【R-18】【重愛注意】拾われバニーガールはヤンデレ社長の最愛の秘書になりました

臣桜

文字の大きさ
283 / 1,589
第六部・社内旅行 編

ぎゅってして ☆

しおりを挟む
 彼女は争いを望まない。
 報復なんてもっと望まない。

 だから飯山たちへの処遇を佑が独断で決めたのは、ある意味正解だと思っている。
 その上で、「香澄に何をしたら彼女の心をケアできるのだろう?」と考える。

「今、何してほしい?」

 こうして尋ねても、香澄が我が儘を言って甘えてくれた事などない。
 彼女はいつも、我が儘と言えないレベルのほんの些細な事しか望まない。

 欲しいものがあれば何でも買うし、行きたい場所があればどこにでもつれて行くのに。

「ぎゅってして。佑さんが側にいてくれるって思えたら、それでいい」
「――あぁ、もう」

 ――だから、香澄なんだ。

 無欲な彼女に溢れるほどの愛しさを感じながら、佑はTシャツを脱ぎ、彼女を抱き締めた。





 あれほどささくれ立っていた心が、佑の顔を見ただけで穏やかになってゆく。
 悔しいという気持ちも、脚の痛みへのストレスも、「自分は佑に愛されている」と思うだけで解消されていく。

 目の前で美しい雄が、自分を見て欲情してくれている。

 ――嬉しい。

 素直にそう思うと同時に、飯山たちに対する優越感が芽生える。

(こうやって佑さんに求められるのは、私だけなんだから)

 せめてもの仕返しに、と心の中で勝ち誇ってみる。
 が、すぐに落ち込む。

(……私、なんて嫌な人間なんだろう)

 そんな自分の気持ちに泣きそうになり、香澄は半裸の佑を抱き締めた。

「ねぇ、好き。……好きだよ」

 心からの愛を囁きながら、香澄は「こんな私でごめんね」と心の中で涙を流していた。

 佑に相応しい女性になりたいのに、二十七歳にもなって社内いじめに遭っただなんて絶対に言えない。
 あまりに情けなくて、自分でも「それで社長秘書なの?」と思ってしまう。

 あんな風に馬鹿にされたのは、自分に弱さがあり隙があるからだ。
 佑に釣り合っていないと思われたから、攻撃された。

 それだけのシンプルな理由だ。

 ならばもっともっと努力して、誰にも文句を言わせない完璧な秘書、兼婚約者にならなければ。
 誰もが憧れる二人と思われるような、そんな理想の姿になってみせる。

 だから今は――。

 努力する前の今は、ほんの少しだけ慰めてほしい。
 甘えさせてほしい。

 そう思い、香澄は自分から佑の両頬を包みそっとキスをした。

 佑は唇の傷を気にしてくれたのか、きつく唇を吸い返さない。
 唇を柔らかく押しつけては、舌先で唇の内側や前歯の裏側を探ってくる。

「ふ……、ぅ……ん、……ン」

 佑のキスはいけない薬のようだ。
 彼のキスに囚われると、すぐに何も考えられなくなって、気持ちがフワフワする。

 気がつけば香澄は腿で佑の胴を挟み、彼の首をしっかりと掻き抱いて深いキスに耽溺していた。

 ――気持ちいい。
 ――もっと。

 優しい舌の感触にうっとりとしていると、佑が濡れた吐息をついて唇を離し、頬、耳、顎と移動させてゆく。

 熱い唇を押しつけられたかと思うと、その合間に切ない息づかいが聞こえる。
 微かに喉を鳴らして唾を嚥下する音までする。

 ――あぁ、佑さんが私に興奮してくれている。

 胸の奥で、とろりとした優越感が香澄を満たしていく。

「香澄……」

 佑が熱っぽく囁いて、香澄の胸に吸い付いてきた。
 大きな手でやんわりと乳房を捏ねまわし、親指の腹で乳首を転がす。
 反対側はちゅうちゅうと吸われたかと思うと、彼の舌がひらめいて乳首を弾かれた。

「ン……ぁ、あ……」

 佑に愛撫されただけで、すぐお腹の奥がじんわりと疼く。
 蜜が零れるのを自覚し、香澄は微かに腰を揺らした。

(ピル……飲んでるから、今日は大丈夫かな)

 先日婦人科に行ったあと、タイミングよく生理がきた。

 そのあと、生理一日目から飲み始めるDAY1スタートタイプの、二十八日服用タイプのピルを飲み始めた。
 飲み始めて一週間ほどで避妊効果が出てくるというので、二週間経った今回の旅行はすでに避妊効果があるのではと思っている。
しおりを挟む
感想 575

あなたにおすすめの小説

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

身体の繋がりしかない関係

詩織
恋愛
会社の飲み会の帰り、たまたま同じ帰りが方向だった3つ年下の後輩。 その後勢いで身体の関係になった。

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写はすべて架空です。

ドSな彼からの溺愛は蜜の味

鳴宮鶉子
恋愛
ドSな彼からの溺愛は蜜の味

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

処理中です...