【R-18】【重愛注意】拾われバニーガールはヤンデレ社長の最愛の秘書になりました

臣桜

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第十八部・麻衣と年越し 編

偶然のすれ違い

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「ああなったら当分戻ってこないから、放っておこ」

「あはは! 香澄って結構御劔さんにドライなんだね?」

「うーん。格好いいし、いつ見ても見惚れるけど、残念な面も沢山知ったし、ちょっと慣れた……かな?」

「ちょっとー、倦怠期になるには早いんじゃない?」

 そんな会話をして歩いていると、前方からスラッとした綺麗な女性が歩いてくる。

(綺麗な人だな)

 遠目で見て、顔がまだよく分からなくても香澄はそう思った。

 発しているオーラが違い、ブルゾンにスキニーというシンプルな格好でも、スタイルの良さやサラサラのロングヘアで、こなれた女性感が滲み出ている。

 東京にいると綺麗な人が大勢いる上、実は芸能人のオフの姿だった……という事もある。

 佑だってどんな服を着てもイケメンだし目立つ。

(歩き方も綺麗だな。……あれ? どこかで見たような……)

 女性を見ているうちに既視感を覚え、香澄は内心で首を捻る。

 ――と、誰なのか思いだすより、女性が香澄に声を掛けるのが先だった。

「あ! 赤松さん!」

(私!?)

 まさか声を掛けられるとは思わず、香澄は面食らう。

「香澄、知り合い?」

 麻衣に尋ねられるが、こんな美人オーラを発している知り合いはいない。

「誰ー?」

 アロイスとクラウスも興味を示したところ、ようやく佑が考え事から我に返った。

「どうした?」

 佑は香澄に尋ね、こちらに近付いてペコリと頭を下げる女性に思わず会釈仕返す。

「先日ご挨拶しました、清村加恋です」

「あ! あー……」

 先日テレビ局で仕事をした時、マネージャーがゴリ押ししてきたモデルだ。

 サングラスを外した加恋は、丁寧にお辞儀をする。

 綺麗なワンレングスのロングヘアは、先日は緩く巻いていたが今はストレートだ。

(あ……)

 不意に香澄は納得した。

 声を掛けた時に「赤松さん」と言ったのは、佑の名前を出さないためだ。

(気遣いのできる人なんだな)

「清村さんでしたか」

 佑はさすがに、共演者で業界人なのですぐ分かったようだ。

「年の瀬にお会いできて幸運です。皆さんでお出かけですか?」

「これからランチです。清村さんは?」

「私は散歩です。この辺に好きな人が住んでいるので、顔を見がてら……」

「そうですか。人気者ですから、身バレしないように気を付けて」

「お気遣いありがとうございます。赤松さんも、一年お疲れ様でした」

 丁寧に挨拶をされ、香澄はまた頭を下げる。

「来年のご活躍を楽しみにしていますね」

「はい。それでは、失礼致します」

 清村はにっこり笑うとまたサングラスを掛け、ゆったりと歩いていく。

「香澄。今の人、本物?」

「うん、人気モデルさんだよ」

「いや、テレビで見るから名前は知ってるけど……。ふぁー……。顔ちっさ。脚ほっそ」

 麻衣は振り向いて加恋の後ろ姿を見て、溜め息をつく。

「大丈夫だ。俺は恋愛対象外だ」

 ぬっとマティアスが麻衣の横に割り込み、またアピールしてくる。

「そっ、そういうのはいいですから」

 香澄は焦る麻衣を見て笑い、加恋の事をぼんやりと考える。

(好きな人がいる界隈に歩いてきちゃうって、中学生みたい。ピュアな恋愛してるんだなぁ)

 中学生の頃、近所に住んでいた友達に「好きな人に会えなくてもいいから、家の近くまで行きたい」と言われ、付き合って夜に散歩した事がある。

 その友達はずっと一途に想っていた相手と付き合う事はできたが、最終的に別れて進路も異なる道を歩んだ。

(清村さんって二十半ばぐらいだったっけ? 結婚を意識する年齢だし、好きな人とうまくいけばいいなぁ)

 ぼんやりと考えているうちに、目的地に辿り着いた。






 中華レストランはプラチナ通り沿いにあり、高級感のある黒っぽい外観だ。

 一階は飲茶もできるカフェになっていて、レストランフロアは二階、三階だ。

 二階がメインダイニングで、三階は個室のあるフロアらしい。

 紅葉時期だとプラチナ通りのイチョウ並木の黄葉が楽しめるが、盛りは十二月半ばぐらいまでで、今は残念ながらシーズン外だ。
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