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馴れ初め編/第四章 その想い、湯けむりに紛れて
63.大人な気遣いに感謝を
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(みら、れた……見られた、見られた……見られたっ!)
逃げるように女部屋へ戻ってきた千優は、灯りもつけず薄暗い室内で苦悩するばかりだ。
羞恥心、驚き、戸惑い。頭の中では、いくつもの感情が忙しなく、そして複雑に絡みあう一方。
ふとした瞬間、冷静になれと心の片隅で誰かが主張する声が聞こえる。
しかし、それを千優の心が受け入れるのはほんの数秒だけ。荒れ狂うマイナス思考の大波によって、小さな感情はあっさりと飲み込まれていった。
「嫌、だ……ど……してっ」
口から零れ落ちる声は、普段の彼女からは想像出来ない程弱々しい。
いつもの気丈で正義感溢れる姿とは真逆の、酷く怯え震えてばかりな女がそこに居る。
先程目にした光景が、しっかりと脳裏に焼きついてしまった。
何度も頭をふり、消し去ろうとしても、頑固な汚れのごとく離れてはくれない。
それはまるで、千優の視界に溶け込んでいるように思えた。
力いっぱい目を瞑っても、恐る恐る瞳を開けても変わらぬ幻が、すぐ目の前に存在し続ける。
「……っ」
部屋の片隅で膝を抱えたまま、潤む瞳からポタポタと零れ落ちるモノを気にせず、彼女は嗚咽する。
そのすぐそばには、唖然とした表情でこちらを見下ろす長髪の男がたたずむ。
しかし、その姿はただの幻影。男の指先が、俯く千優の涙を拭うことはない。
時間が経つにつれ、千優の脳内はこれまでと違う混乱状態に陥り始めた。
自分は今何に悩み、何を考えているのかすら、彼女はわからなくなっているのだ。
たった一つわかるのは、真っ黒な棘だらけの巨大な球体が、心の中を巣くう感覚だけ。
(國枝、さん)
暗闇の中、千優は男の幻を見続ける。
困惑に揺れ動く彼の瞳に映る何かを知るのが怖い。
そう思っているのに、どうして自分は、彼から視線を外せないのかと、更なる困惑が彼女を待ち構えていた。
「千優」
突如、シンと静まり返る室内に誰かの声が響く。
続けて、今まで暗闇しかなかった視界に、眩い光が差し込んできた。
予想もしなかった出来事の連続に驚くあまり、千優は両肩をビクつかせる。
「っ! ……ぁ……か……の」
そのまま恐る恐る後方をふり向けば、しばし闇しか映さなかった視界に見知った人影が映り込む。
それは、照明のもとで、心配そうにこちらを見下ろす茅乃の姿だった。
友人の姿を目にした瞬間、千優はどこか安堵する自分に気づく。
目の前にいる人物の名前を呼ぶため、彼女はわずかに息を吐きながら口を開こうとした。
心の奥底から湧き上がるいくつもの感情を、友人に訴えたい。
昂る気持ちとは真逆に、震える口元から零れたものは、言葉にもならないか弱い声。
何度も浅い呼吸をくり返し、肩を震わせてしゃくり上げる。
自分は茅乃へ何を伝えたいのか、何を伝えれば良いのかと、一生懸命考えるが、頭の中は細切れになるばかりで上手く働かない。
次々と巻き起こる未知の経験に、感情と思考のブレーキは壊れたようで、血液と一緒に体内を巡る情報が、爆発寸前まで膨張していく。
「ぷはっ!」
傍から見れば、きっと今の自分は酷い顔をしているのかもしれない。
混乱してばかりな脳内の片隅を、妙に落ち着いた思考が通り過ぎた時、我慢できず吹きだすような笑い声が耳に届いた。
「ほら、とりあえず鼻かんで。大丈夫だから、落ち着きなさい」
突然笑われたことに驚き、気づかないうちに下げていた目線をあげ、大きく目を見開く。
すると、どこか大人びた友人の姿が瞳に映り込んだ。
優しい手が震える背中をさすってくれたかと思えば、普段のハイテンションな姿とは似ても似つかぬ落ち着いた声が、耳元で聞こえる。
ふわりと全身を包むようなあたたかさに、千優は無意識に瞳を震わせ、また一筋の涙によってその頬を濡らした。
その後、茅乃は騒ぎ立てるわけでもなく、泣いていた理由を追及するわけでもなく、手持ちのハンカチが汚れるのも気にせず涙を拭いてくれた。
ゴミ箱をすぐそばに準備し、箱ティッシュを膝に乗せ、そばに居続けてくれた。
そんな小さな優しさを見せられただけで、千優の涙腺は崩壊する一方。
ストッパーの外れた感情は、些細なことでプラスにもマイナスにも変化していった。
それからの千優は、時間をかけ、少しずつではあるが、落ち着きを取り戻していく。
しかし、それは決して楽なものではない。
途中、現状に対する申し訳なさに落ち込み、再び感情が揺らいでしまうことが何度もあった。
『私達は迷惑なんて思ってないから。余計なこと考える暇あるなら、もう少し楽しい内容を考えなさい』
その度に、呆れを含む言葉と一緒に、グリグリと友人に頭を撫でられる。
それは、どこか國枝と似ているようで似ていない。しかし、手のひらから伝わる熱は、少し似ているような気がした。
感情の波も大分落ち着いてきた頃、何故か千優は茅乃に手を引かれトイレへ連れていかれた。
「……?」
「いい? 私が来るまで、出て来ちゃ駄目だからね」
「……う、うん?」
そう言って彼女は、手にしていた自分のスマートフォンへ視線を落とす。
これまで時折、茅乃は何かを確認するようにそれを見ていた気がするが、それ以上の意識を向ける余裕など、今の千優には無い。
別にトイレに立つタイミングでは無かったが、友人の有無を言わさぬ謎の迫力に負け、気づいた時にはしっかりと頷いている自分が居た。
隔離されてから十数分後、ようやく茅乃が迎えに訪れた。
一体彼女は何をしているのだろうと、トイレの中で必死に考えてみたが、結局答えらしきものは見つからないまま。
広々とした場所に出て両腕を伸ばしながら、千優は「一体何をしてたのさ?」と首を傾げる。
だが友人は、終始笑みを浮かべるだけで何も答えてくれない。
「いいから、いいから。こっち来て!」
そう言いながら千優の手を取る茅乃。
自分の疑問が一切解決されていない状況に、無意識のうちに怪訝な表情が浮かぶ。
そのまま腕を引かれ連れて来られたのは、今しがた自分達が居た部屋。
「……? えっ! な、に……これ……」
ただ単に同じ場所へ戻ってきただけではないかと首を傾げる千優だったが、室内に広がる光景を目にした瞬間、彼女の瞳に残っていた疑問の影が消え去った。
部屋の中央に鎮座する木製のテーブル。
そこには、先程まで小さめのポットと少量のお茶菓子が乗っているだけだった。
しかし、今は違う。テーブルから溢れんばかりに、豪華で手の込んだ料理の数々が並んでいるのだ。
それらはまるで、皆で舌鼓を打った夕食を彷彿とさせる。
「茅乃、これって……」
「旅館の人に言って、運んでもらったの。あっちもこの状況だろうし……二人でゆっくり食べよう」
そう言って、彼女は現状に文句ひとつ言わず微笑んでくれる。
先程の一件のせいで、どうやら茅乃、そして後藤に相当気を遣わせてしまったことを、千優は瞬時に理解する。
あちらも同じ状況、ということは、それらの手配とまとめ役をするのは、あの三人の中で後藤以外考えられない。
大人な二人のする柔和な気遣いに、千優はただ感謝するしかなかった。
「茅乃……今度、イベントとかで、手伝えること……ある?」
「えっ? いいの!?」
少しばかり気恥ずかしくなり、千優はポリポリと頬をかきながら、隣にたたずむ友人へ声をかけた。
すると、テーブルに並んだ料理を眺めていた一対の瞳が、間髪入れずに自分へ向けられる。
今後の休日予定を思い出しても、特にこれと言った予定は無い。
それなら、しばらくオタクの友人に付き合うのもアリかもしれない。
キラキラと輝く視線に、うんうんと頷きながら千優は心穏やかに小さく笑った。
逃げるように女部屋へ戻ってきた千優は、灯りもつけず薄暗い室内で苦悩するばかりだ。
羞恥心、驚き、戸惑い。頭の中では、いくつもの感情が忙しなく、そして複雑に絡みあう一方。
ふとした瞬間、冷静になれと心の片隅で誰かが主張する声が聞こえる。
しかし、それを千優の心が受け入れるのはほんの数秒だけ。荒れ狂うマイナス思考の大波によって、小さな感情はあっさりと飲み込まれていった。
「嫌、だ……ど……してっ」
口から零れ落ちる声は、普段の彼女からは想像出来ない程弱々しい。
いつもの気丈で正義感溢れる姿とは真逆の、酷く怯え震えてばかりな女がそこに居る。
先程目にした光景が、しっかりと脳裏に焼きついてしまった。
何度も頭をふり、消し去ろうとしても、頑固な汚れのごとく離れてはくれない。
それはまるで、千優の視界に溶け込んでいるように思えた。
力いっぱい目を瞑っても、恐る恐る瞳を開けても変わらぬ幻が、すぐ目の前に存在し続ける。
「……っ」
部屋の片隅で膝を抱えたまま、潤む瞳からポタポタと零れ落ちるモノを気にせず、彼女は嗚咽する。
そのすぐそばには、唖然とした表情でこちらを見下ろす長髪の男がたたずむ。
しかし、その姿はただの幻影。男の指先が、俯く千優の涙を拭うことはない。
時間が経つにつれ、千優の脳内はこれまでと違う混乱状態に陥り始めた。
自分は今何に悩み、何を考えているのかすら、彼女はわからなくなっているのだ。
たった一つわかるのは、真っ黒な棘だらけの巨大な球体が、心の中を巣くう感覚だけ。
(國枝、さん)
暗闇の中、千優は男の幻を見続ける。
困惑に揺れ動く彼の瞳に映る何かを知るのが怖い。
そう思っているのに、どうして自分は、彼から視線を外せないのかと、更なる困惑が彼女を待ち構えていた。
「千優」
突如、シンと静まり返る室内に誰かの声が響く。
続けて、今まで暗闇しかなかった視界に、眩い光が差し込んできた。
予想もしなかった出来事の連続に驚くあまり、千優は両肩をビクつかせる。
「っ! ……ぁ……か……の」
そのまま恐る恐る後方をふり向けば、しばし闇しか映さなかった視界に見知った人影が映り込む。
それは、照明のもとで、心配そうにこちらを見下ろす茅乃の姿だった。
友人の姿を目にした瞬間、千優はどこか安堵する自分に気づく。
目の前にいる人物の名前を呼ぶため、彼女はわずかに息を吐きながら口を開こうとした。
心の奥底から湧き上がるいくつもの感情を、友人に訴えたい。
昂る気持ちとは真逆に、震える口元から零れたものは、言葉にもならないか弱い声。
何度も浅い呼吸をくり返し、肩を震わせてしゃくり上げる。
自分は茅乃へ何を伝えたいのか、何を伝えれば良いのかと、一生懸命考えるが、頭の中は細切れになるばかりで上手く働かない。
次々と巻き起こる未知の経験に、感情と思考のブレーキは壊れたようで、血液と一緒に体内を巡る情報が、爆発寸前まで膨張していく。
「ぷはっ!」
傍から見れば、きっと今の自分は酷い顔をしているのかもしれない。
混乱してばかりな脳内の片隅を、妙に落ち着いた思考が通り過ぎた時、我慢できず吹きだすような笑い声が耳に届いた。
「ほら、とりあえず鼻かんで。大丈夫だから、落ち着きなさい」
突然笑われたことに驚き、気づかないうちに下げていた目線をあげ、大きく目を見開く。
すると、どこか大人びた友人の姿が瞳に映り込んだ。
優しい手が震える背中をさすってくれたかと思えば、普段のハイテンションな姿とは似ても似つかぬ落ち着いた声が、耳元で聞こえる。
ふわりと全身を包むようなあたたかさに、千優は無意識に瞳を震わせ、また一筋の涙によってその頬を濡らした。
その後、茅乃は騒ぎ立てるわけでもなく、泣いていた理由を追及するわけでもなく、手持ちのハンカチが汚れるのも気にせず涙を拭いてくれた。
ゴミ箱をすぐそばに準備し、箱ティッシュを膝に乗せ、そばに居続けてくれた。
そんな小さな優しさを見せられただけで、千優の涙腺は崩壊する一方。
ストッパーの外れた感情は、些細なことでプラスにもマイナスにも変化していった。
それからの千優は、時間をかけ、少しずつではあるが、落ち着きを取り戻していく。
しかし、それは決して楽なものではない。
途中、現状に対する申し訳なさに落ち込み、再び感情が揺らいでしまうことが何度もあった。
『私達は迷惑なんて思ってないから。余計なこと考える暇あるなら、もう少し楽しい内容を考えなさい』
その度に、呆れを含む言葉と一緒に、グリグリと友人に頭を撫でられる。
それは、どこか國枝と似ているようで似ていない。しかし、手のひらから伝わる熱は、少し似ているような気がした。
感情の波も大分落ち着いてきた頃、何故か千優は茅乃に手を引かれトイレへ連れていかれた。
「……?」
「いい? 私が来るまで、出て来ちゃ駄目だからね」
「……う、うん?」
そう言って彼女は、手にしていた自分のスマートフォンへ視線を落とす。
これまで時折、茅乃は何かを確認するようにそれを見ていた気がするが、それ以上の意識を向ける余裕など、今の千優には無い。
別にトイレに立つタイミングでは無かったが、友人の有無を言わさぬ謎の迫力に負け、気づいた時にはしっかりと頷いている自分が居た。
隔離されてから十数分後、ようやく茅乃が迎えに訪れた。
一体彼女は何をしているのだろうと、トイレの中で必死に考えてみたが、結局答えらしきものは見つからないまま。
広々とした場所に出て両腕を伸ばしながら、千優は「一体何をしてたのさ?」と首を傾げる。
だが友人は、終始笑みを浮かべるだけで何も答えてくれない。
「いいから、いいから。こっち来て!」
そう言いながら千優の手を取る茅乃。
自分の疑問が一切解決されていない状況に、無意識のうちに怪訝な表情が浮かぶ。
そのまま腕を引かれ連れて来られたのは、今しがた自分達が居た部屋。
「……? えっ! な、に……これ……」
ただ単に同じ場所へ戻ってきただけではないかと首を傾げる千優だったが、室内に広がる光景を目にした瞬間、彼女の瞳に残っていた疑問の影が消え去った。
部屋の中央に鎮座する木製のテーブル。
そこには、先程まで小さめのポットと少量のお茶菓子が乗っているだけだった。
しかし、今は違う。テーブルから溢れんばかりに、豪華で手の込んだ料理の数々が並んでいるのだ。
それらはまるで、皆で舌鼓を打った夕食を彷彿とさせる。
「茅乃、これって……」
「旅館の人に言って、運んでもらったの。あっちもこの状況だろうし……二人でゆっくり食べよう」
そう言って、彼女は現状に文句ひとつ言わず微笑んでくれる。
先程の一件のせいで、どうやら茅乃、そして後藤に相当気を遣わせてしまったことを、千優は瞬時に理解する。
あちらも同じ状況、ということは、それらの手配とまとめ役をするのは、あの三人の中で後藤以外考えられない。
大人な二人のする柔和な気遣いに、千優はただ感謝するしかなかった。
「茅乃……今度、イベントとかで、手伝えること……ある?」
「えっ? いいの!?」
少しばかり気恥ずかしくなり、千優はポリポリと頬をかきながら、隣にたたずむ友人へ声をかけた。
すると、テーブルに並んだ料理を眺めていた一対の瞳が、間髪入れずに自分へ向けられる。
今後の休日予定を思い出しても、特にこれと言った予定は無い。
それなら、しばらくオタクの友人に付き合うのもアリかもしれない。
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