【R-18】【重愛注意】拾われバニーガールはヤンデレ社長の最愛の秘書になりました

臣桜

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第十九部・マティアスと麻衣 編

欠点を持つ二人 ☆

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「……目、閉じてていい?」

「そのほうが楽なら構わない」

 了承を得て、麻衣は目を閉じる。

 彼に見つめられる恥ずかしさはなくなった。

 だがその代わりに感覚が鋭敏になって、体から得る気持ちよさが倍増した。

「ん……。あぁ……、ぁ……」

 マティアスの手が、胸からお腹に移動した。

「あまり触らないでほしい」と言ったからか、彼はお腹をしつこく触らず、腰に手を滑らせる。

 それから臀部から太腿を撫でられ、いよいよ秘部に近づく。

 麻衣は緊張して息を吸い込んだ。

 ――と、乳房に温かな息がかかったかと思うと、チュッ……と胸の先端にキスをされた。

「んっぁ、あ……」

 麻衣はビクッと身を震わせ、思いきり体を緊張させる。

 するとマティアスは彼女の気持ちを和らげるために、「大丈夫だ」と言って二の腕を優しくさすった。

(大丈夫……。大丈夫)

 頭の中ではグルグルと、「裸を晒して恥ずかしい」「信じると決めたのに、肉付きがいいって嗤われてないだろうか」という不安が渦巻いている。

 それに加えてマティアスに愛撫されている気持ちよさも加わり、頭の中がパンクしてしまいそうだ。

 麻衣は自分の事を、普通の人以上に羞恥耐性がないと思っている。

 いつも「恥ずかしい」という感情を抱えて生き続けていた。

 大人になって一見明るく、何を言われても平気に見えていたのは、訓練をした結果に過ぎない。

 いつまで経っても太っている事にコンプレックスを抱き、それなのに何一つとして自分を変えようと前進できない自分を嫌悪してきた。

 体も心も、すべて恥ずかしい。

 そんな自分を、マティアスは受け入れてくれた。

 麻衣が「恥ずかしい」と思っている事を、彼は嗤わない。

(この人を……、信じるって決めたんだ……!)

 麻衣は恥ずかしさと気持ちよさの狭間で、必死に自分と戦っていた。

 いつもの自分なら、ちっぽけなプライドを守るために、怒るか逃げる事で恥ずかしさを誤魔化していただろう。

 逃げ癖のついている自分と戦わなくては、〝普通の女性の幸せ〟は手に入らない。

 ――そうか。

 麻衣は歯を食いしばり、顔を真っ赤にしてプルプル震えながら納得した。

(世の中には太っていても彼氏や夫のいる人はいる。けどその人たちは、体型をカバーする長所があった。もしくは相手が体型なんて気にしない人だった。……私があらゆる事から逃げて色んな人を馬鹿にし続けてきたのは、……臆病だったからだ。そして、自分を受け入れてくれる人の存在を信じられなかった。誰にも、何にも、期待していなかった……)

 麻衣は口内に溜まった唾を嚥下し、荒くなる呼吸を必死に整えようとする。

 マティアスは何度も丁寧に麻衣の乳首を舐め、吸っていた。

(望めば手に入ったかもしれないのに、私は諦めて無い物ねだりをして、努力した人を僻んでいただけだった……)

 理解した瞬間、ポロッと涙が零れた。

 ――変わろう。

 心の中で、強く誓った。

 自分は運良くマティアスと出会い、愛された。

 きっかけは運でもいい。

 舞い込んできた幸せであろうが、自分で掴んだものだろうが、関係ない。

 幸せの内訳は、必ずしも努力した証ではない。

 誰にだって幸せになるチャンスは訪れる。

 チャンスを掴んだあと、どうやって幸せを維持し続けるかだ。

 幸せを掴む前も、あとも、人はずっと努力し続けなければならない。

(これからは、マティアスさんの愛情を素直に受け入れよう。ひねくれた自分から卒業して、愛される女性になりたい。彼といつか生まれる子供たちが、誇りに思ってくれる人になろう)

 麻衣は食いしばっていた口を開き、「は……っ」と息を吐く。

 そして恐る恐る目を開け、目元を覆っていた腕をどけた。

 すると胸元を愛撫していたマティアスと目が合い、彼が微笑み掛けてきた。

 それに対し、麻衣はぎこちなく笑い返した。

 ――まず、一歩。

 麻衣は震える手でマティアスの髪を撫で、彼の首や肩にも触れた。

 温かくなめらかな肌を感じ、素直に「気持ちいい」と感じる。

「……気持ちいい、……よ……」

 そう伝えると、マティアスは優しく笑った。

「そうか」

 彼は感情豊かではないし、痒いところに手が届くような、気が利く人ではない。

 自分も、完璧な女性ではない。

 欠点を持つ二人が寄り添い、若葉マークのカップルが誕生した。
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