【R-18】【重愛注意】拾われバニーガールはヤンデレ社長の最愛の秘書になりました

臣桜

文字の大きさ
963 / 1,589
第十五部・針山夫婦 編

美鈴からのプレゼント

しおりを挟む
「私たち、今まで佑くんに近付く女には厳しかったけど、佑くんが選んだ女の子は別なの。駄目女ホイホイではあるけど、あれだけ痛い目を見たあとなら、見極める目は持ってると思うしね」

「そうそう。前カノもしっかりした子だ――いてぇっ」

 出雲が前カノについて話し始めた時、美鈴が思いきり出雲の脛を蹴った。

「あんた、本当に空気読まないわね。香澄ちゃんがいるのに前カノを褒めるとかって何事? お前の頭に入っているモノはスポンジか!」

「スポンジってなぁ」

 出雲が脛を押さえて表情を歪める傍ら、佑は〝スポンジ〟がヒットしたらしく、香澄の肩に顔を伏せて震え始めた。

「壊れた人感センサーでもいいわよ」

 ダメ押しのように言ったセリフに、佑はさらに笑う。

 香澄も笑いつつ、彼が人前でこんなに笑うのを見て「珍しいな」と思った。

 そして二人に感謝する。

「今日、お目にかかれて良かったです。社長として、恋人としての佑さんは知っていましたが、お友達の前での佑さんは知りませんでした。お二人に愛されているんだなぁって思えましたし、気を許した雰囲気の彼を見られたのも大収穫です」

 そう言った香澄を、出雲と美鈴は微笑ましく見る。

「ほんとーにいい子ね、香澄ちゃん」

「そうそう。今までこいつの周りにいた女は男友達にも妬いてたよなぁ。本当に香澄ちゃんみたいな、まともな子を選んで良かった」

 相当鈍いのか、出雲がまた失言をする。
 そんな夫を、美鈴が笑顔のまま全力でどついた。

「いでっ!」

「あのっ、いいんです。私、大体聞いていますから」

「え? やだ。佑くん香澄ちゃんに昔の事を話したの?」

 途端に眉を顰める美鈴に、佑は説明する。

「隠し通す選択もあったけど、香澄に聞く覚悟があるというなら、話してもいいと思ったんだ」

「ふーん……」

 美鈴はスラリとした脚を組み替え、香澄を見つめる。

「印象に似合わずしっかりしてるのね」

「いえ、すっごい気にしちゃう性格です。落ち着いてもないですし。……でも好きな人なら、マイナスな部分もまるっと受け入れたいな……と思っています」

「はぁ、できた子だなぁ。美鈴、お前も俺の事を受け入れろよ」

「どの口が言うか」

 また言い合いをする二人を見て、佑が耳打ちをしてきた。

「ああ見えて、出雲は美鈴さんが側にいないと眠れないタチなんだ」

「すごい愛妻家……」

 香澄が目を見開いた時、出雲が半眼になって口を挟んできた。

「佑? 何か余計な事を言ったな?」

「いいや?」

 勝ち誇ったように微笑む佑を見て全員で笑ったあと、美鈴が「そうだ」と立ち上がった。
 そしてリビングのチェストに置いてあった小さな手提げ袋を持ってきた。

「はい、香澄ちゃん。私からの誕生日プレゼント」

「ありがとうございます」

「開けてみて」

「はい」

 紙袋は軽く、中から箱が出てくる。
 蓋を開けると綿が敷き詰められた上に、小さなビニール袋に入ったイヤリングがツーセット入っていた。

「わぁ……可愛い。ハンドメイドですか?」

「そう。私のお気に入りの作家さんなの」

 さすが女性なだけあり、目の付け所が違う。
 佑が贈ってくるジュエリーと違って、気軽に受け取れる。

 札幌の大角梅坂屋でも時々ハンドメイドの催事をしていて、それらの作品を見るのが好きだった。

 手作業で作っているので決して安くはないけれど、その分人と被る事が少ないので、特別な物を身につけている気持ちになれる。

「綺麗でしょ。揺れる系はつけていて気分がアガるわよね」

「とても繊細な作りですね。綺麗……」

 耳元からシャラリと花が咲き零れるイヤリングは、華やかで美しい。
 一つは青紫系の花で、もう一つはピンク系の桜だ。

 香澄はいまつけているイヤリングを外し、桜モチーフの物を耳につけてみた。

「佑さん、どう?」

 耳元の髪を掻き上げて微笑むと、佑が微妙な顔をして褒めてくる。
しおりを挟む
感想 575

あなたにおすすめの小説

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写はすべて架空です。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

ドSな彼からの溺愛は蜜の味

鳴宮鶉子
恋愛
ドSな彼からの溺愛は蜜の味

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

処理中です...