【R-18】【重愛注意】拾われバニーガールはヤンデレ社長の最愛の秘書になりました

臣桜

文字の大きさ
711 / 1,589
第十二部・パリ 編

俺はお前を一生許さない

しおりを挟む
 ――変わっていない。

 ――何も、反省していない。

 十代の頃は感じのいい少女だと思っていたのに、心の底にある汚泥に気付けなかった。

 表向き〝良家のお嬢様〟という完璧な仮面があったからこそ、隠し持っていた本性がさらに醜く感じる。

 香澄のような純朴な女性に惹かれた佑には、エミリアの考えを理解する事ができない。

 いっそ「すべてが嘘だったなら」と今になっても思う。

 だがすべて現実だ。

 佑は溜め息をつき、哀れなものを見る目でエミリアを見た。

『お前は自分が何をしたのか理解せず、己を女王だと思い込み、すべて望むままになると信じて一生を終えるのかもしれないな』

 佑は涙を拭い、溜め息をつく。

『これから先、誰一人としてお前を救える者はいないだろう。諦めてガブリエルの貞淑な妻になれ。お前と縁談があったドイツの資産家も、〝結婚しなくて良かった〟と安堵していたよ』

〝結婚したくない地味な男〟にそう言われていたと知り、プライドを傷つけられたエミリアが、また激しく唸る。

『エミリア、お前は美しいよ。ただし、外見だけだ。そして自己中心的で、他者の痛みを理解しない、破滅的な愚か者だ。……どうして誰も、お前を矯正してやろうと思わなかったんだろうな。……それが哀れでならない』

「むごぉー……」

 エミリアが哀れっぽい声を出す。

 だが今さら同情する気持ちなどない。
 ただ「たられば」の話をしただけだ。

『……俺はお前を一生許さない。万が一お前が改心しても、絶対に許さない。謝りに来ようなんて絶対に思うな。お前はこの屋敷から、二度と表に出るな』

 最後にそう言って、佑は深く長い溜め息をつく。

『タスク、彼女の言い分でも聞くか?』

 楽しそうなガブリエルの声に、佑は疲れ切った顔で首を横に振る。

 ガブリエルは、妻が他者に責められているのを見るのが楽しいらしく、ニコニコしている。

 彼はこれと決めた相手がとことん打ちのめされ、心を折られるさまを見るのが大好きだ。

 ガブリエルは基本的に他者に無害だ。

 その代わり、自分のパートナーには最も厳しい主となる。

 今後エミリアがどうなるか知らないし、知ろうとも思わない。

 ガブリエルに申し訳なさはあるが、他に手立てはない。

 もっとエミリアをなじりたい気持ちはあるが、便器の中身に向かって「お前は汚い」と言っているようなものだ。
 一人で熱くなるほど、空しさがこみ上げてくる。

 佑は窓の外を見て、ゆっくり息を吸い、吐く。

『ここでエミリアの言葉が聞けたとしても、俺の怒りとやるせなさが増すだけです』

『残念だ。せっかく彼女の口の中を犯しているペニスギャグを見せてあげようと思ったのに』

 マスクの中身は想像通りだったが、知るだけでも醜いと思った佑は、うんざりして首を左右に振る。

『正直、こんな気持ち悪いものは見たくありません。こんなグロテスクなものは、俺の美学に反します』

 佑の言葉に怒ったのか、エミリアがまた唸る。

『そうか、残念だ。彼女は実の兄が好きなんだって? その人でも連れてきたら、彼女はもっと喜ぶのかな』

「むごぉおおっ!!」

 ガブリエルの言葉を聞き、エミリアが渾身の力で暴れる。

『やめてください。この女のためではなく、彼が気の毒です。彼はこの女によってトラウマを負わされた。彼の友人として、この毒婦に二度と会わないでほしいと思っていますし、彼も望まないでしょう』

『ふぅん……。残念だな。まぁ、私は妻で遊べたらそれでいい。私たち夫婦に関係のない人を巻き込む事はないか』

 ガブリエルは穏やかに微笑み、乗馬用の鞭を手に取った。
 そしてエミリアの乳房に先端を当てたかと思うと、ピシッと鋭い音を立てて彼女を打った。

「むぅーっ!!」

 エミリアがもがき、ガブリエルは爽やかに笑う。

『さて、ご褒美もあげたしまた客間に戻ろう。君には少し休憩が必要のようだし』

 言われた通り、佑は疲れきっていた。
しおりを挟む
感想 575

あなたにおすすめの小説

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

身体の繋がりしかない関係

詩織
恋愛
会社の飲み会の帰り、たまたま同じ帰りが方向だった3つ年下の後輩。 その後勢いで身体の関係になった。

ドSな彼からの溺愛は蜜の味

鳴宮鶉子
恋愛
ドSな彼からの溺愛は蜜の味

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

ハイスペック上司からのドSな溺愛

鳴宮鶉子
恋愛
ハイスペック上司からのドSな溺愛

処理中です...