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第十一部・スペイン 編
仕事の成果
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「革製品、多いもんね。小銭入れとかお財布ならグッズ的にハズレはないし、女性向け、男性向けのデザインにしたら需要はグッと高まるんじゃないかなぁ。私が普段使ってるウォレットポシェットも、バッグより安価に買えるからいいんじゃないかな」
座り直した香澄は、まじめに意見を言ってくれる。
仕事の話をするとすぐ秘書スイッチが入る所も好きだ。
ただ愛玩されるのをよしとせず、役に立てるのならと積極的に考えてくれる。
「問題のデザインは、帰国してから要会議だな」
世間ではサステナビリティの動きが加速していて、Chief Everyでも勿論ヴィーガンレザーを使用した商品を扱っている。
環境団体と連携し、ヴィーガンアイテムを購入されるとその一部を植樹基金に充てるなどの活動もしていた。
一方で本革の商品は、食肉にする上での副産物としての革や、害獣駆除で生じた物に限っている。
その上で、契約する農家ではアニマルフェアウェア――家畜を飼育する環境を考慮し、より良い環境を整える事を考えている所と決めていた。
「いい物を作りたい、商品にしたい」の〝いい物〟は、時代と共に質を変えている。
少し前までなら〝本物〟にこだわっただろうが、今の時代に大切にされているのは、人や動物を傷つけない、愛と平和、差別がなく地球の未来を考える意識だ。
アパレルでそのすべてを表現するには限界があるが、売り上げの一部で貢献したり、素材にこだわるなどで会社をアピールする事はできる。
結果的にヴィーガンで有名なセレブがChief Everyを愛用していたりで、世間的な注目を集められている。
金のため、知名度のためではないが、このような取り組みをしている会社が有名になっていく事で、他の会社も続いてくれたらという思いがあった。
新しい商品を開発する時は、やはりワクワクする。
それを見透かして、香澄がクスッと笑った。
「佑さん、楽しそう。お仕事楽しんでる姿、好きだよ」
「ありがとう」
ひとまず着替えてしまおうと思い、佑はベッドから下りてウォークインクローゼットに向かう。
ディナーまではまだ時間があるので、ロングTシャツにサルエルパンツとラフな格好になると、また香澄が待つベッドに戻った。
それから、まじめな話をする事にした。
「香澄、一つ約束してほしい」
「ん? なに?」
キョトンと目を瞬かせた彼女に、佑は優しく微笑む。
「あと少ししたらパリに向かうけど、俺は少し単独行動を取る。勿論、久住と佐野をつけるけど、一日か二日、香澄を一人にすると思う。用事そのものはすぐ済むが、目的地がパリから少し距離があるんだ」
「うん。大人しくしていてほしいっていう事でしょ? ちゃんと学んだから、任せて」
「ありがとう。パリは仕事の用事じゃないんだ。予備日は取るから、その時一緒に観光しよう」
「楽しみにしてるね」
香澄の笑顔を見て、佑は不意に先日のランジェリーをはじめ、下着を沢山買った事を思いだした。
(フランスの下着も有名だしな……。でもパリに行ってまたランジェリーショップって行ったら、嫌がるかな。しかし……)
そこまで考えた時、香澄にじぃっと見つめられているのに気付いた。
「ん? なに?」
「なんかやらしい事考えてない? 顔がにやついてた」
「そうかな?」
ぺた、と頬を触るが、そんなにだらしない顔をしていただろうか。
「……まぁ、いいけど。佑さんはニヤニヤしていても格好いいし」
「なら良かった。俺がにやついているのは、大体香澄の事を考えている時だから、安心して」
「もー」
呆れながらも嬉しそうに笑う彼女が愛おしい。
「そうだ。明後日の夜、打ち上げの意味も兼ねてフラメンコショーを見に行こうか」
「えっ!? 本当!?」
提案に、香澄は思った通りバッと身を起こして反応した。
(よし、食いつきがいい)
内心、佑はガッツポーズを取る。
「私ね、本場でステージを見てみたかったの。バレエとかオペラも本物を見た事ないし、うわぁ……楽しみだなぁ」
「そうか、じゃあ今度色々回ろうか。ドイツならバレエやオペラも馴染み深いし、何ならフランスでも……これからチケットを手配しようか」
だが無欲な香澄は首を横に振る。
座り直した香澄は、まじめに意見を言ってくれる。
仕事の話をするとすぐ秘書スイッチが入る所も好きだ。
ただ愛玩されるのをよしとせず、役に立てるのならと積極的に考えてくれる。
「問題のデザインは、帰国してから要会議だな」
世間ではサステナビリティの動きが加速していて、Chief Everyでも勿論ヴィーガンレザーを使用した商品を扱っている。
環境団体と連携し、ヴィーガンアイテムを購入されるとその一部を植樹基金に充てるなどの活動もしていた。
一方で本革の商品は、食肉にする上での副産物としての革や、害獣駆除で生じた物に限っている。
その上で、契約する農家ではアニマルフェアウェア――家畜を飼育する環境を考慮し、より良い環境を整える事を考えている所と決めていた。
「いい物を作りたい、商品にしたい」の〝いい物〟は、時代と共に質を変えている。
少し前までなら〝本物〟にこだわっただろうが、今の時代に大切にされているのは、人や動物を傷つけない、愛と平和、差別がなく地球の未来を考える意識だ。
アパレルでそのすべてを表現するには限界があるが、売り上げの一部で貢献したり、素材にこだわるなどで会社をアピールする事はできる。
結果的にヴィーガンで有名なセレブがChief Everyを愛用していたりで、世間的な注目を集められている。
金のため、知名度のためではないが、このような取り組みをしている会社が有名になっていく事で、他の会社も続いてくれたらという思いがあった。
新しい商品を開発する時は、やはりワクワクする。
それを見透かして、香澄がクスッと笑った。
「佑さん、楽しそう。お仕事楽しんでる姿、好きだよ」
「ありがとう」
ひとまず着替えてしまおうと思い、佑はベッドから下りてウォークインクローゼットに向かう。
ディナーまではまだ時間があるので、ロングTシャツにサルエルパンツとラフな格好になると、また香澄が待つベッドに戻った。
それから、まじめな話をする事にした。
「香澄、一つ約束してほしい」
「ん? なに?」
キョトンと目を瞬かせた彼女に、佑は優しく微笑む。
「あと少ししたらパリに向かうけど、俺は少し単独行動を取る。勿論、久住と佐野をつけるけど、一日か二日、香澄を一人にすると思う。用事そのものはすぐ済むが、目的地がパリから少し距離があるんだ」
「うん。大人しくしていてほしいっていう事でしょ? ちゃんと学んだから、任せて」
「ありがとう。パリは仕事の用事じゃないんだ。予備日は取るから、その時一緒に観光しよう」
「楽しみにしてるね」
香澄の笑顔を見て、佑は不意に先日のランジェリーをはじめ、下着を沢山買った事を思いだした。
(フランスの下着も有名だしな……。でもパリに行ってまたランジェリーショップって行ったら、嫌がるかな。しかし……)
そこまで考えた時、香澄にじぃっと見つめられているのに気付いた。
「ん? なに?」
「なんかやらしい事考えてない? 顔がにやついてた」
「そうかな?」
ぺた、と頬を触るが、そんなにだらしない顔をしていただろうか。
「……まぁ、いいけど。佑さんはニヤニヤしていても格好いいし」
「なら良かった。俺がにやついているのは、大体香澄の事を考えている時だから、安心して」
「もー」
呆れながらも嬉しそうに笑う彼女が愛おしい。
「そうだ。明後日の夜、打ち上げの意味も兼ねてフラメンコショーを見に行こうか」
「えっ!? 本当!?」
提案に、香澄は思った通りバッと身を起こして反応した。
(よし、食いつきがいい)
内心、佑はガッツポーズを取る。
「私ね、本場でステージを見てみたかったの。バレエとかオペラも本物を見た事ないし、うわぁ……楽しみだなぁ」
「そうか、じゃあ今度色々回ろうか。ドイツならバレエやオペラも馴染み深いし、何ならフランスでも……これからチケットを手配しようか」
だが無欲な香澄は首を横に振る。
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