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親友の恋 編
ドキドキするのは嫌い?
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「ほら、可愛い」
「っっ~~~~っ!!」
耳元で笑い混じりに言われた瞬間、ゾクッとして肩が勝手に跳ね上がる。
とっさに両手で耳を覆ったけれど、三日月さんが手首を握って阻んでくる。
「恵ちゃん、素直になって。俺は今、めちゃくちゃ君に譲歩してる。こういう事に慣れてない君が、少しずつ俺に心を開けるように優しく接している。君を好ましく思ってるから、優しくするのは当たり前だ。でも人生、手を差し伸べられた時に掴んでおかないと、あとから後悔する場合が沢山ある」
言われて、恥ずかしくて身をよじらせていた私はハッとする。
私が動きを止めたからか、三日月さんはさらに言った。
「男に慣れていない君に、すぐ答えを求めるのは酷だと分かっている。でも俺は尊みたいに十年以上も好きな子を見守る気の長さはない。短気でもないけどね。……付き合うって、お互い協力していかないと成功できない事だ。怖くて不安なのは分かるけど、色々前向きに検討してみない?」
「……つ、付き合う……?」
寝耳に水な事を言われ、私は思わず顔を上げて目を瞬かせた。
「男と女が出会って、手を握ってハグをしたあとは、大体恋愛的に求め合うものだと思うけど。……それともこの二泊三日だけで終わらせておく? 恵ちゃんが望まないならもうこういう事はしないし、言わない。このグループデートが終わったあとも連絡しない。……それでもいい?」
試すように言われ、私は目を潤ませて彼を睨む。
「……ずるい」
三日月さんは自分の望む答えを引き出そうとしている。
私が断らないって分かっていて、そういう言い方をしている。
けど、そうでもしなければ私は自分から「イエス」を言えない、恋愛初心者だという事も分かっていた。
「恋愛って、押して引くんだよ。押してばかりでも嫌われるかもしれないし、リードされるのが好きな女性は、押してばかりの男にすべてを委ねてしまう。だから時には引いてみる。引いて焦ってくれたらこっちのもん。慌てて追いかけてきたところを、ギュッとする」
言いながら、三日月さんは私をギュッと抱き締めた。
そして、また目を丸くして固まった私を見て優しく笑う。
「……翻弄されてるみたいでドキドキするし、弄ばれてるみたいで悔しい」
「慣れてないとそう感じるだろうね。ドキドキするのは嫌い? 俺は『恵ちゃんは次にどんな顔を見せてくれるんだろう?』って楽しみでならない。何が入ってるか分からない、プレゼントの箱を前にしてる気持ちだ」
そう言った三日月さんの目は、キラキラ楽しそうに輝いている。
「……恋愛的に翻弄される事に慣れてないです。期待して……、裏切られたら怖い。好意を向けたのに返されなかった時の事とか、会いたいのに『会えない』って言われたら、落ち込みそうで怖い。……朱里を遊びに誘って断られた時だって、そこそこ落ち込んでるのに。……私、三日月さんが思ってるより、結構重たいと思いますよ。……人に裏切られたくないから、仙人みたいにソロキャンして火を見て孤独を楽しんでいるんです」
私の言葉を聞き、彼はクスクスと笑う。
「キャンプ好きなら、記念すべき第一回のデートはキャンプかな。恵ちゃんの手際も分かるし、いざという時のサバイバル能力も分かる」
「……デートって……」
「まだ何も言ってないのに」と思って彼を見ると、パチンとウインクされた。
「一緒にドキドキしようよ。俺だって今、君に断られないかどうかドキドキしてる。落ち着いて何にも動じなくなりたいなら、歳をとったらいくらでもできる。でも、感受性が豊かなうちに、沢山心を動かしておこう。それに、ここまで恵ちゃんに迫ってるくせに、中途半端に弄んで捨てるなんて絶対にしないから安心して」
そう言われ、ドキンッと胸が高鳴る。
「こう言うと嫌みっぽいけど、俺はその気になれば大体の女性とは付き合える。そんな俺が興味を持ったんだ。もっと自分に自信を持ってよ。恵ちゃんは魅力的だし、価値のある女性だ。仕事で忙しかったり、体調が悪かったら応えられない事もあるけど、メッセージをくれたら必ず返すし、デートに誘ってくれたら喜んで応じる」
そこまで言うと、三日月さんはジャケットのポケットに手を入れて小さな箱を出した。
「えっ?」
驚いて目を瞬かせると、彼は箱の蓋を開け、中からシャンパンゴールドのリングを出す。
ランドの物だからキャラ物だけど、パッと見るとシンプルなリングで、よく見るとラビティーの小さなシルエットがドット模様のように刻まれ、小さなクリアストーンも嵌まっている。
びっくりして固まっていると、三日月さんは魅力的に微笑んで私の手をとった。
「いきなり指輪は重たいだろうけど、エンゲージでもマリッジでもない、ただのアクセサリーだと思って。でも裏切らないって〝約束〟の印だと思ったら、気持ちが安らぐだろ?」
そう言って、彼はスッと私の左手の薬指にリングを嵌めた。
「男から指輪を贈られるのは初めて?」
尋ねられ、私はコクコクと頷く。
「よし、じゃあ初めてもらった」
ニカッと笑った三日月さんの顔を見て、私は真っ赤になるとヘナヘナと欄干に寄りかかってしまった。
「っっ~~~~っ!!」
耳元で笑い混じりに言われた瞬間、ゾクッとして肩が勝手に跳ね上がる。
とっさに両手で耳を覆ったけれど、三日月さんが手首を握って阻んでくる。
「恵ちゃん、素直になって。俺は今、めちゃくちゃ君に譲歩してる。こういう事に慣れてない君が、少しずつ俺に心を開けるように優しく接している。君を好ましく思ってるから、優しくするのは当たり前だ。でも人生、手を差し伸べられた時に掴んでおかないと、あとから後悔する場合が沢山ある」
言われて、恥ずかしくて身をよじらせていた私はハッとする。
私が動きを止めたからか、三日月さんはさらに言った。
「男に慣れていない君に、すぐ答えを求めるのは酷だと分かっている。でも俺は尊みたいに十年以上も好きな子を見守る気の長さはない。短気でもないけどね。……付き合うって、お互い協力していかないと成功できない事だ。怖くて不安なのは分かるけど、色々前向きに検討してみない?」
「……つ、付き合う……?」
寝耳に水な事を言われ、私は思わず顔を上げて目を瞬かせた。
「男と女が出会って、手を握ってハグをしたあとは、大体恋愛的に求め合うものだと思うけど。……それともこの二泊三日だけで終わらせておく? 恵ちゃんが望まないならもうこういう事はしないし、言わない。このグループデートが終わったあとも連絡しない。……それでもいい?」
試すように言われ、私は目を潤ませて彼を睨む。
「……ずるい」
三日月さんは自分の望む答えを引き出そうとしている。
私が断らないって分かっていて、そういう言い方をしている。
けど、そうでもしなければ私は自分から「イエス」を言えない、恋愛初心者だという事も分かっていた。
「恋愛って、押して引くんだよ。押してばかりでも嫌われるかもしれないし、リードされるのが好きな女性は、押してばかりの男にすべてを委ねてしまう。だから時には引いてみる。引いて焦ってくれたらこっちのもん。慌てて追いかけてきたところを、ギュッとする」
言いながら、三日月さんは私をギュッと抱き締めた。
そして、また目を丸くして固まった私を見て優しく笑う。
「……翻弄されてるみたいでドキドキするし、弄ばれてるみたいで悔しい」
「慣れてないとそう感じるだろうね。ドキドキするのは嫌い? 俺は『恵ちゃんは次にどんな顔を見せてくれるんだろう?』って楽しみでならない。何が入ってるか分からない、プレゼントの箱を前にしてる気持ちだ」
そう言った三日月さんの目は、キラキラ楽しそうに輝いている。
「……恋愛的に翻弄される事に慣れてないです。期待して……、裏切られたら怖い。好意を向けたのに返されなかった時の事とか、会いたいのに『会えない』って言われたら、落ち込みそうで怖い。……朱里を遊びに誘って断られた時だって、そこそこ落ち込んでるのに。……私、三日月さんが思ってるより、結構重たいと思いますよ。……人に裏切られたくないから、仙人みたいにソロキャンして火を見て孤独を楽しんでいるんです」
私の言葉を聞き、彼はクスクスと笑う。
「キャンプ好きなら、記念すべき第一回のデートはキャンプかな。恵ちゃんの手際も分かるし、いざという時のサバイバル能力も分かる」
「……デートって……」
「まだ何も言ってないのに」と思って彼を見ると、パチンとウインクされた。
「一緒にドキドキしようよ。俺だって今、君に断られないかどうかドキドキしてる。落ち着いて何にも動じなくなりたいなら、歳をとったらいくらでもできる。でも、感受性が豊かなうちに、沢山心を動かしておこう。それに、ここまで恵ちゃんに迫ってるくせに、中途半端に弄んで捨てるなんて絶対にしないから安心して」
そう言われ、ドキンッと胸が高鳴る。
「こう言うと嫌みっぽいけど、俺はその気になれば大体の女性とは付き合える。そんな俺が興味を持ったんだ。もっと自分に自信を持ってよ。恵ちゃんは魅力的だし、価値のある女性だ。仕事で忙しかったり、体調が悪かったら応えられない事もあるけど、メッセージをくれたら必ず返すし、デートに誘ってくれたら喜んで応じる」
そこまで言うと、三日月さんはジャケットのポケットに手を入れて小さな箱を出した。
「えっ?」
驚いて目を瞬かせると、彼は箱の蓋を開け、中からシャンパンゴールドのリングを出す。
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びっくりして固まっていると、三日月さんは魅力的に微笑んで私の手をとった。
「いきなり指輪は重たいだろうけど、エンゲージでもマリッジでもない、ただのアクセサリーだと思って。でも裏切らないって〝約束〟の印だと思ったら、気持ちが安らぐだろ?」
そう言って、彼はスッと私の左手の薬指にリングを嵌めた。
「男から指輪を贈られるのは初めて?」
尋ねられ、私はコクコクと頷く。
「よし、じゃあ初めてもらった」
ニカッと笑った三日月さんの顔を見て、私は真っ赤になるとヘナヘナと欄干に寄りかかってしまった。
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