されど、愛を唄う

あきら

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 もう諦めればいいのに、と思いながら伸びてくる腕に身を任せる。
 俺の好きなところをたくさん知っている指先が体中を撫でていけば、勝手に声は漏れた。
 それをずいぶん嬉しそうな顔をして。だけど、その目の奥に情欲を湛えて、もっと聞かせて、なんて。
 そんなふうに強請られたら、悪い気はしないから、今日も俺はあられもない声を上げる。
 

 最初は、ただの好奇心だった。
 俺を知っているのに、俺を知らない。そんなアンバランスさが気になって、声をかけた。
 目が合って、息を飲んで。まるで腕のいい職人が作り上げたような、彫刻めいた見た目に笑みが浮かぶ。
 その両目には、確実に怯えの色があるのに。彼は、じっと俺を見ていた。
 服をたなびかせながら近づいて、怯えの奥を読み取ろうと覗き込む。

「いい顔してんね」

 俺という存在を周知していながら、必死に隠そうとする色はどう見ても、欲のそれだ。
 興味が沸いた。だから、俺のにする、なんて言った事実を、昨日のことのように思い出せる。


 シグルドは俺から見たらひどく不安定だった。
 嫌だと、何なら涙まで落として、それでも快楽にあらがえず俺を抱いて。それなのに、恐怖に駆られ、自分たちの都合で人間たちに排除されても仕方ないと苦笑する。
 だから、甘えさせてやりたくなった。何もない胸を貸して、それでこいつが落ち着いて笑ってくれるなら、いくらでも甘ったるい言葉をかけてやりたくなった。
 お前は何にも悪くない、悪いのは俺だよ、と囁いて。全部全部、俺のせいにすればいいよと。

「守ってやるから」

 はじめての感情だ。壊すのではなく、守ってやりたい、なんて。
 辛い顔をしてほしくない。笑ってほしい。俺を好きになって、俺を欲しがってほしい。
 そんな言葉が頭の中に浮かんでは消えて、ああ、そうかと一人納得した。俺は、シグルドが。

 欲しいものを手に入れる方法なんて、いまいちわからなくて。だから、彼の望むことを叶えてやろうと思う。
 何をしなくてもいいし、やりたいことをやって欲しい。そんなふうに思うけれど。


「……ん?」

 家主のいない部屋の隅に、積み重なった本が目に入った。
 家と、その本の持ち主は今、管理人とやらのところへ行っている。退去手続きがどうのこうの、と言っていたけれど俺にはよくわからない話。
 なので、のんびりとベッドに寝転びながらシグルドの帰りを待っていたわけだけれど、その本が妙に気になった。
 理由はおそらく単純で。出ていくための身辺整理をしている中で、その何冊かの本だけがまだ読めるようにか、縛りもせず無造作に置かれていたからだ。

 綺麗な表紙を開く。専門的な用語が多くて、ざっと目を通してみたけれど、わかったのは写真やカメラに関する本だということだけだ。
 それなりに長い時間を生きていることもあり、一通りの知識はあるにせよここまで詳しいことは知らない。軽く首を傾げ、部屋の中を見回した。

「……あそこかな」

 独り言を零しながらベッドを下り、散らばっていた服を上だけ着る。ぺたぺたと足音をさせながら、奥の部屋を少しだけ開けて覗いた。

「すげぇ」

 その部屋は暗室で。要は、撮った写真を現像するための部屋だ。
 光が入らないよう、厚手の黒いカーテンで閉ざされたその場所は、ずいぶん本格的でありながらも、最近使用された様子はない。

「写真、かぁ」

 当然今も使われているような雰囲気はないので、電気をつける。吊り下げられている写真たちは、気に入ったそれなのだろうか。何の変哲もない、町の風景や空の写真が多かった。
 ぱら、と手にしたままだった本をめくる。鮮やかな青が目に飛び込んできて、かつて見たことのある場所を思い出した。
 もしも、あいつが。ここを追い出されたあとのあてがないのなら。あの綺麗な景色を、見せてやりたいと思ったんだ。


◇◇◇


 海辺の町の、そのホテルの一室で。
 一部屋を完全に遮光して、シグルドが写真を現像し終わるのを待つ。
 ちょっとばかり予定外のことはあれど、連れてきたことに後悔はしていない。昨夜こそ当然沈んでいたものの、俺が写真を見たいと強請ればわかったと笑ってくれた。
 それで、いい。あいつが笑ってくれるなら、俺は何でもする。
 そして、俺のになってくれるって、その一言さえあれば。きっと、もっと、お前のために、生きていけるのに。

「できたぞ」
「見せて?」

 俺の胸中なんて知るはずもないシグルドが部屋から出てきて、目の前のテーブルに写真を広げた。
 高台からの、海の景色。いくつものカラフルな家が立ち並んで、空と海の青とのコントラストがとても綺麗だ。
 それから、オレンジ色の海に沈んでいく夕日。同じアングルから数枚、時間経過が解るように撮られていて。最初は青が濃かった海が、オレンジ色に染まっていく過程が美しく切り取られていた。

「……これ、一枚欲しい」
「一枚でいいのか?」
「ん。だって、シグルドが撮ってシグルドが現像したんだから、この写真はお前のだろ?お前が撮りたいと思って撮ったなら、ちゃんと大事にしなきゃ」

 きょとん、とした両目が俺を見る。不思議そうに何度か瞬いて、さらに首を傾げた。

「……ときどき、お前……そういうこと言うよな」
「どんなだよ」

 くすりと笑う。だけど、シグルドはひどく真剣な目をして見てくるから、なんとかそこから意識を逸らすのに精いっぱいだ。

「また、現像すればいいから。これはお前が持ってて」
「で、も」
「持ってて欲しい。エディがいなかったら、撮れもしなかったものだ」

 真剣だった目が柔らかく微笑んでもう一度、エディが持ってて、なんて言うから、俺は嬉しくて仕方なくなってしまう。
 堪えきれない笑みが、ふふ、と唇からこぼれた。

「わかった。ありがと」
「……礼を言うのは、俺のほうだ。写真、を、思い出させてくれたから」

 少し、照れくさそうな。そんな横顔を見てしまえば、今度は胸がぎゅう、と苦しくなる。
 抱きしめたくなって、でも嫌がるかな、なんて。ほんの数秒だけ迷ってから、結局のところ我慢もできなくて、思い切り抱き着いた。

「エディ?」
「ん……もっと呼んで。お前がくれた、俺だけの名前。もっと、聞きたい」
「……んな、大層なものでもない。もうちょっといいのがあったよな」
「別にいいんだって。お前が考えて、俺にくれた、それだけで」
 
 でも、と続ける。

「もしかして、俺だけ、ってわけじゃないとか?」
「……いや、なんていうか……」

 歯切れの悪い言葉に、バツの悪そうな顔。
 どんな顔してるシグルドも好きだけど、少し揶揄いたくなった。

「教えて?」

 微笑んで、唇で頬に触れる。少し困ったような顔をした彼が、怒るなよ、と前置きした。
 
「……鳥」
「鳥?」
「昨日、話した……鳥の名前、だった」

 ああ、と頷く。あのムカつく男に殺されてしまったという、綺麗な鳥のこと。

「……もう、正直はっきり覚えてるわけじゃないんだ。ただ、声が……鳴き声がすごく綺麗で」
「うん」
「お前、の声、は……綺麗だと、思った、から」

 首に回した俺の両手から、なんとか逃げようとしているらしく顔を回して。
 だけどそのせいで、耳が赤くなっているのが丸見えになっていて、なんかもう、たまらない気持ちになる。
 だから、俺はまた、同じことを問いかけるんだ。

「……なぁ、俺のになってよ」
「お前の気長は数時間か?」

 ふ、と笑って言うその答えすら愛しくて。

「じゃあ、どうしたら俺のこと好きになってくれんの?」
「……ならない」

 嘘だ、と思う。
 ほんの半月程度、一緒にいるだけだけれど。この不安定な男は、それでも人に誠実であろうとするから。
 本当の本当に、俺を一欠けらも好きだと思わないなら。その未来すらも、自分で予想していないのだとしたら。
 こんなふうに、俺の好きにさせるはずがないんだ。

「エディ」

 くい、と顎が取られて深く口づけられ、ぴくりと跳ねる。
 少し伸びた爪で服を引っ掻いて、その舌を甘受した。

「……な、に、急に」
「したくなった。それだけ」
「ちょ、え、キスだけじゃなくて?」

 誘導された先はベッドの上で。どろりと熱を帯びた両目が、俺を見ている。

「な、んっで」
「なんでも。嫌ならしないけど」

 体を起こして言うくせに、俺の拒否なんてこれっぽっちも認めないと言いたげな表情にぞくりとした。
 そう、その顔。本人は無自覚らしいけど、初めて会った時のことを思い出す。
 まるで、ずっと追いかけられ、捕食される獲物にでもなったような、そんな気分にさせる顔だった。


 夜風が気持ち良くて、開け放たれたバルコニーに出る。テラスに両腕を乗せ、ぼんやりと暗い海を眺めた。
 結局、今日はほとんど一日中ベッドの中にいたな、と思い返す。珍しくも向こうから求めてくれるのは嬉しいからいいんだけど。

 それはそれとして、立場が逆転し始めている気がする。俺が誘わなきゃ触ろうともしなかったくせに。
 いつしか余裕なんて表面的なものにされて、腹の、体の内側はぐずぐずに溶かされて。ギリギリの自尊心がなければ、みっともなく泣いて縋ってしまいそうだ。

「……なにあれ、素質?怖っ」

 ぼそりと独り言が漏れた。
 俺に突っ込むまで童貞だったあの男は、いまや俺の体を貪欲に知り尽くして。こっちの意識が怪しくなるまで、快楽を与えようとしてくる。
 特に、あれ。あの声で、呼ばれると。

『……エディ』

 思い出すだけでぶわ、と顔が熱くなった。誰が見ているわけじゃないけれど、それを誤魔化そうと両手で自分の頬を挟む。
 名前なんてなかったし、なくて不便だと思うこともなかったのに。シグルドがくれた、綺麗な歌声だったという鳥のその名前を囁かれるたびに、体の内側から温かなものが沸きあがってきた。

「ふ、ふふふ」

 自然に口元が緩む。鏡なんか見なくてもわかる、今俺はものすごく蕩けた顔をしているだろう。

「俺の。俺の、名前……シグが、くれた。シグの呼ぶ、俺の、なまえ」

 それを口にすれば、やっぱり嬉しくて。誰も見ていない、聞いていないのをいいことに、くるくるとバルコニーで回りながら笑みをこぼした。

「……歌声、かぁ……いつか聞いて欲しいなぁ……」

 決して叶わない願いだと、そうわかってはいるけれど。
 ただ、もしもその時が。人間の寿命ってやつが尽きるときまで、一緒にいられることができたのなら。その時は、歌って聞かせたい。
 俺の歌であいつを送ることができたのなら、どれほど幸せだろうか。

「……けど、俺が悪魔じゃなかったら。あいつが人間じゃなかったら、よかったのかもなぁ」

 わずかなため息とともに吐き出した言葉は、爽やかな夜風に乗って飛んでいった。



 海辺の街を起ったあともふらりと旅を続けて、更にひと月が経った。
 流されるようにして始まった俺たちの旅は、その後もあちこちの場所に及んでいる。
 たとえば、砂漠だとか。たとえば、極寒の氷と雪に覆われた町だとか。
 一度俺が行ったことのある場所なら、すぐに移動することもできたけれど。この世界はなかなかに広くて、俺の知らない場所はまだまだたくさんあって。
 そんなところに行くときには、列車を使ってみたり。誰かの車に乗せてもらったり、船に乗ったりと旅路を満喫することにしていた。

「次、どこ行こっか」
「そうだな」

 冊子をめくりながらシグルドが答える。

「この内陸側の山あたりは?エディは行ったことあるか」
「んー?どうだろう、そのあたりはあんまり行った覚えないや」
「標高がけっこう高そうだよな。ちょっと調べてくるか」
「あ、でもその花は見覚えある。確かに山の上のほうに群生するとかで」

 テイクアウトのコーヒー片手に、テラス席で冊子を広げて。二人で顔を寄せ合って、あーでもないこーでもないと話をするこの時間も、俺はとても好きだった。
 行ったことのない場所の話をしている間は、俺は俺が悪魔だということを忘れられる。普通に、シグルドの隣にいるただの人間のような気がしてくるから。

「……どうした?」
「え?」
「大丈夫か?疲れた?」

 どうやら、表情に出てしまっていたらしい。平気、と首を横に振ると、少し眉を寄せて訝しげな顔になる。

「無理すんなよ」
「……半分くらい、お前のせいじゃね」

 じろ、と睨み付け茶化して答えるとすっと目を逸らした。どうやら、自覚はあるようだ。

「予想外だったわ」
「俺も」
「なんでだよ」

 思わずぼやくと、全力で同意してくるから呆れて返す。

「まあでも、俺がどうこうってよりはお前だろ」
「は?」
「自覚ないのかよ?あんなに誘ってきといて?」
「……とりあえず、俺の思惑にない誘いに乗ってることはわかった」

 悪魔としての何か、プライド的なものが今一瞬で砕かれた気がした。

「冗談はこのへんにして、と。ちょっと行き方調べてくるわ」
「……行ってらっしゃい。俺ここで待ってっから」
「おう。小銭は置いてくから、なんか頼むなら好きにしろよ」

 ちゃり、と目の前に小さなコインケースが置かれて、それを置いた本人は足早に駅へと向かっていく。
 かなり大きなターミナル駅だ。列車を使っての移動なら、確かにそこの駅員に聞くのが手っ取り早い。
 そのあたりはシグルドのほうが得意なので、俺は俺で正体がバレても面倒だし、と引き続きコーヒーを楽しむことにした。




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