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仕事始め 編
何て言ってほしい?
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一日の間に色んな事があり、尊さんと二人になったあともさらに沢山の事実を知った。
これから解決していく事、乗り越えなければならない事を考えると気が遠くなる。
「あんまり複雑に捉えるな。できる事から着手していくしかないんだよ。まずは手離れの早いものから……だな」
「さすが部長」
ニヤッと笑って尊さんを肘でつつくと、彼は眉を上げて笑う。
「火曜からまた、部長と部下だな」
「はい」
言われて、私はオフィスで尊さんといつも通り過ごせるのか想像してみた。
今までも尊さんばかり見ないように気をつけていたし、大丈夫とは思いたい。
……だって恋愛アンテナビンビンの先輩が、めっちゃレーダー放ってるし……。
それを思うと、いつか尊さんとの関係がバレた時の事が面倒に思えた。
「結婚するってなったら、私、会社を辞めたほうがいいんでしょうか」
呟くと、尊さんは「ん?」と私を見る。
「結婚したぐらいで辞める必要はないって事は分かってます。職場結婚は珍しくないし、同じ部署に夫婦がいてもうまくやれてる人たちはいる。でも尊さんは女性に人気があって、これから御曹司だってバレる訳でしょう? 絶対面倒な事になるじゃないですか」
私はコーヒーカップをテーブルに置き、コロンと横になると尊さんの太腿に頭をのせる。
「事情を知る人がいたら『運命だね』って言ってくれるかもしれません。でも現時点で私たちの事を知ってる人は篠宮家以外には恵ぐらいしかいません。第三者から見れば、〝実は御曹司のイケメン部長をGETしたいけすかない女〟です」
「確かに、そういう面倒な感情を持つやつはいるな」
同意したあと、尊さんは少し考える。
「どうしても嫌なら、俺が上に異動を希望するよ。親父や兄貴も事情を分かってるから、それぐらいは融通きかせてくれるだろ」
「どっ、どうして尊さんが異動なんです? この場合、私でしょう」
「中村さんと離れていいワケ?」
言われて、恵の姿が頭に浮かぶ。
「……一緒じゃなきゃ嫌なんて、子供じゃないんですから。社会人ならいつか異動するものでしょうし、その時は受け入れますよ」
尊さんはしばらく黙ったあと、尋ねてきた。
「たとえば専業主婦とか、俺と一緒に海外行くとか、別の道は考えられる?」
それは考えていなかったので、私は目を瞬かせて固まってしまった。
「……嫌とかじゃなくて……、予想もしていなかったので、今すぐには答えられません」
「ん、そっか。だよな。なら今は答えを求めない。ただ、色んな可能性の一つとして考えておいてくれ」
「分かりました」
返事をしたあと、私は尊さんの膝の上でゴロゴロし、喉元まで出ている質問をしようか悩む。
彼のお腹に顔を埋めて腰にしがみついてると、「猫みてーだな」と笑われてクシャクシャと頭を撫でられた。
――好きだなぁ。
――離したくない。
そう思うからこそ、隠し事なしに付き合っていきたいと思った。
「……ねぇ、尊さん。面倒な事を聞いてもいいですか?」
「ん? 何でもどうぞ」
尋ねると、尊さんは私の頭を優しく撫でてくれる。
了解を得たあと、私は少し迷ってから言った。
「……宮本さんって人とエッチしましたか?」
それを聞き、尊さんはしばらく黙っていた。
やがて溜め息をつき、私の頭を撫でて答える。
「嘘ついても仕方ねぇから言うけど、した」
「どれぐらい? 私よりした?」
答えない尊さんは、具体的に言えば私を傷つけると思っているのだろうか。
その配慮がありがたいようで、悲しかった。
「……宮本さん、フェラしました?」
そう尋ねると、とうとう尊さんは大きな溜め息をつき、私を抱き起こして膝の上に向かい合わせに座らせた。
「何て言ってほしい?」
言われて、とても悲しく、恥ずかしくなって尊さんに抱きついた。
「……ごめんなさい。……私、やっぱり面倒な女だ」
――嫌われるかもしれない。
今になって、宮本さんの話をした事を物凄く後悔した。
落ち込んで俯く私に、尊さんは額や頬にキスをしてくる。
「今は誰よりも朱里が大事だ。今後、一生他の女は見ない。……これじゃ駄目か?」
困ったように微笑む尊さんの顔を見て、こう思ってしまった。
(我が儘な子供のお守りをさせてるみたい。……私は彼女なのに)
これから解決していく事、乗り越えなければならない事を考えると気が遠くなる。
「あんまり複雑に捉えるな。できる事から着手していくしかないんだよ。まずは手離れの早いものから……だな」
「さすが部長」
ニヤッと笑って尊さんを肘でつつくと、彼は眉を上げて笑う。
「火曜からまた、部長と部下だな」
「はい」
言われて、私はオフィスで尊さんといつも通り過ごせるのか想像してみた。
今までも尊さんばかり見ないように気をつけていたし、大丈夫とは思いたい。
……だって恋愛アンテナビンビンの先輩が、めっちゃレーダー放ってるし……。
それを思うと、いつか尊さんとの関係がバレた時の事が面倒に思えた。
「結婚するってなったら、私、会社を辞めたほうがいいんでしょうか」
呟くと、尊さんは「ん?」と私を見る。
「結婚したぐらいで辞める必要はないって事は分かってます。職場結婚は珍しくないし、同じ部署に夫婦がいてもうまくやれてる人たちはいる。でも尊さんは女性に人気があって、これから御曹司だってバレる訳でしょう? 絶対面倒な事になるじゃないですか」
私はコーヒーカップをテーブルに置き、コロンと横になると尊さんの太腿に頭をのせる。
「事情を知る人がいたら『運命だね』って言ってくれるかもしれません。でも現時点で私たちの事を知ってる人は篠宮家以外には恵ぐらいしかいません。第三者から見れば、〝実は御曹司のイケメン部長をGETしたいけすかない女〟です」
「確かに、そういう面倒な感情を持つやつはいるな」
同意したあと、尊さんは少し考える。
「どうしても嫌なら、俺が上に異動を希望するよ。親父や兄貴も事情を分かってるから、それぐらいは融通きかせてくれるだろ」
「どっ、どうして尊さんが異動なんです? この場合、私でしょう」
「中村さんと離れていいワケ?」
言われて、恵の姿が頭に浮かぶ。
「……一緒じゃなきゃ嫌なんて、子供じゃないんですから。社会人ならいつか異動するものでしょうし、その時は受け入れますよ」
尊さんはしばらく黙ったあと、尋ねてきた。
「たとえば専業主婦とか、俺と一緒に海外行くとか、別の道は考えられる?」
それは考えていなかったので、私は目を瞬かせて固まってしまった。
「……嫌とかじゃなくて……、予想もしていなかったので、今すぐには答えられません」
「ん、そっか。だよな。なら今は答えを求めない。ただ、色んな可能性の一つとして考えておいてくれ」
「分かりました」
返事をしたあと、私は尊さんの膝の上でゴロゴロし、喉元まで出ている質問をしようか悩む。
彼のお腹に顔を埋めて腰にしがみついてると、「猫みてーだな」と笑われてクシャクシャと頭を撫でられた。
――好きだなぁ。
――離したくない。
そう思うからこそ、隠し事なしに付き合っていきたいと思った。
「……ねぇ、尊さん。面倒な事を聞いてもいいですか?」
「ん? 何でもどうぞ」
尋ねると、尊さんは私の頭を優しく撫でてくれる。
了解を得たあと、私は少し迷ってから言った。
「……宮本さんって人とエッチしましたか?」
それを聞き、尊さんはしばらく黙っていた。
やがて溜め息をつき、私の頭を撫でて答える。
「嘘ついても仕方ねぇから言うけど、した」
「どれぐらい? 私よりした?」
答えない尊さんは、具体的に言えば私を傷つけると思っているのだろうか。
その配慮がありがたいようで、悲しかった。
「……宮本さん、フェラしました?」
そう尋ねると、とうとう尊さんは大きな溜め息をつき、私を抱き起こして膝の上に向かい合わせに座らせた。
「何て言ってほしい?」
言われて、とても悲しく、恥ずかしくなって尊さんに抱きついた。
「……ごめんなさい。……私、やっぱり面倒な女だ」
――嫌われるかもしれない。
今になって、宮本さんの話をした事を物凄く後悔した。
落ち込んで俯く私に、尊さんは額や頬にキスをしてくる。
「今は誰よりも朱里が大事だ。今後、一生他の女は見ない。……これじゃ駄目か?」
困ったように微笑む尊さんの顔を見て、こう思ってしまった。
(我が儘な子供のお守りをさせてるみたい。……私は彼女なのに)
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