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本編
47,お客さん?
しおりを挟む「どう、アンジュ。占いの調子は」
「だめだねー。まだ一件も来ないよ。始めたばかりだから仕方ないんだけどね」
場所を借りてから三日。占いの依頼は一度も来なかった。物珍しさとかで一人くらい来てくれるかと思ったけど、ギルドに来た人はぎょっとした顔で私を見て遠巻きに眺めるくらいしかしない。
お客さんも来ないけど、特に問題も起きてないんだよね。受付した時の周りの反応的になにかあるだろうと思ったけど、平和そのもの。まあまだ三日目だからこれからなにかあるのかもしれないけどね。
「それは残念だね。剣葉草のときのこともあるし、私結構信じてるんだけど」
剣葉草の時って言うと、ワンカードで占ったときかな。あの時はたしかに緑刃草が採れたから当たったって感じなのかな? リュウセン様のことは、ちょっと違う気がするからノーカウントで。
「少し気分転換に行かない? セリゼの森には行けないけど、他の場所のクエストにさ」
「お客さんも来そうにないし行こうかなあ」
「じゃあ今回も頼むね。採取か討伐か」
「あ、うん」
もしかして占いの実演のためにさそってくれたのかな? もちろん気分転換っていうのも本当だと思うんだけど。
じゃあ、今回もワンカードにしよう。私たちは採取クエストに行くべきかどうか。
菫色の布を広げて、そこでカードを混ぜ合わせていく。
「それがあなたの呪い札ですの?」
声の方を見るとフードを目深にかぶり、口にあて布をした人がいた。体型が隠れるようなゆったりとしたローブを着てるけど、声の感じからして女の人かな?
「どうやって占うんです?」
「あ、えっと、今やってるやつだと一枚カードを引いて、そのカードの持つ意味が占いの結果になるっていうものです。質問の内容とかでカードの引き方とかが変わってきます」
「ふーん……」
あんまり興味は持ってもらえなかったかな……。もしかしたら初めてのお客さんかと思ったけど、そんなに甘くないかあ。
でもこの人、なにか気になるんだけどなんだろうなあ。
そのまま無意識にタロットをめくってしまう。これじゃあ質問が混ざってあんまり正確な占いにならない。やっちゃったなあ。
「それはどういう意味のカードですの?」
「えっと……」
出てきたアルカナは正義。位置は逆位置。単純なカードの意味なら正位置なら公平、善意、均衡が取れているとかだけど、逆位置だと不公平とか、悪意なんかの正位置とは逆の意味を持つ。
「この向きだと不公平とか悪意とか、そういう意味ですね。逆の向きだと公平とか善意になります」
「そうですの。なるほどね」
女の人が頷き、ローブから赤い液体の入ったフラスコみたいなものを取り出した。そして、栓を抜いて中身をタロットカードへぶちまけた。
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