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本編
23,緊急依頼
しおりを挟むそのあと、パーティ名は銀の剣をもじって金の竪琴になった。銀だから金、剣だから盾、まんますぎるから少し足して竪琴。安易とかの文句は受け付けない。私をリーダーにしたのが悪い。一応対外的なリーダーはギルさんがやってくれるみたいだけどね。
昨日は親睦会みたいに一緒にご飯を食べて、今日改めてクエストに向かうために私たちはギルド前に集まってた。
「それで、今日はなんのクエストを受けるんだ?」
「今日はDランクより下の討伐クエストを受けます。レベッカがもう体動かしたくて仕方ないみたいで」
そう言いながらギルドに入ると、中の空気が少しピリピリしてた。なにかあったのかな。
とりあえずクエストボードを見てみるけど、クエストはほとんど貼られてなかった。あったとしてもおつかいか、護衛クエストで、採取も討伐もない。
「あっ! レベッカさんたち!」
振り向くとアドニスさんがこっちに駆け寄って来るところだった。
「どうしたんですか、アドニスさん?」
「実は昨日北の街道にキマイラが出たって知らせがあって、昨日討伐隊が編成されたんだ。それで今日討伐が開始されたんだけど、特殊な個体らしくて苦戦を強いられているって連絡が入った。レベッカさんたちで緊急だけどクエストを受けてくれないかな?」
「応援に行けってことですか?」
「いや、後方支援をお願いしたいんだ。もともと後方支援は万が一の時には戦えるような強さの人に頼んでたんだけど、その人たちも戦わないとまずそうだったから前線に出てる。そのせいで後方の人員が不足してるんだよ」
後方支援か……。よく分からないけど、怪我した人を治したり、食事とかの世話をしたりとかかな? それなら私も役に立てるかな。
「みんな、今日はその手伝いでいいかな?」
振り向くとレベッカたちはとても怖い顔をしていた。何かにすごい怒ってるような、そんな顔。
「アドニス。そのキマイラは人面か?」
「はい、人面でヘビは頭の辺りが横に広いと聞いてる」
アドニスさんが答えると、レベッカの顔から、すとん、と表情が抜け落ちた。
「アンジュ、君は後方支援を。私は前線に出る」
「俺もだ」
ギルさんもレベッカと同じように無表情で、彼女と一緒に行くと言う。急に雰囲気の変わった二人にに戸惑っていると、ミリアさんが私の肩に手を置いて教えてくれる。
「そのキマイラは、ガイルの仇よ」
そっか、だから二人とも……。
それなら私ができることは一つ。みんなを早く前線に連れてくことだ。苦戦してるとは言ってたど後方支援に私を送ろうとしてるなら、勝てそうではあるんだろうし。
「アドニスさん、何か持っていくものありますか?」
「低級ポーションを持って行って欲しい。大きいバッグ二つ分用意してある」
「分かりました。すぐ出発します」
三人を見るとみんな、ぽかん、とした顔をしてる。
「ほら、ほうけてないで行くよみんな!」
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