タロットチートで生き残る!…ことが出来るかなあ

新和浜 優貴

文字の大きさ
24 / 97
本編

23,緊急依頼

しおりを挟む

  そのあと、パーティ名は銀の剣をもじって金の竪琴になった。銀だから金、剣だから盾、まんますぎるから少し足して竪琴。安易とかの文句は受け付けない。私をリーダーにしたのが悪い。一応対外的なリーダーはギルさんがやってくれるみたいだけどね。
  昨日は親睦会みたいに一緒にご飯を食べて、今日改めてクエストに向かうために私たちはギルド前に集まってた。

「それで、今日はなんのクエストを受けるんだ?」
「今日はDランクより下の討伐クエストを受けます。レベッカがもう体動かしたくて仕方ないみたいで」

  そう言いながらギルドに入ると、中の空気が少しピリピリしてた。なにかあったのかな。
  とりあえずクエストボードを見てみるけど、クエストはほとんど貼られてなかった。あったとしてもおつかいか、護衛クエストで、採取も討伐もない。

「あっ!  レベッカさんたち!」

  振り向くとアドニスさんがこっちに駆け寄って来るところだった。

「どうしたんですか、アドニスさん?」
「実は昨日北の街道にキマイラが出たって知らせがあって、昨日討伐隊が編成されたんだ。それで今日討伐が開始されたんだけど、特殊な個体らしくて苦戦を強いられているって連絡が入った。レベッカさんたちで緊急だけどクエストを受けてくれないかな?」
「応援に行けってことですか?」
「いや、後方支援をお願いしたいんだ。もともと後方支援は万が一の時には戦えるような強さの人に頼んでたんだけど、その人たちも戦わないとまずそうだったから前線に出てる。そのせいで後方の人員が不足してるんだよ」

  後方支援か……。よく分からないけど、怪我した人を治したり、食事とかの世話をしたりとかかな?  それなら私も役に立てるかな。

「みんな、今日はその手伝いでいいかな?」

  振り向くとレベッカたちはとても怖い顔をしていた。何かにすごい怒ってるような、そんな顔。

「アドニス。そのキマイラは人面か?」
「はい、人面でヘビは頭の辺りが横に広いと聞いてる」

  アドニスさんが答えると、レベッカの顔から、すとん、と表情が抜け落ちた。

「アンジュ、君は後方支援を。私は前線に出る」
「俺もだ」

  ギルさんもレベッカと同じように無表情で、彼女と一緒に行くと言う。急に雰囲気の変わった二人にに戸惑っていると、ミリアさんが私の肩に手を置いて教えてくれる。

「そのキマイラは、ガイルの仇よ」

  そっか、だから二人とも……。
  それなら私ができることは一つ。みんなを早く前線に連れてくことだ。苦戦してるとは言ってたど後方支援に私を送ろうとしてるなら、勝てそうではあるんだろうし。

「アドニスさん、何か持っていくものありますか?」
「低級ポーションを持って行って欲しい。大きいバッグ二つ分用意してある」
「分かりました。すぐ出発します」

  三人を見るとみんな、ぽかん、とした顔をしてる。

「ほら、ほうけてないで行くよみんな!」

しおりを挟む
感想 88

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

波間柏
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

狼になっちゃった!

家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで? 色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!? ……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう? これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

処理中です...