【R-18】【重愛注意】拾われバニーガールはヤンデレ社長の最愛の秘書になりました

臣桜

文字の大きさ
1,227 / 1,589
第十九部・マティアスと麻衣 編

恥ずかしさもシェアしよう

しおりを挟む
「…………っ、――――っ」

 すぐ後ろにマティアスの体温を感じ、吐息すら感じる気がした。

 うなじがゾクゾクして、首をすくめてしまう。

 麻衣が緊張しているのを知ってか知らずか、スカートを下ろしたマティアスは後ろから抱き締めてきた。

「っっ…………!!」

 ガチガチに緊張した麻衣の背中に、マティアスの体温が伝わる。

 腕と腕は直接触れ合い、肌の滑らかさまで分かる。

「緊張してるのか? マイ」

 耳のすぐ近くでマティアスの声がし、吐息が耳朶にかかる。

「ぅひゃあっ!」

 緊張した上で耳元に吐息をかけられ、悲鳴を上げた。

 ビクンッと両肩を跳ね上げて体を縮こまらせ、心臓が口から飛び出たかと思ったほどだ。

 そんな彼女に、マティアスは哀願してくる。

「頼む。慣れてくれ。裸になって触れ合わないとメイクラブできない」

「っだ、だって……っ」

 心臓が激しく鳴り、死んでしまうかと思った。

 理由の分からない涙がこみ上げ、頭の中がグルグルして、どうしたらいいか分からない。

「好きだ。だから、マイの裸を見せてくれ」

 プツンとブラジャーのホックが外され、胸元の圧迫感がなくなる。

 麻衣は泣き出す寸前で、両手でキャミソールをかき合わせて震えていた。

「……怖いか? もし嫌なら、無理強いはしない」

「っご、ごめ……っ。ちが……違う、の。は、恥ずかしくて……死ぬ……」

 顔を見られないまま告げると、マティアスは一瞬黙ったあとフハッと笑った。

「俺も恥ずかしい」

「うそ!?」

 思わず彼を振り仰ぐと、マティアスはごく自然に微笑んでいた。

「好きな人の前で裸になるのは、誰だって恥ずかしい。平気だったり嬉しい奴は変態だ」

「は……、ははっ。そうだけど……」

 そのつもりはないのかもしれないが、笑わせてもらった事で緊張がやや取れる。

「俺は全部脱いでいる。とりあえず〝同じ〟になってみないか?」

 そう言われると、恥ずかしいのは同じなのに、自分だけ服を着ているのが申し訳なくなる。

 マティアスが肩に手をかけ、ゆっくりと自分のほうを向かせた。

「俺たちはこれから気持ちよさをシェアする。夫婦になるなら何でもシェアだ。その前に恥ずかしさもシェアしよう」

「あ……あの……。私、太ってるから……笑わないでね」

「どうして笑う必要があるのか分からない。性的に興奮するものを笑う変態ではない」

 こういう時、本心を隠さないマティアスの言葉は安心できる。

「じゃ、じゃあ……。脱がされるのは恥ずかしいから……、自分で脱ぐ」

「分かった」

「見てられるのも恥ずかしいから、先にお風呂に入って後ろ向いててくれる?」

「分かった」

 マティアスはバスルームに入り、すぐにシャワーの水音が聞こえてくる。

「…………心臓飛び出るかと思った」

 呟いて、麻衣は覚悟を決めながら服を脱ぎ、鏡に映った自分を見た。

 マティアスが「酔っ払って愛し合いたくないから、酒はやめておく」と言ったので、麻衣も酒を飲むのをやめた。

 なのに、鏡に映った自分は真っ赤な顔をしている。

 顔は可愛いとも何とも言えない、実に凡庸な顔だ。

 胸はEカップある……けど、体には相応に肉がついている。
 肩は曲線を描いてなだらかで、どこもかしこも丸みがある。

「でも……。求めてくれてる」

 不安な顔をした鏡の中の自分を励まし、麻衣は深呼吸をしてからバスルームに入った。

 マティアスはもう湯船に入り、浮かんだピンクのプルメリアを手で弄んでいた。

「ま、まだ後ろ向かないでね。体と髪、洗っちゃうから」

「ああ」

 風呂場なので声が反響して、それがまた恥ずかしい。

 麻衣はシャワーのコックを捻り、何も考えず髪を洗い、体も洗った。

 マティアスが振り向かないかチラチラ確認し、変な音が出ないように細心の注意を払って、念入りに秘部を洗った。

(あそこ、変じゃないかな。香澄、脱毛とか色とかどうしてるんだろう。聞いておけば良かった。……でも今さら間に合わない)

 今までこんな経験はもちろんなかったので、気がおかしくなってしまいそうだ。

 最後にシャワーで泡を洗い流し、覚悟を決めた。

「……お、お邪魔します……」
しおりを挟む
感想 575

あなたにおすすめの小説

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

身体の繋がりしかない関係

詩織
恋愛
会社の飲み会の帰り、たまたま同じ帰りが方向だった3つ年下の後輩。 その後勢いで身体の関係になった。

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写はすべて架空です。

密会~合コン相手はドS社長~

日下奈緒
恋愛
デザイナーとして働く冬佳は、社長である綾斗にこっぴどくしばかれる毎日。そんな中、合コンに行った冬佳の前の席に座ったのは、誰でもない綾斗。誰かどうにかして。

元カノと復縁する方法

なとみ
恋愛
「別れよっか」 同棲して1年ちょっとの榛名旭(はるな あさひ)に、ある日別れを告げられた無自覚男の瀬戸口颯(せとぐち そう)。 会社の同僚でもある二人の付き合いは、突然終わりを迎える。 自分の気持ちを振り返りながら、復縁に向けて頑張るお話。 表紙はまるぶち銀河様からの頂き物です。素敵です!

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

ハイスペック上司からのドSな溺愛

鳴宮鶉子
恋愛
ハイスペック上司からのドSな溺愛

処理中です...