さんを背中側から抱きしめる体勢のままその性器に触れた。
亀頭を撫でて柔く竿を握る。ゆっくりと動かすと徐々に大和さんのちんちんが芯を持ち始めた。
「う、ん……もうちょっと早く、こすってくれ」
大和さんに言われて若干速度を上げた。大和さんのちんちんがちゃんと反応して、固くなっている。
「……は……ぁ、気持ちい……」
大和さんの声。ちゃんと感じているのがわかって嬉しい。
「あ……ぁ、……っ、は……、あ」
ずっとここを触っていてあげたい。気持ちよくなってほしい。
そう思いながらそこを扱き続けているとそのうち大和さんの腰がわずかに動き始めた。触り方に合わせて腰が前後に振れる。
大和さんがそれを自覚してか、少し恥ずかしそうに声をあげた。
「う、ぁ……まっ、」
「イきそう?」
「イ、く……っ」
ティッシュを取って精液を受ける。大和さんの身体がビクリビクリと震えた。
「……ぁ、はぁ、はぁ」
大和さんの息が荒い。おれの手で大和さんがイけたことが嬉しい。
ティッシュでちんちんを拭いて、大和さんの背後から退く。ティッシュをゴミ箱に捨てると手を洗おうと水場に向かった。大和さんがズボンを穿いてついてくる。
大和さん、こっちに用事があるのか。手を洗って大和さんを眺めると彼もおれを見ていた。
「今一人でベッドにいたら寝そうだからついてきただけだよ」
大和さんが弁解するように言う。何の弁解かわからないけれど寝てていいのに。
水に濡れた手を拭いて、大和さんに抱きつく。大和さんの首筋に顔をうずめて言い様のない愛しさを噛み締める。
大和さんはおれの背中に手を回してポンポンと優しく叩いた。子どもをあやすような手つきだ。
大和さんがおれの股間に気付く。あんなになってた大和さん相手に勃っちゃうのは仕方ない。仕方ないけどおもむろに触らないでほしい。
「俺が抜こうか」
大和さんが言う。そう言う気もしたし、実はちょっと期待していた自分に気付く。浅ましい。いや別にいいだろ、大和さんからは実際提案されたのだから。
おれが頷くと大和さんはよしよしと頭を撫でてからおれのズボンと下着を下げる。
竿を持たれて優しく動かされる。
「あ、は、っ……あ」
玉まで触られてしまう。
「気持ちいいなぁ、静くん」
大和さんの声が優しい。ずっと大和さんのを触りながら興奮してたから、三こすり半くらいだった。いや五こすりくらいはしたかも。
「うぅっ」
大和さんが精液を手で受ける。大和さんは言った。
「ちゃんとイけて偉いな」
それはオナニーをする時に妄想の中で大和さんに一番言わせていたセリフである。おれは思わず言ってしまった。
「現実……?」
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