847 / 848
熊野大社へ 編
熊野大社へ向けて出発
翌朝も朝から露天風呂に入り、綺麗な青い海を写真に収める。
本当はすっぽんぽんで海を背景に尊さんと記念撮影したかったけど、痴女と思われるのが嫌なので黙っておいた。
だってね……、なんかね。裏垢の人が撮りそうな写真だし。
ピースで目元を隠したりしてね……。
だから、服を着た状態で最後にもう一回記念撮影をして、チェックアウトした。
「おはようございます!」
私はロビーで百合さんたちに挨拶する。
「いやー、お陰様で昨日はのんびりしちゃったわ~。ご飯美味しかったわよね」
「はい!」
小牧さんに言われ、私は頷く。
「大地さん、素敵なお宿のセレクト、ありがとうございます!」
お礼を言うと、彼は照れ笑いする。
「大浴場のある宿はまた別の場所でと思って、初日は移動日だからゆっくり過ごせる所にしたんだ。気に入ってもらえて良かったよ」
「車も格好良かったな」
尊さんがニヤッと笑って言うと、大地さんはさらに照れ笑いする。
可愛い人だ。
「さぁ、今日は忙しいから、ちゃっちゃと動いてしまいましょうか」
ちえりさんに言われ、私たちはあらかじめ呼んであったハイヤーに乗る。
今日はこれから一時間半ちょいかけて、熊野那智大社や那智の滝を観光する。
そのあとランチを食べて、さらに二時間近く車で移動し、伊勢神宮にお参りだ。
お宿は伊勢神宮から三十分ぐらいの所にある、英虞湾に面した高級な場所らしい。
全国に高級レストランやリゾートホテルを展開するひらまるグループのお宿らしく、尊さんも株主なのだとか。
私も東京にあるレストランに連れて行ってもらった事があったけれど、味付けが優しくてとても好みだった。
ハイヤーの運転手さんとは丸一日のお付き合いになる。
「宜しくお願いします」
私たちは挨拶をし、ハイエースに乗っていく。
昨晩はそれぞれの部屋に分かれての宿泊だったし、せっかくなら移動中にみんなでお話できたらいいね、という事で、最高十人乗りのハイエースを頼んだのだ。
前の席の裏にはドリンクホルダーや物入れのネットもあるし、気分は修学旅行だ。
席は二人掛けのシートが三列に、二列目、三列目の横に通路を空けて一人掛けがある。
席順に悩んだけれど、百合さんと将馬さん、私と尊さん、小牧さんと弥生さんペアになり、大地さんは通路を挟んで尊さんの隣、ちえりさんは娘さんたちの隣だ。
「わー、楽しい!」
車が発進し、私はワクワクして窓の外の景色を見る。
「ん、そうだな」
返事をした尊さんはいつも通りのように思えるけれど、ときおりチラッと前の席に座っている百合さんと将馬さんを気にしている。
(はやるでない、ミコよ。いずれじっくりと話せるチャンスがあるから……)
私は心の中で彼に語りかけ、ニヤニヤと笑う。
「そういえば昨晩、大地はどこに泊まったんだ? 小牧ちゃんたちと同室?」
尊さんが大地さんに尋ねると、後ろからブーイングがあった。
「やだぁ~。いくら兄妹でも、うら若き乙女が男と同室なんてあり得ない!」
それを聞き、彼は遠い目で答える。
「俺は……、母さんと同室だったよ……」
「あらやだ、失礼ね大地。この美魔女が同室なのにそんな反応……」
ちえりさんが言い、彼はガックリと項垂れる。
「どんな反応すればいいんだよ……」
みんなで笑ったあと、尊さんはさらに尋ねる。
「婚約者がいるって?」
「ああ、うん。音楽関係じゃなくて、呉服屋関係で知り合った、和服が似合うしっとりとした美人だよ」
「ヒュ~!」
後ろから二人がはやし立てる。
「尊と朱里さんと、大地と、どっちが先に結婚するかしらね」
百合さんが言い、私と尊さんは顔を見合わせる。
「ど……、どっちでしょう」
照れ笑いをすると、車内がほっこりとした空気に包まれる。
本当はすっぽんぽんで海を背景に尊さんと記念撮影したかったけど、痴女と思われるのが嫌なので黙っておいた。
だってね……、なんかね。裏垢の人が撮りそうな写真だし。
ピースで目元を隠したりしてね……。
だから、服を着た状態で最後にもう一回記念撮影をして、チェックアウトした。
「おはようございます!」
私はロビーで百合さんたちに挨拶する。
「いやー、お陰様で昨日はのんびりしちゃったわ~。ご飯美味しかったわよね」
「はい!」
小牧さんに言われ、私は頷く。
「大地さん、素敵なお宿のセレクト、ありがとうございます!」
お礼を言うと、彼は照れ笑いする。
「大浴場のある宿はまた別の場所でと思って、初日は移動日だからゆっくり過ごせる所にしたんだ。気に入ってもらえて良かったよ」
「車も格好良かったな」
尊さんがニヤッと笑って言うと、大地さんはさらに照れ笑いする。
可愛い人だ。
「さぁ、今日は忙しいから、ちゃっちゃと動いてしまいましょうか」
ちえりさんに言われ、私たちはあらかじめ呼んであったハイヤーに乗る。
今日はこれから一時間半ちょいかけて、熊野那智大社や那智の滝を観光する。
そのあとランチを食べて、さらに二時間近く車で移動し、伊勢神宮にお参りだ。
お宿は伊勢神宮から三十分ぐらいの所にある、英虞湾に面した高級な場所らしい。
全国に高級レストランやリゾートホテルを展開するひらまるグループのお宿らしく、尊さんも株主なのだとか。
私も東京にあるレストランに連れて行ってもらった事があったけれど、味付けが優しくてとても好みだった。
ハイヤーの運転手さんとは丸一日のお付き合いになる。
「宜しくお願いします」
私たちは挨拶をし、ハイエースに乗っていく。
昨晩はそれぞれの部屋に分かれての宿泊だったし、せっかくなら移動中にみんなでお話できたらいいね、という事で、最高十人乗りのハイエースを頼んだのだ。
前の席の裏にはドリンクホルダーや物入れのネットもあるし、気分は修学旅行だ。
席は二人掛けのシートが三列に、二列目、三列目の横に通路を空けて一人掛けがある。
席順に悩んだけれど、百合さんと将馬さん、私と尊さん、小牧さんと弥生さんペアになり、大地さんは通路を挟んで尊さんの隣、ちえりさんは娘さんたちの隣だ。
「わー、楽しい!」
車が発進し、私はワクワクして窓の外の景色を見る。
「ん、そうだな」
返事をした尊さんはいつも通りのように思えるけれど、ときおりチラッと前の席に座っている百合さんと将馬さんを気にしている。
(はやるでない、ミコよ。いずれじっくりと話せるチャンスがあるから……)
私は心の中で彼に語りかけ、ニヤニヤと笑う。
「そういえば昨晩、大地はどこに泊まったんだ? 小牧ちゃんたちと同室?」
尊さんが大地さんに尋ねると、後ろからブーイングがあった。
「やだぁ~。いくら兄妹でも、うら若き乙女が男と同室なんてあり得ない!」
それを聞き、彼は遠い目で答える。
「俺は……、母さんと同室だったよ……」
「あらやだ、失礼ね大地。この美魔女が同室なのにそんな反応……」
ちえりさんが言い、彼はガックリと項垂れる。
「どんな反応すればいいんだよ……」
みんなで笑ったあと、尊さんはさらに尋ねる。
「婚約者がいるって?」
「ああ、うん。音楽関係じゃなくて、呉服屋関係で知り合った、和服が似合うしっとりとした美人だよ」
「ヒュ~!」
後ろから二人がはやし立てる。
「尊と朱里さんと、大地と、どっちが先に結婚するかしらね」
百合さんが言い、私と尊さんは顔を見合わせる。
「ど……、どっちでしょう」
照れ笑いをすると、車内がほっこりとした空気に包まれる。
あなたにおすすめの小説
(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・
青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。
「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」
私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・
異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
「親友の兄と結婚したら、親友に夫を取られました。離婚します」
柴田はつみ
恋愛
誰も、悪くない。
だから三年間、笑っていた。
親友の兄と結婚したエルミラ。
でも夫が振り向くのは、いつも親友が夫を呼ぶときだけ
「離婚しましょう、シオン様」
「絶対に、ダメです」
逃げようとするたびに、距離が縮まる。
知るほどに、好きになってしまう。
この男を捨てるには、もう少しだけ時間が必要みたいです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)
久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。
しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。
「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」
――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。
なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……?
溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。
王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ!
✽全28話完結
✽辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。
✽他誌にも掲載中です。
✽2026.4/11 エブリスタ用に使用している表紙に変更しました。
→表紙はイラストをGrok タイトルをChatGPTでAI生成しています。
【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪
山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。
「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」
そうですか…。
私は離婚届にサインをする。
私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。
使用人が出掛けるのを確認してから
「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載