【R-18・連載版】部長と私の秘め事

臣桜

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北海道旅行 編

にゃんにゃんプロレス

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「あなた、お風呂ですよ」

 ふざけて新婚ごっこをすると、尊さんはガバッと顔を上げてまじまじと私を見てきた。

 ……あ、あれ?

「やべぇ。すげぇキた」

 彼は目を細め、色の籠もった目で私を見てくる。

「だっ、駄目! 明日行動不能になるから、駄目です」

「…………ちっ」

 尊さんは舌打ちをし、チュッと私にキスをしてから立ちあがった。

「やっぱり連休中、東京で抱き潰すべきだったな」

 なんとも物騒な事を言うので、私はヒイとなる。

「りょ、旅行ダイスキ! 札幌ダイスキ!」

 ぎこちなく言うと、彼は大きな溜め息をつき、また私を抱き締めてくる。

「悩ましいよなぁ……。朱里と一緒に色んな体験をしたいけど、引きこもってセックスばっかりしたい気持ちもある」

「そんな自堕落な……」

「そのうち南の島でも行ってコテージ借りて、セックスするか……」

 しみじみと言うので、私まで溜め息をついてしまう。

「祭りが始まっちゃう」

「夜通しワッショイだよ」

 そこまで言ったあと二人でククク……と笑い出し、またキスをする。

「お風呂入ってきて」

「了解。先、寝てていいよ。睡眠姦なんてしないから」

 冗談を言われた私は、ハッとした顔をし、「野蛮……」と睨んでみせる。

 そのあとまた二人して笑い、尊さんは着替えを取りに寝室に向かった。

 私は少しの間、ミニバーにあるお茶を飲みながら、体の火照りが取れるまでテレビを見ていた。

 スマホをチェックすると、恵から【旅行楽しんで】とメッセージが入っていたのに気づき、微笑む。

(SNSに写真アップしちゃお)

 そう思った私は、無心に今日撮った写真を加工アプリで色味や明るさを調節し、写り込んだ人にモザイクをかけていく。

 勿論、私と尊さんの顔が映った写真は投稿しないし、文章にも〝彼氏と旅行〟とは書くけど、彼氏について掘り下げては書かない。

 それに記念のためにツーショはするけど、全部思い出専用だ。

 加工とモザイク処理が終わったあとは、SNSにポンポン投稿していった。

 私をフォローしてる人は恵や学生時代の友人ぐらいしかいなく、ハッシュタグをつけてもほぼ見られていないに等しい。

 他の人の投稿を見て、積極的にコメントして交流するのも面倒だし、備忘録的に投稿するのをメインで使っている。

(そういえば、尊さんのアカウント見てみたいな)

 いまだに彼のSNSアカウントを見た事がなく、ちょっと気になってしまう。

 でも慎重な彼が本名そのままでやっている訳がなく、探しようがない。

 聞いてみたいけど以前に照れくさいって言ってたから、もしかしたら教えてくれないかもしれない。

(何でも知りたがったら駄目なのかな。夫婦になっても、ある程度の秘密は持てる余白を作ったほうがいいんだろうか?)

 考えていると、また自分がグルグル悩んでいるのに気づき、「終わり!」と口に出すとピシャンと両頬を叩いた。

 テレビを消すとベッドに向かい、お茶を枕元に置いてスマホを充電し、布団に潜り込む。

 目を閉じたけど、尊さんがバスルームで水音を立ててるのがエッチで、色んな想像をしてしまう。

(体、どこから洗うんだろ。あの筋肉質な体にお湯が滴って……)

 そこまで考え、照れくさくなって「ひひひ」と笑って、布団の中で脚をバタつかせる。

 目を閉じて仰向けになった私は、彼の裸を想像しながらTシャツ越しに乳首をカリカリ引っ掻いた。

(尊さん好き……!)

 本人がドア一枚隔てたところで全裸になってるのに、なんでこんな事をし始めたのか分からないけど、とにかくドキドキムラムラして堪らない。

 好きな人と旅行先のホテルにいるシチュエーションが嬉しくて、ハイになってしまっている。

 私は仰向けになると尊さんがのし掛かってくる妄想をし、布団に両手と両足を回して抱き締める。

(しゅき……!!)

 もっふー! と顔面を布団に埋めた時、バスルームのドアが開いた。

「……何、にゃんにゃんプロレスしてるんだ」

 顔を上げると、まだ髪を濡らしたままの尊さんが驚いた顔をしていて、私は恥ずかしくなって布団の中に潜り込んだ。

「おーい、こら」

 尊さんは歩み寄ってきて、布団越しに私のお尻をポンポン叩いてくる。

 まさか一人で悶えていたなんて言えず、布団から顔を出した私はスンッと澄ました顔で言う。

「マッサージしてあげましょうか?」

「いいよ、俺がしてやろうか?」

 そう言って、尊さんは羽布団を二つに折って捲った。

「…………何、真っ赤になってるんだよ。……ん?」

 目をパチクリとさせた尊さんは、私の胸元を見て眉を上げ、意地悪な顔で笑った。

「乳首立ってるけど、イタズラしてた?」
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