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体調不良 編
ミコトゥー
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目を閉じてつらさをやり過ごしている間、尊さんは洗面所に向かい歯磨きをして出かける支度を調える。
そして「朱里」と私の顔を覗き込み、髪を撫でてからグイッとお姫様抱っこしてきた。
ボーッとしている私は彼に抱きつき、「しゅき……」と呟く。
「ん、俺も好きだよ」
体調がガタガタになって弱っていた心に、優しい言葉が染みてポロッと涙が零れてしまう。
尊さんは私をベッドに寝かせたあと、「眠くないかもしれないけど、横になってろ」と頭を撫でてきた。
ふぅ、ふぅと息をする私を見て、尊さんはつらそうに目を細めていたけれど、腕時計を確認して立ちあがる。
――行っちゃう。
寂しさと心細さを感じた私は、つい涙ぐんで彼のスラックスを掴んでしまった。
「……行かないで」
呟くと、尊さんは溜め息をついてまたしゃがむ。
そして困った顔で微笑み、私の手にキスをした。
「本当に行きたくなくなるな。……なるべく早く帰ってくるから、いい子で待っていてくれ」
そう言って彼は私の額にキスをし、サラリと髪を撫でてから静かに部屋を出ていった。
(あーあ……)
心の中で溜め息をつき、少し零れてしまった涙を拭った時――。
「身代わり」
尊さんが戻ってきたかと思うと、枕にTシャツを着せた物を布団の中に入れてきた。
「ん?」
しかも枕には透明な布テープで紙が貼られてあり、その紙には尊さんの自画像らしき、らくがきが描かれてあった。
「んふふ……っ。なにこれ、可愛い」
「俺がいない間、分身と仲良くしてくれ」
「……尊2……ミコトゥー」
「ミコトゥーにあまり過激な事をしないように」
尊さんは私の頭を撫で、熱を確かめるために首筋に触れてから耳を摘まんだ。
「何か食いたいもんあるか? アイスとかヨーグルトとかプリンとか」
「……尊さん」
ポソッと冗談を言うと、彼は苦笑いする。
「そいつは体力がある時じゃないと完食できないから、軽い奴で頼む」
「えっちっち」
「俺はドスケベだよ」
ニヤリと笑って答えてから、尊さんはまた私の頭を撫でてきた。
「……じゃあ、帰り朱里の好きそうな冷たいもん、適当に買ってくるよ。もしリクエストあったら、メッセージ入れてくれ」
「はい」
彼はまだ熱で赤い私の顔を見て、心配そうに溜め息をつく。
「早く良くなりますように」
祈るように呟いてから、尊さんはまた私の額にキスをし、今度こそ出勤していった。
「……ミコトゥー、……宜しくね」
私は尊さんのTシャツを着た枕をギュッと抱き締め、彼が描いたらくがきに話しかける。
ちょっと無愛想っぽい表情をしている所とか、まんま尊さんだ。
「んふふ」
胸の奥がほっこりと温かくなった私は、ミコトゥーのいい匂いを嗅いで目を閉じた。
そのあと目を閉じているといつの間にかウトウトしていたらしく、気がつくとカタン、カタンと小さな音が立つのを耳にして目が覚めた。
(町田さんかな?)
モソリと起き上がると、ミコトゥーをポンポンと撫で、スリッパを履いてリビングダイニングに向かう。
「あら、上村さん、起こしてしまいましたか? すみません」
町田さんは掃除をしていたらしく、片手にハンディモップを持ってテレビ台付近を拭いていたところだった。
足元ではお掃除ロボットのルン太が動いていて、私は彼のために道を空ける。
「基本的に寝てるので、あまり眠たくなくて」
「寒くありませんか? 何か上に羽織る物を着ていたほうが……」
町田さんに言われ、私は「そうですね」と言って一度部屋に戻り、尊さんから借りた紺色のカーディガンを着てリビングに戻った。
戻る頃には町田さんが気を利かせたのか、テレビがついて朝の情報番組が流れていた。
「速水さん、とても心配されていたので、具合が悪いと思ったら無理せず寝てくださいね」
「はい」
ソファに三角座りをした私は、町田さんの働きぶりを眺めつつ尋ねた。
「尊さんとはどれぐらいのお付き合いなんですか?」
そして「朱里」と私の顔を覗き込み、髪を撫でてからグイッとお姫様抱っこしてきた。
ボーッとしている私は彼に抱きつき、「しゅき……」と呟く。
「ん、俺も好きだよ」
体調がガタガタになって弱っていた心に、優しい言葉が染みてポロッと涙が零れてしまう。
尊さんは私をベッドに寝かせたあと、「眠くないかもしれないけど、横になってろ」と頭を撫でてきた。
ふぅ、ふぅと息をする私を見て、尊さんはつらそうに目を細めていたけれど、腕時計を確認して立ちあがる。
――行っちゃう。
寂しさと心細さを感じた私は、つい涙ぐんで彼のスラックスを掴んでしまった。
「……行かないで」
呟くと、尊さんは溜め息をついてまたしゃがむ。
そして困った顔で微笑み、私の手にキスをした。
「本当に行きたくなくなるな。……なるべく早く帰ってくるから、いい子で待っていてくれ」
そう言って彼は私の額にキスをし、サラリと髪を撫でてから静かに部屋を出ていった。
(あーあ……)
心の中で溜め息をつき、少し零れてしまった涙を拭った時――。
「身代わり」
尊さんが戻ってきたかと思うと、枕にTシャツを着せた物を布団の中に入れてきた。
「ん?」
しかも枕には透明な布テープで紙が貼られてあり、その紙には尊さんの自画像らしき、らくがきが描かれてあった。
「んふふ……っ。なにこれ、可愛い」
「俺がいない間、分身と仲良くしてくれ」
「……尊2……ミコトゥー」
「ミコトゥーにあまり過激な事をしないように」
尊さんは私の頭を撫で、熱を確かめるために首筋に触れてから耳を摘まんだ。
「何か食いたいもんあるか? アイスとかヨーグルトとかプリンとか」
「……尊さん」
ポソッと冗談を言うと、彼は苦笑いする。
「そいつは体力がある時じゃないと完食できないから、軽い奴で頼む」
「えっちっち」
「俺はドスケベだよ」
ニヤリと笑って答えてから、尊さんはまた私の頭を撫でてきた。
「……じゃあ、帰り朱里の好きそうな冷たいもん、適当に買ってくるよ。もしリクエストあったら、メッセージ入れてくれ」
「はい」
彼はまだ熱で赤い私の顔を見て、心配そうに溜め息をつく。
「早く良くなりますように」
祈るように呟いてから、尊さんはまた私の額にキスをし、今度こそ出勤していった。
「……ミコトゥー、……宜しくね」
私は尊さんのTシャツを着た枕をギュッと抱き締め、彼が描いたらくがきに話しかける。
ちょっと無愛想っぽい表情をしている所とか、まんま尊さんだ。
「んふふ」
胸の奥がほっこりと温かくなった私は、ミコトゥーのいい匂いを嗅いで目を閉じた。
そのあと目を閉じているといつの間にかウトウトしていたらしく、気がつくとカタン、カタンと小さな音が立つのを耳にして目が覚めた。
(町田さんかな?)
モソリと起き上がると、ミコトゥーをポンポンと撫で、スリッパを履いてリビングダイニングに向かう。
「あら、上村さん、起こしてしまいましたか? すみません」
町田さんは掃除をしていたらしく、片手にハンディモップを持ってテレビ台付近を拭いていたところだった。
足元ではお掃除ロボットのルン太が動いていて、私は彼のために道を空ける。
「基本的に寝てるので、あまり眠たくなくて」
「寒くありませんか? 何か上に羽織る物を着ていたほうが……」
町田さんに言われ、私は「そうですね」と言って一度部屋に戻り、尊さんから借りた紺色のカーディガンを着てリビングに戻った。
戻る頃には町田さんが気を利かせたのか、テレビがついて朝の情報番組が流れていた。
「速水さん、とても心配されていたので、具合が悪いと思ったら無理せず寝てくださいね」
「はい」
ソファに三角座りをした私は、町田さんの働きぶりを眺めつつ尋ねた。
「尊さんとはどれぐらいのお付き合いなんですか?」
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