タロットチートで生き残る!…ことが出来るかなあ

新和浜 優貴

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本編

87,王国軍の様子

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  ジェトラはすごく美味しかった。二種類が一緒に出てきたんだけど、カリカリに焼かれた薄いものと、少し厚めの生地で具を包んだものだった。具はマッシュポテトみたいなのに色んな野菜とチーズが混ぜてあった。いい感じに溶けたチーズと、外はカリカリ中はモチモチの生地の相性がすごく良くて美味しかった。薄い方は少し不思議な味だった。甘じょっぱくて、スナック菓子的な感じで食べられたんだけど、チーズとかでちょっとこってりした口の中をさっぱりさせるような、ハーブ系の後味だった。
  レベッカやギルは少し物足りないかもしれないけど、ミリアにはちょうど良さそう。今度みんなと来ようかな。

「それで、私に話ってなんですか?」

  一口水を飲んでからエリックさんに訊ねる。正直このまま帰りたいけど、絶対気にしちゃうしどうせあとから聞かされることになるだろうし、ここで聞いて帰った方がいい気がする。

「ああ、構えさせちゃってごめんね。別にアンジュさんだけに関係があるわけじゃないんだ、金の竪琴の皆に伝えて欲しいなーって思って」
「レベッカたちに?」

  なんだろう、また森で何か起きたのかな。その調査をして欲しいって依頼とか?  いや、でもそらなら最初からそう言うか。

「実は今、王国軍がセリゼの森で演習をしててね。数日程度、まあ遅くとも一週間したら帰るだろうとは思うんだけど、気をつけてねって話が一つ。冒険者と軍は仲が悪い訳じゃないけど、トラブルが起きないって訳でもないからさ。特に君たちは王国から来てるわけだし」

  正直「あ、そうなんだ」程度の感想しか出てこない。宣戦布告しちゃったんだから準備しなきゃいけないだろうしね。普通宣戦布告の前にするものだと思うけど。まあキオウ様とかウェアウィードたちに迷惑をかけなければいいんじゃないかな。
  あ、でももしかして沙夜香さんたちもそれに参加してるのかな?  それだとしたら少し挨拶するくらいはしておいた方がいいのかな。あー、でもメルドが沙夜香さんたちに頼んでる可能性もあるしなあ。挨拶しに行って捕まって幽閉なんて、ただのおバカだ。やめとこ。

「それでね、演習の様子とかを少し探ったんだけど、どうやら王国は本気で戦争をするつもりなんだよ。自惚れてるわけじゃないと思いたいけど、まともな戦争になるとは思えない。練度こそ高かったけれど、あの程度じゃ魔導王国を相手取るには荷が重いと思うんだけどなあ」
「あー……。自惚れてるって言うのは近いかもしれないですね……。秘密兵器を手に入れたらしいですし」 
「秘密兵器?」
「魔物とかへの対抗手段の一つって聞いてはいます」

  王国の秘密兵器みたいなものだよね、沙夜香さんたちは。メルドとかには勇者だって言われてたけど、あいつの言うことだし今の魔導王国は危なくないみたいだし、王国からしたら勇者みたいな救いの象徴みたいな感じかもしれないけど、普通の人からしたらすごく強い人ってだけだもんね。いや、十分すごいんだけどさ。

「うーん、秘密兵器程度でどうにかなるのかなあ。魔物をどうにか出来ても、魔王軍の魔人は一人一人がとんでもなく強いんだけど……。まあ、そんな感じだから、王国の知り合いに連絡をとるなら今のうちの方がいいよ。戦争になったらなかなか難しいと思うから」
「そうなんですね。ありがとうございます、エリックさん」

  と言われても、知り合いと一緒に帝国に来てるから連絡をとるほどの相手は……。あ、ガインさんとメイドさん。飛び出すように王国を出てきたから、メイドさんに危ないって教えて貰ったお礼とかろくに出来てないし、ガインさんにククリがすごい役立ってるとも伝えたい。あの二人には手紙か何かで現状を伝えとこうかな。
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