【R-18・連載版】部長と私の秘め事

臣桜

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元彼に会う前に 編

姫と悪役

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「ん……っ、む、ぅ……」

 彼は噛み付くようなキスをし、私の脚を広げると脛の辺りから手を滑らせ、スカートを捲り上げてきた。

 ストッキングの感触を楽しむように掌を擦らせ、ストッキングのウエストゴムに指を引っかけると、クルクルと丸めながら脱がせてくる。

(……ま、待って? 始まっちゃう?)

 シャワーとか、今何時とか、色んな事を考えないといけないはずなのに、柔らかな舌の感触を味わい、チュッチュッと唇をついばまれていると、次第に頭がボーッとしてくる。

 すぐにストッキングが脱がされ、尊さんは私の太腿をスベスベと撫でた。

「……やべぇ。すげぇ興奮してる」

 少し唇を離した尊さんは、そう言って私の手を握ると、自身の股間に導いた。

「ぁ……」

 スラックス越しにも、そこがすでに芯を持っているのが分かり、私はサッと赤面する。

「抱きたい」

 尊さんは私を見つめて、これ以上ないストレートな言葉を口にする。

「……押し倒してストッキング脱がせて、キスしておきながら言う言葉ですか?」

「じゃあ、いい?」

 彼は私の手をとり、上目遣いに見つめながらチュッと手の甲にキスをしてきた。

(~~~~っ、こういう事、サラッとやるもんなぁ!)

「……どうしてもというなら、シャワー後に応じます」

「じゃあ、一緒に入りませんか?」

 尊さんは私の手を握ったまま、再度手の甲に唇を近づける。

「は……、入って差し上げても宜しくってよ!」

 まるでお姫様みたいに扱うもんだから、照れくさくてつい、なんちゃって姫様になってしまった。

「では、姫。参りましょう」

 私の姫ネタにノッた尊さんは、ニヤッと笑ったかと思うと私を姫抱っこして立ちあがった。

「ちょ……っ、今の悪い顔、絶対お付きの騎士とかじゃない。悪役のほうだ」

「姫をさらう悪役でもいいんじゃないか?」

「当て馬?」

「そのまま、姫が調教されて快楽堕ちするパターンもあるだろ」

「どこのエロ漫画!」

 バシッと彼の胸板を叩いた時、ストンと洗面所に下ろされた。

「『月刊速水』じゃ駄目?」

 彼はふざけたまま、両手を洗面台について私を腕の中に閉じ込めてくる。

「……やらしくない雑誌名だから却下」

「『尊先生の教えてあ・げ・る』」

「ぶふぉおっ!」

 私は噴きだしてその場に崩れ落ち、肩を震わせて爆笑する。

「いやー……」

 しゃがんだまま尊さんを見上げ、彼が眼鏡を掛けて教鞭をとっている姿を想像する。

「……アリかも……」

 ボソッと呟いた私を見て、尊さんはクスクス笑う。

「どんな想像してるんだよ。スケベ」

「なにを~! 尊さんなんてドスケベのくせに!」

「ほう……」

 スケベと言われて恥ずかしく、言い返しただけなんだけど、ドスケベと言われて尊さんはニヤリと笑った。

 う……っ、これは今までになく悪い笑みだ。

「俺はドスケベだから、明日元彼に会う朱里を、前日にグチャグチャに抱くつもりでいるからな」

 言われて、明日昭人と会うのだと思いだし、ちょっとだけ気持ちが沈んでしまう。

 すると私の表情を見て、尊さんはしゃがんで目を合わせて微笑んできた。

「気持ちは分かる。でも側にいるから一緒に乗り越えよう。ちゃんと解決して、前に進むんだ」

「……はい!」

 側に好きな人がいると思うだけで、こんなにも勇気が湧いてくる。

(好きだなぁ……)

 しみじみと思った私は、尊さんに抱きつきしばらくそのぬくもりを堪能した。

 ……と、尊さんがポンと私のお尻を叩いてきた。

「さて、猫洗いするか」

 目の前で彼が悪戯っぽく笑ったので、私は赤面してジロリと睨みつつ、「にゃあ……」と鳴いてみせた。
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