【R-18・連載版】部長と私の秘め事

臣桜

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ラビティーシー 編

朝食ビュッフェ

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「準備できました! 行きましょうか! ビュッフェが俺を待っている!」

 パンパン! とお腹を叩いてやる気を見せると、尊さんが「食べ物をさらいに行くバイキングだな」と笑った。





 部屋を出て隣室をノックすると、真っ赤になった恵が出てきた。

「おっ、おはっ、よう!」

「何があった。吐け」

 私は笑顔で恵の腕を組み、エレベーターホールに向かいながら言う。

「……な、何もないよ」

「嘘だ。恵は意味もなく乙女な顔をしない」

 廊下を歩いている間、恵は言うか言わないか迷うように黙っていたけれど、チラッと後ろを歩いている涼さんを見てから、溜め息混じりに言った。

「……ちょっと、今回の最中は勘弁。この二泊三日が終わった後日、改めて落ち着いてから言う」

「ん、分かった」

 見てるだけで一杯一杯だと分かるので、私はポンポンと恵の背中を叩いた。





 ホテル一階にあるレストランは、ヨーロッパのお城風の外観そのままの店構えをしていた。

 外側から見ると、丁度コの字型にせり出している建物の右側に当たる。

 ドンとした白いアーチに青銅色の錬鉄の門があり、蔦とお花が絡まりウッド調の看板がついている。

 店名にガーデンとついているだけあり、お城の庭で優雅に食事をするお姫様のような気分だ。

 店内に入るとすぐ、精緻な模様が描かれた円形の床飾り――メダリオンがあり、真上には同様に天井が丸く窪んでいて、側面から間接照明の光が漏れていた。

 その横がお会計のカウンターになり、アーチをさらにくぐった奥にホールがある。

 女性スタッフは白いパフスリーブシャツにアイボリー地の柄物のベスト、エメラルドグリーンのロングスカート。

 男性スタッフは白シャツにダークオリーブのベストにえんじ色のネクタイ、ベージュのズボンというスタイルだ。

 広々とした店内は白壁に白い天井、白いテーブルクロスが掛かった角テーブルに、くすんだ赤とマットゴールドを基調にしたストライプの椅子があり、その配色が昔からの正統派ラビティーランドっぽくて、一目見て好きになった。

 勿論、椅子はそのタイプだけでなく、アイボリー、クリーム色とブラウンのストライプなどバリエーションがある。

 白い格子枠の窓の上部には、椅子と同じ色の半円を描いた上飾りバランスがあり、その下のレースのカーテンもエレガントだ。

 窓の向こうには綺麗に整えられた庭園があり、朝から贅沢な眺めにうっとりしてしまう。

 席に案内されたあと、食べ物をとりに行く。

 シリアルにサラダ、フルーツポンチに、小さなグラスに入ったパンナコッタや、フルーツ盛り合わせ。

 しょっぱい系から甘い系、ノーマルと色々あるパン。特に甘い系はデニッシュにラビティーの形があったりで、見た目が可愛い。

 ポテトサラダやエッグサラダなどは、ホールケーキのような円形になっていて、その上にプリンセスのシルエットがついているものだから、崩すのが勿体ない!

 他にも雑炊やスープ、筑前煮やおいなりさん、魚のソテー、チキンのトマト煮に玉子料理各種、パンケーキにワッフル、フレンチトースト、お味噌汁にご飯、グラタン、蒸し野菜……等々。意外と純和食なメニューもあり、色んな物が選べて嬉しい。

「可愛い~。美味しい~」

「どっちかにしなよ」

 恵に突っ込まれつつも、私は幸せいっぱいにパクパク食べていく。

 尊さんと涼さんは和食メインだ。

 いわく、「俺たちおっさんだから……」らしい。ブレない。

 ゆっくり味わっていたいところだけど、今日は二日目だ。モリモリ食べたらすぐに部屋に戻って歯を磨いて、シーに向かわなければならない。

「……まだ入る……」

「腹八分目にしときなよ。朝からよく食べるなぁ」

 また恵が突っ込み、ポンポンと私のお腹を叩く。

 かわゆいレストランに別れを告げたあと、身支度を調えて大きい荷物を持ち、フロントに行く。

 同じラビティーホテルに行く場合、チェックアウト日のお昼まで荷物を預ければ、その日のチェックイン時間ぐらいには、次のホテルに荷物を無料で届けてくれるらしい。

 どうやらホテル代金は事前にカードで支払ったらしく、レストランの飲み物など別料金も、尊さんがスマホを弄って清算していた。

「じゃあ、恵ちゃんは俺の車でね」

 駐車場に入ると涼さんが恵の手を握り、彼女は「わっ、わっ」と動揺している。ソー、プリティ。
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