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北海道旅行 編
にゃんにゃんプロレス
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「あなた、お風呂ですよ」
ふざけて新婚ごっこをすると、尊さんはガバッと顔を上げてまじまじと私を見てきた。
……あ、あれ?
「やべぇ。すげぇキた」
彼は目を細め、色の籠もった目で私を見てくる。
「だっ、駄目! 明日行動不能になるから、駄目です」
「…………ちっ」
尊さんは舌打ちをし、チュッと私にキスをしてから立ちあがった。
「やっぱり連休中、東京で抱き潰すべきだったな」
なんとも物騒な事を言うので、私はヒイとなる。
「りょ、旅行ダイスキ! 札幌ダイスキ!」
ぎこちなく言うと、彼は大きな溜め息をつき、また私を抱き締めてくる。
「悩ましいよなぁ……。朱里と一緒に色んな体験をしたいけど、引きこもってセックスばっかりしたい気持ちもある」
「そんな自堕落な……」
「そのうち南の島でも行ってコテージ借りて、セックスするか……」
しみじみと言うので、私まで溜め息をついてしまう。
「祭りが始まっちゃう」
「夜通しワッショイだよ」
そこまで言ったあと二人でククク……と笑い出し、またキスをする。
「お風呂入ってきて」
「了解。先、寝てていいよ。睡眠姦なんてしないから」
冗談を言われた私は、ハッとした顔をし、「野蛮……」と睨んでみせる。
そのあとまた二人して笑い、尊さんは着替えを取りに寝室に向かった。
私は少しの間、ミニバーにあるお茶を飲みながら、体の火照りが取れるまでテレビを見ていた。
スマホをチェックすると、恵から【旅行楽しんで】とメッセージが入っていたのに気づき、微笑む。
(SNSに写真アップしちゃお)
そう思った私は、無心に今日撮った写真を加工アプリで色味や明るさを調節し、写り込んだ人にモザイクをかけていく。
勿論、私と尊さんの顔が映った写真は投稿しないし、文章にも〝彼氏と旅行〟とは書くけど、彼氏について掘り下げては書かない。
それに記念のためにツーショはするけど、全部思い出専用だ。
加工とモザイク処理が終わったあとは、SNSにポンポン投稿していった。
私をフォローしてる人は恵や学生時代の友人ぐらいしかいなく、ハッシュタグをつけてもほぼ見られていないに等しい。
他の人の投稿を見て、積極的にコメントして交流するのも面倒だし、備忘録的に投稿するのをメインで使っている。
(そういえば、尊さんのアカウント見てみたいな)
いまだに彼のSNSアカウントを見た事がなく、ちょっと気になってしまう。
でも慎重な彼が本名そのままでやっている訳がなく、探しようがない。
聞いてみたいけど以前に照れくさいって言ってたから、もしかしたら教えてくれないかもしれない。
(何でも知りたがったら駄目なのかな。夫婦になっても、ある程度の秘密は持てる余白を作ったほうがいいんだろうか?)
考えていると、また自分がグルグル悩んでいるのに気づき、「終わり!」と口に出すとピシャンと両頬を叩いた。
テレビを消すとベッドに向かい、お茶を枕元に置いてスマホを充電し、布団に潜り込む。
目を閉じたけど、尊さんがバスルームで水音を立ててるのがエッチで、色んな想像をしてしまう。
(体、どこから洗うんだろ。あの筋肉質な体にお湯が滴って……)
そこまで考え、照れくさくなって「ひひひ」と笑って、布団の中で脚をバタつかせる。
目を閉じて仰向けになった私は、彼の裸を想像しながらTシャツ越しに乳首をカリカリ引っ掻いた。
(尊さん好き……!)
本人がドア一枚隔てたところで全裸になってるのに、なんでこんな事をし始めたのか分からないけど、とにかくドキドキムラムラして堪らない。
好きな人と旅行先のホテルにいるシチュエーションが嬉しくて、ハイになってしまっている。
私は仰向けになると尊さんがのし掛かってくる妄想をし、布団に両手と両足を回して抱き締める。
(しゅき……!!)
もっふー! と顔面を布団に埋めた時、バスルームのドアが開いた。
「……何、にゃんにゃんプロレスしてるんだ」
顔を上げると、まだ髪を濡らしたままの尊さんが驚いた顔をしていて、私は恥ずかしくなって布団の中に潜り込んだ。
「おーい、こら」
尊さんは歩み寄ってきて、布団越しに私のお尻をポンポン叩いてくる。
まさか一人で悶えていたなんて言えず、布団から顔を出した私はスンッと澄ました顔で言う。
「マッサージしてあげましょうか?」
「いいよ、俺がしてやろうか?」
そう言って、尊さんは羽布団を二つに折って捲った。
「…………何、真っ赤になってるんだよ。……ん?」
目をパチクリとさせた尊さんは、私の胸元を見て眉を上げ、意地悪な顔で笑った。
「乳首立ってるけど、イタズラしてた?」
ふざけて新婚ごっこをすると、尊さんはガバッと顔を上げてまじまじと私を見てきた。
……あ、あれ?
「やべぇ。すげぇキた」
彼は目を細め、色の籠もった目で私を見てくる。
「だっ、駄目! 明日行動不能になるから、駄目です」
「…………ちっ」
尊さんは舌打ちをし、チュッと私にキスをしてから立ちあがった。
「やっぱり連休中、東京で抱き潰すべきだったな」
なんとも物騒な事を言うので、私はヒイとなる。
「りょ、旅行ダイスキ! 札幌ダイスキ!」
ぎこちなく言うと、彼は大きな溜め息をつき、また私を抱き締めてくる。
「悩ましいよなぁ……。朱里と一緒に色んな体験をしたいけど、引きこもってセックスばっかりしたい気持ちもある」
「そんな自堕落な……」
「そのうち南の島でも行ってコテージ借りて、セックスするか……」
しみじみと言うので、私まで溜め息をついてしまう。
「祭りが始まっちゃう」
「夜通しワッショイだよ」
そこまで言ったあと二人でククク……と笑い出し、またキスをする。
「お風呂入ってきて」
「了解。先、寝てていいよ。睡眠姦なんてしないから」
冗談を言われた私は、ハッとした顔をし、「野蛮……」と睨んでみせる。
そのあとまた二人して笑い、尊さんは着替えを取りに寝室に向かった。
私は少しの間、ミニバーにあるお茶を飲みながら、体の火照りが取れるまでテレビを見ていた。
スマホをチェックすると、恵から【旅行楽しんで】とメッセージが入っていたのに気づき、微笑む。
(SNSに写真アップしちゃお)
そう思った私は、無心に今日撮った写真を加工アプリで色味や明るさを調節し、写り込んだ人にモザイクをかけていく。
勿論、私と尊さんの顔が映った写真は投稿しないし、文章にも〝彼氏と旅行〟とは書くけど、彼氏について掘り下げては書かない。
それに記念のためにツーショはするけど、全部思い出専用だ。
加工とモザイク処理が終わったあとは、SNSにポンポン投稿していった。
私をフォローしてる人は恵や学生時代の友人ぐらいしかいなく、ハッシュタグをつけてもほぼ見られていないに等しい。
他の人の投稿を見て、積極的にコメントして交流するのも面倒だし、備忘録的に投稿するのをメインで使っている。
(そういえば、尊さんのアカウント見てみたいな)
いまだに彼のSNSアカウントを見た事がなく、ちょっと気になってしまう。
でも慎重な彼が本名そのままでやっている訳がなく、探しようがない。
聞いてみたいけど以前に照れくさいって言ってたから、もしかしたら教えてくれないかもしれない。
(何でも知りたがったら駄目なのかな。夫婦になっても、ある程度の秘密は持てる余白を作ったほうがいいんだろうか?)
考えていると、また自分がグルグル悩んでいるのに気づき、「終わり!」と口に出すとピシャンと両頬を叩いた。
テレビを消すとベッドに向かい、お茶を枕元に置いてスマホを充電し、布団に潜り込む。
目を閉じたけど、尊さんがバスルームで水音を立ててるのがエッチで、色んな想像をしてしまう。
(体、どこから洗うんだろ。あの筋肉質な体にお湯が滴って……)
そこまで考え、照れくさくなって「ひひひ」と笑って、布団の中で脚をバタつかせる。
目を閉じて仰向けになった私は、彼の裸を想像しながらTシャツ越しに乳首をカリカリ引っ掻いた。
(尊さん好き……!)
本人がドア一枚隔てたところで全裸になってるのに、なんでこんな事をし始めたのか分からないけど、とにかくドキドキムラムラして堪らない。
好きな人と旅行先のホテルにいるシチュエーションが嬉しくて、ハイになってしまっている。
私は仰向けになると尊さんがのし掛かってくる妄想をし、布団に両手と両足を回して抱き締める。
(しゅき……!!)
もっふー! と顔面を布団に埋めた時、バスルームのドアが開いた。
「……何、にゃんにゃんプロレスしてるんだ」
顔を上げると、まだ髪を濡らしたままの尊さんが驚いた顔をしていて、私は恥ずかしくなって布団の中に潜り込んだ。
「おーい、こら」
尊さんは歩み寄ってきて、布団越しに私のお尻をポンポン叩いてくる。
まさか一人で悶えていたなんて言えず、布団から顔を出した私はスンッと澄ました顔で言う。
「マッサージしてあげましょうか?」
「いいよ、俺がしてやろうか?」
そう言って、尊さんは羽布団を二つに折って捲った。
「…………何、真っ赤になってるんだよ。……ん?」
目をパチクリとさせた尊さんは、私の胸元を見て眉を上げ、意地悪な顔で笑った。
「乳首立ってるけど、イタズラしてた?」
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